自分の子供の頃を思い出してみたが、毎年クリスマスプレゼントは、お菓子のブーツだけだったように思う。朝起きると、枕元に赤いブーツが置かれていた。
お菓子の入ったブーツは、自分の好きなお菓子は少なく、クリスマスが終わった後に、残ったブーツをどうするかという事も悩みの種だった。せっかくもらったブーツをお正月まで飾っておくのも変だし、すぐに捨てる事も出来ない。もちろん自分で履こうと思った事もあるが、片足分しかない。結局自分で始末した記憶は少ないので、両親が片付けてくれたのだろう。
ブーツの中に大好きなチョコレートが少ないのは、サンタさんがエントツを通る時に溶けてしまうから、入れないようにしているのかなとか、かわいい憶測をしていた頃もあった。今だったら、「ブーツは去年のものがあるから好きなお菓子だけ詰めて!」と考えるかもしれない。サンタさんのプレゼントである赤いブーツが、何故お店に並んでいるのかという事は、ぜんぜん気がついていなかった。
そろそろブーツはいらないと思った時には、両親に「来年からブーツはいらない」と伝えた気がする。その割には、朝起きてブーツがないと寂しくて、言わなければ良かったと後悔した年が数年間あった。