トマト

嫌いな食べ物はありません、何でも食べます、と言っているが、実はトマトの味は苦手だ。トマトジュースも、一口、二口が限界である。

子供の頃は、大好きというほどではなかったが、嫌いだと言う勇気がなかった。と言うのは、毎年ある時期になると知り合いの方から、自分の畑で作っている取れたてのトマトを、山のようにいただいていた。ちょっとお腹がすいたので、何か食べたいと親に言うと、トマトがあるよと連日言われ、初日の1コは食べても、その後はお腹がすいたと言っても、おやつはトマトと分かっていたので、じっと御飯の時間まで我慢したこともあった。

それでも、あまりトマトを食べたがらないのは、すぐにバレてしまった。体に良いので食べなさいと言われると、皮が口に残るとか、種のまわりのヌルっとしたのが好きじゃないとか、言い訳もするようになった。嫌いな場所は食べなくてもいいから、と言っている割りには、湯むきをして皮をむくとか、小さく切って種を全部取るというのは、自分でやらされた。言われるままにやってみたが、大好きな訳ではないので、とても面倒だった。やがて、おやつにトマトを食べなさいとは言われなくなったが、御飯のおかずに、一切れ・二切れが強制的に並ぶようになっていた。残すということは出来ないので、一番最初にトマトを食べ切っていた。

トマトは、子供の頃に食べ過ぎたから好きではありませんと言っているが、嫌いな食べ物ではないと、自分で言い聞かせている。今は、ミニトマトは食べられるので、我家では トマト = ミニトマト となっている。ちなみにケチャップは大好きで、今は卵を食べない生活をしているが、ゆで卵にはケチャップが一番あうと思っている。