もう何年も、口紅を買っていない。普段の化粧は、シミ隠しのためにファンデーションとリップクリームを塗るだけ。アイシャドーは梅田まで買い物に行くとき、いつもより少しはちゃんとお化粧をしなければと思う時に使う程度だ。
それで充分と思っていたが、最近は口紅くらいは使ったほうがいいかもしれないと思い始めている。何故ならば、唇の色が悪くなってきたからだ。今年の冬は、これまでになく唇が荒れた。絶えずリップクリームをつけていたのに、だんだん色も悪くなっているのだ。これもオバチャン現象の始まりで、仕方ないと諦めているが、とりあえずは口紅で誤魔化すしかないだろうと思っている。今持っている口紅は、若いときに買ったブランド品と、母の形見の口紅だけなのだ。これを使ったら、余計に荒れそうなので、新しいものを買おうかなと思ったりしている。
若いときには、オバチャンファッションを理解できなかった。それが今となっては、分かるようになってきた。長いスカートは、冷えるのでヒザが出るような短いスカートなんて着られない。しかも、胸やお尻が下がってくるのは仕方ないとしても、ヒザ小僧もたるんでくるのだ。骨盤は歪み、両足の筋力は衰えるので、O脚にもなってくる。もう長いスカートで隠すしかない。スカーフは、首まわりが寒いので、コーディネートなんて考える余裕なく、とりあえずスカーフ・マフラーは必需品なのだ。
そして、ハデな口紅は、唇の色が悪いのを隠すためと、これも実感し始めている。