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真性雑感 第二十三版

真性雑感 ~目次~

■ 高齢ドライバー

ここのところ高齢者による自動車事故が多発しているのは、単に以前まで報道されていなかっただけなのか、それとも飛行機事故があればなぜか連鎖するように、連鎖が連鎖を呼んでいる状況なのだろうか。

高齢者になれば運転免許証を自主返納すべきだと思うが、確かに過疎地などは買い物をするのにも病院に行くのにも自家用車は必須と言って良い。

しかし、80歳にもなって運転を続けるのはいかがなものか。

ここはやはり運転免許証の所有に定年制を設けるか、免許更新の条件を厳しくすべきだろうと思う。

そんな法案を通せば高齢者の票田を失う危険性が高いので政治家は決断できないだろうが、せめて保険会社だけでも対応できないものか。

70歳を過ぎたら加速度的に保険料を上げるなどすれば、高額な料金を年金からまかなうのが困難になって返納する人が増えたりするものと思われるので、ある程度は効果のあることだと思うだのが。

ニュースでは高齢者ほど運転に自信を持っていると伝えているが、長いこと運転していればそれなりに自信もつくだろうし、それまで大きな事故を起こしたことがない人なら余計に自信を持つだろう。

そして、最も多いのは危ない運転などしない、安全運転を心がけている、そもそもスピードを出さないなど、技術や反射神経、動体視力の過信というよりも、若いころと違って無謀な運転などしないから事故など起こさないと思っている人たちではないだろうか。

問題はそこにあるのではなく、やはり年齢とともに衰える反射神経や動体視力、瞬間的な判断力などだろう。

これだけ技術が発達し、VR(仮想現実)元年と言われるほど画像の処理能力が向上して機器がそろってきたのだから、運転シミュレータで急な飛び出しや早朝や夕方の逢魔時など、対向車や人が見づらい状況を再現し、運転技術やそれに必要な能力などを数値化して免許更新の可否を問えば良いし、前述したように保険料を段階的ではなく一定の年齢以上になったら加速度的に高くすれば、運転に不適格な人や免許保有の必要性が低い人は必然的にふるいにかけられるはずだ。

■ トランプ次期大統領

だったら日本はどうする。

当選し、次期大統領となるのが決定した今でも好き勝手なことを言っているが、彼はどこまで分かっているのだろう。

米軍駐留費を全額負担せよと言われてもお断りだ。

だったら軍を引き上げるというならそうすれば良い。

確かにそうなれば日本は困るが、それよりも困るのはアメリカ自身だろう。

日本は北朝鮮、中国、ロシアと対峙することがあった場合の前線基地なのだから。

日本を守るという名目で 7,000億円以上の資金まで出してもらいながら、アメリカ軍にとって実に有益な場所に基地を構えていられるという現実を国務長官や国防長官から教えてもらった方が良い。

出て行ってくれて一向にかまわないし、自国軍を強化せよというならそうする。

核を持てというなら検討しよう。

日本の技術力をもってすれば一カ月もかからず核爆弾の小型化に成功するだろう。

大気圏外まで飛ばせるロケット技術はすでに持っている。

そうなったら半狂乱になってヒステリックに騒ぎ出すのは中国、韓国、そしてロシアだろうからアメリカからうまく言ってなだめておいてほしい。

そして、それから先は日本の領空も領海も自由に航行できなくなることを肝に銘じておくべきだ。

■ いじめ

いじめ問題に終わりは見えない。

これほど大きな問題にならなかっただけで、いじめはいにしえの頃から存在したであろう人間の醜態に違いないと思われる。

『村八分(むらはちぶ)』とは一定の地域に住む人たちが結束し、特定の人との交際を絶つこと(共同絶交)であり、これは集団行動主義の日本社会における代表的ないじめの代名詞だ。

それは江戸時代からあるものだが、単に『村八分』と命名されたのが江戸時代なだけで、それよりも遥か昔から脈々と続く陰湿な行為なのではないだろうか。

親だって知らず知らずのうちに我が子に対して概念を植え付けている場合もある。

その子の素行やできが良くないという理由で
「〇〇ちゃんと遊んじゃいけません」
などと言ってはいないだろうか。

親きょうだいの素行がよろしくないという理由だけで
「〇〇ちゃんと遊んじゃいけません」
などと言ってはいないだろうか。

我が範疇に納まりきらなかったり、価値観や思想が違うというだけで人を嫌ったり見下したりし、それを子供の前で口にしてはいないだろうか。

親がそうなら子供だって同じだ。

些細なことで嫌ったり見下したりして人を無視したり暴力によって奴隷のようにあつかう。

こんな時、今のような暴力団ではなく、昔気質の任侠道を極めた極道に金銭授受をしてでも我が子を守ってもらえたら良いのだが。

極道が学校に乗り込んでいって加害者側を徹底的にビビらせれば良い。

加害者の自宅に乗り込んで和解金を支払わせれば良い。

そして、手数料として 20%でも 30%でもピンハネすれば良い。

もちろん、反社会的勢力と関わるべきではないが、そうでもしなければこの問題を根絶やしにするのは不可能だと思われる。

自分解体新書 - 26 -

自分解体新書 ~目次~

■ 頭

ここのところ、珍しく頭痛が頻発している。

ひどい肩こりをしていたころは何度か頭痛になったが、それでも数年に一度という程度だった。

そして、我流の柔軟体操をするようになってからは重い肩こりから解放され、それ以降は頭痛などとは縁がなくなっていた。

ところが、最近になって立て続けに頭痛を発症している。

多くは買い物の途中、側頭部から後頭部にかけて締め付けられるような痛みに襲われるのだが、もしかすると急に寒くなったこともあり、外気温と暖かすぎる北海道の建物内の温度差が大きいため血管拡張剤が発生しているのではないかと思ったのだが、去年まではこんなこともなかったのでやはり体に何らかの変化があるのだろうか。

そして先週末、起床すると右目奥から後頭部にかけて鈍痛があり、すぐに治ると思っていたが痛みは夜まで続いた。

そんな時に飲酒などどうかとも思ったが、アルコールでマヒして頭痛も気にならなくなるのではないかと、いつも通りに酒を呑んでいるといつしか痛みは気にならなくなり、翌日には治っていたので荒療治が効いたということだろうか。

不整脈が原因で血栓が脳で詰まるリスクを指摘されている身なので、あまりにも頭痛が頻発するようなら病院で診てもらおうかと思っているが、もし血栓が脳に飛んだのなら頭痛どころの騒ぎではないだろうから、きっと無関係だと言われるだろう。

■ 爪

左手親指の爪が割れた。

ひどい割れ方ではないものの、微妙に欠けていて繊維などに引っかかるのが困りものだ。

軽く引っかける程度なら問題ないが、強めに引っかけてしまうとさらに欠けた部分が大きくなってひび割れも深く大きくなってくる。

それがどんどん広がって、伸びている部分より深くなってきた。

少しでも爪の補強になればと水性絆創膏を塗ってみたがすぐに剥がれてしまう。

仕方がないので普通の絆創膏、サージカルテープを貼り、ハサミで爪の形に切っていたところ、『お買い物日記』 担当者が
「マニキュアを塗るとイイんだよ」
というので、使わせてほしいと頼むと
「ところが持ってないの」
と言われてしまった。

今のところは早く爪が伸びて、ひび割れている部分がなくなってほしいと願っているが、寒くなって圧倒的に伸びが遅くなっている。

毎年のことだが、暖かい時期と比較して 2/3くらいしか伸びないのではないだろうか。

気のせいかもしれないと調べてみると、やはり現実として冬は遅いらしい。

理由は単純、

  1. 気温が高いと新陳代謝も高く、爪や、髪などの部分も早く生まれ変わる(冬は逆)。
  2. 冬は摂取した栄養の多くが体温を維持するために使われるため、爪や髪まで栄養がまわらない。
  3. 爪や髪にも水分は必要だが冬場は乾燥しているので発育が遅れる。

ということだった。

このひび割れがなくなるのはいつのことだろう。

■ すね毛

毛が濃い方ではないが、男なのでそれなりに体毛はある。

すね毛だってあったはずなのに、肝心のすねの部分の毛がなくなってツルンとしている。

自分のすねなどマジマジと見たことなどないので気づかなかったのだが、綺麗さっぱりと毛がなくなり、ツルンツルンのすねになっていることが最近になって判明した。

若いころは間違いなくすね毛があり、手のひらでグリグリしてアリンコを作ったりして遊んだし、シャワーを浴びた際に体をつたって流れる湯に沿って毛も蛇行する様を観察していたことだってある。

ところがである、そのあるはずの物がなくなってしまったのである。

『お買い物日記』 担当者に
「俺のすね毛知らない?」
と聞いてみたが、そんなものを知っているはずがない。

そして、マジマジと見てみると無くなっているのは見事にすね毛だけであり、横からふくらはぎにかけては普通に毛が生えている。

毎日正座しているとか、意味もなく正座したままズリズリと移動しているのなら擦り切れて無くなるかもしれないが、パソコンに向かっている間はイスに座り、テレビを見るときはゴロゴロしているのだから足のすねを酷使したことはない。

あれだけあったすね毛はどこに行ってしまったのだろう。

雪にまつわるエトセトラ

気象観測が始まって以来の低温、40年ぶりの降雪量などと、雪に慣れた道産子も早すぎる冬に戸惑いの色を隠せないでいるが、この町はたまにチラホラと降る程度で積もることなく解けてしまっている。

そんな我が街にも間もなく雪が積もり、本格的に冬がやって来るが、9月に雪深い街から越してきたショウコは雪の少なさ、冬の短さに驚くことだろう。

何せ故郷の年間降雪量は 884cmで、この町は 100cm以下、一番寒い 2月の平均気温も故郷の -9.4℃に対してこの町は -0.4℃と 10℃近くも暖かい。

故郷が 11月から 4月の終わりまで 5カ月以上も雪に閉ざされるのに対し、この町は 12月の中旬から 3月中旬までの約 3カ月間なので 2カ月以上も短いことになる。

ずっと北海道で暮らし、雪の多い札幌から大阪に転勤した最初の冬、クリスマスに雪がなくてちっともホワイトクリスマスにならなかったのに驚いたし、正月にも雪がないことに違和感を覚えて 2-3年は慣れなかった。

きっとショウコもこれから 2-3年は、冬になるたびに妙な感覚を覚えることだろう。

ショウコが一人暮らしを断念したのも故郷は冬が厳しいからだ。

これで雪がなく温暖な土地であれば、まだまだ一人で生活していたと思われる。

それほど北海道の豪雪地帯、極寒の地の冬は大変であり、ショウコでなくともこの歳になれば自分も暮らすのは躊躇してしまう。

子供のころは夏も冬もなく、その季節ごとの環境で楽しく遊んでいた。

冬はスキーにスケートはもちろん、日暮れが早くあたりが暗くなるまで雪まみれになって遊んでいたものである。

ゴム長靴の中に雪がびっしりと詰まり、脱ごうにも脱げなくなってショウコの手を借りることなど毎度のことだ。

最初は立って片足を上げ、靴を引っ張ってもらうのだがガッチリ固まった雪はびくともしない。

腹ばいになって引っ張ってもらっても、小さな体なのでズリズリと引きずられてしまう。

そこで、柱などに両手で必死につかまり、体が持っていかれないようにしながら引っ張ってもらい、やっとの思いで長靴が脱げるのだが、急にスポッと脱げるものだから体のバランスを崩してショウコがあお向けにひっくりかえり、それに腹を立ててこっぴどく叱られるというのが毎度のオチだ。

そもそも、そんなに靴の中にびっしりと雪が入るのは深く降り積もった雪をかき分けて遊んだり、滑り落ちた雪と家の屋根がつながっているのでよじ登って高い所から飛び降りたりして遊ぶからである。

最初は靴の中に雪が入れば出したりしているが、そのうちに面倒になったり遊びに夢中になって忘れてしまい、気づいた時にはガッチリ固まって脱げなくなってしまう。

そんな状態なのに冷たさを感じなかったのは、暴れまわっているので体がポカポカしていたからなのだろうか。

豪雪地帯の故郷では除雪のブルドーザーが道の両側に雪を積み上げていく。

その高さは大人の背丈をゆうに超えるが、固い圧雪状態になっているので簡単には崩れず、小学校のころなどはその頂上をずっと歩きながら登下校したものだ。

休みの日ともなれば大人が使う大きなスコップを使って穴を掘り、家の前から交差点まで続く長い除雪の山の中を掘り進んでいったこともある。

今から考えると何百キロの重さにもなる圧雪が崩れたら生き埋めになってしまうと想像しただけで背筋がゾワゾワするが、怖いもの知らずの子供は危険など感じることもなく夢中で遊んでいた。

そして、その穴が見つかって再びショウコからこっぴどく叱られる。

親としては子供が危険なことをすれば怒るのも当然だが、子供にすれば何がどう危険なのかもピンときていないので無実の罪で罰せられているような気になり、ふくれっ面をしながら反抗して火に油を注ぐ結果っとなってしまう。

子供だった自分、まだ若い母親だったショウコ。

互いに年を取った親子は雪深い街を出て、今は過ごしやすい土地で暮らしている。

ショウコが来て初めての冬。

年老いた母親は何を想うだろうか。

機種変更顛末記 その2

<< その1 からの続き >>

昨日の午前中、auショップに行って自分も 『お買い物日記』 担当者も解約してきたのは独り言に書いた通りだ。

予想通りの塩対応に若干の寂しさを覚えたものの、これで我が家の通信料は劇的に安くなり、二人合わせても月々2,000円前後になるはずである。

auを昨日のタイミングで解約したのは月末であることと、ショップがある方向に買い物に行くついでがあったこと、そして旧スマホからの移行が完了したからだ。

本当に長く使っていたので様々なサービスの会員登録などでも auのメールアドレスを使っていることが多く、それらすべての変更作業が必要だったし、MNPで電話番号を引き継がなかったので、それなりのところに知らせなければならなかった。

そして、一番の問題点は格安 SIMを提供する会社にはメールサービスがないので、今後は Googleが提供する Gmailなどを利用することになるのだが、docomo、au、SoftBankとも Gmailからのメールは標準設定でブロックすることになっている。

したがって、知り合いに連絡して迷惑メールフィルターの設定で自分のメールを受け取れるように変更してもらわなければならない。

そのような設定をしたことがない人も多いので、家族や友人などに詳しい人がいれば代わってやってもらうことになるだろうが、それすらもままならない人とはメールでの連絡ができなくなってしまう。

それでも電話番号宛に送信できるショートメールや、今では LINEという便利な連絡手段もあるので大きな問題にはならないとは思うが。

『お買い物日記』 担当者が使っていた旧スマホでは Edy(エディ)、QUICPay(クイックペイ)、WAON(ワオン)などの電子マネーを利用していたが、その中の Edyはスマホにチャージした金額を他に移動する手段がないので使い切らなければならなかった。

そして、そのスマホは急速に劣化が進み、いつ死んでもおかしくないような状況だったので、すべての人に電話番号、メールアドレスの変更の連絡ができるのか、電子マネーを使い切ることができるのか分からず綱渡り状態だったのでドキドキの毎日だったのである。

電子マネーは無事に使い切ったが、何人かの知り合いには最終的な連絡ができないまま 10月23日の夜、『お買い物日記』 担当者のスマホはついに電源が入らなくなり、寿命を迎えてしまった。

自分のスマホも限界が近く、先月から電源の ON/OFFができなくなっていたが、色々と検索しまくって物理的なスイッチではなくソフト的に電源を OFFにする方法を見つけたので何とか新しスマホが届くまで使うことはできたが、こちらも様々なアプリが起動しなくなったりしていたのでドキドキの毎日を過ごしたものだ。

そのギリギリの状況の中、『お買い物日記』 担当者の旧スマホが寿命を迎える前に入っていたアプリを新スマホにもインストールし、各アプリの機能を使ってデータを移行することで同じ環境を構築できたのは幸いだった。

後に自分のスマホも新旧で同じ環境を整えようと、一つ一つアプリをダウンロードしてはインストールし、各アプリの機能を使ってデータを移行する作業を繰り返していたのだが、中にどうしてもデータを移行できないものがある。

しばし悩んでネットで検索してみると、Appleの iPhoneは iTunesを使ってバックアップし、別のデバイスに復元できるという。

それを実行してみると、あっという間に旧スマホのバックアップが終わり、それを新スマホに復元すると、旧スマホにインストールしていたアプリが自動的に次から次にインストールされてゆき、旧スマホで使っていたのと全く変わらない状態で復元された。

もちろん、それまで蓄積されていたデータもそのまま復元されている。

あまりにも簡単に、そして完璧に移行されたことに驚き、感動に浸りつつ Apple社の偉業を褒め称えていたのだが、『お買い物日記』 担当者が使う Androidスマホでもクラウドの Google ドライブを利用すれば同じような処理が可能だとネットを検索していて知った。

あの苦労は何だったのか。

一つ一つアプリをダウンロードしてインストールし、一つ一つアプリの設定をし、そのアプリの機能でデータを引き継ぐという地味な作業の繰り返し。

あの数時間は何だったのか。

新機種が出るたび頻繁に機種変更したり、新規加入端末 0円キャンペーンとかで頻繁にキャリアを乗り換えたりする人たちにとっては常識で、だれも移行作業に苦労していないのかもしれないが、20年近くも同じキャリアを利用し、5年間も同じスマホを使い続けた身にとっては不必要な作業であり、経験も乏しく、知識も身についていなかったので余計な苦労をすることになってしまった訳だ。

この 5年の間に世の中は、そして技術は劇的に進化したらしい。

新しいスマホも長く使うことになると思われるが、その頃にはどんな世界が待っているだろう。

機種変更顛末記 その1

最近の独り言で何度も触れているように、スマートフォン(スマホ)を新しくしたばかりだ。

その際、長く契約していた au(KDDI)ではなく、モバイル Wi-Fiや 『お買い物日記』 担当者が新調したスマホで選択した新興の通信会社、フリーテル(FREETEL)に自分も乗り換えることにした。

理由は簡単、その方が月々の通信料が圧倒的に安くなるからだ。

我が家は特殊な使い方をしていたのでそうでもないが、一般の人と同じだと仮定すればザックリと最低で一人 2,900円、高ければ 8,000円ほどかかる維持費が最低で一人 990円、高くても 3,170円と、1,910円~4,830円の開きがある。

我が家の場合は少し前までスマホでのデータ通信は行わず、Y!mobileの端末を使っていたが、それでさえ auと合わせて毎月 7,000円ほどの通信料を支払っていた。

ところが今回の FREETELへの乗り換えで月々 2,000円程度になるはずだ。

もちろん、ネットのヘビーユーザーであればそうはいかないが、我が家の場合は外出せずに家の中にいる限り室内の Wi-Fiを使っているのでモバイル通信を必要としないため、毎月の通信は量的にも少なくて済む。

たとえ外に出かけたとしても良く使うのは LINEやメールくらいなものであり、たまに初めていく場所で Google Mapを使ったり Webで店を探したりする程度だ。

その程度の使い方であれば、FREETELが用意しているプランの最低金額(990円)で済む。

また、それ以上の使い方をする場合でも、通信速度を制限(200kbps)すれば 10ギガでも 20ギガでも、何なら 100ギガでも使えるので事実上は 990円で使い放題なのである。

ただし、200kbpsでは遅くて動画再生できないし、大きな画像を使用しているサイトを閲覧するのには時間ばかりかかってしまうので実用的ではないが。

そんなこんなで auから FREETELに乗り換えたのだが、実はまだ auの解約をしておらず、『お買い物日記』 担当者も自分もスマホ 2台持ち状態でいる。

今回の乗り換えでは MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ(携帯電話番号を変えずにそのまま使える))を利用しなかったので、電話番号からメールアドレスまですべてが変わってしまうため、知人へ知らせなければならなかったり、使っていた電子マネーの残高を使い切らなければならなかったのが大きな理由だ。

それも落ち着いたので、そろそろ解約しようかと昨日 auショップに行って事前調査してきた。

というのも、『お買い物日記』 担当者も自分も契約更新が来年なので、今の時点で解約すれば違約金が発生すると思われるためその金額の確認と、実際の解約の際に必要なものを聞いておこうと思った訳である。

解約の条件を聞いてみた結果は昨夜の独り言に書いた通りだが、解約する方針であると伝えても店員は冷めたもので、引き留めるとか、残念そうにするとか、せめて解約の理由を聞くとかいうこともなく、実に淡々とした対応だった。

しつこく強引に継続を求められるのは鬱陶しいが、あまりにもアッサリしているので拍子抜けしてしまう。

au、docomo、SoftBankは猛烈なシェア争いをしており、巨額な宣伝広告費を投じて顧客獲得に躍起になっているが、シェアを上げるためには新規顧客を獲得するだけではなく、既存顧客を囲い込んで流出を避けることにも力点を置かなければならないと思うのだが、末端のショップでは意識が薄いらしい。

それはさておき違約金が安いのであれば、もう使いもしない auの回線をいつまでも維持しておくのはお金の無駄なので、今月を最後に解約しようと思う。

長く長く利用してきた auだが、感謝されることもなく、慰留されることもなく別れを告げることになる。

そんなものなのだろうが、通信キャリアは客商売の原点を見失ってはいないだろうか。

<< その2 に続く >>

ショウコノコト 7

独り言にも書いたように我が母ショウコと同じ町に暮らし始めて一カ月が経過した。

最初は右も左も分からないだろうし、施設で生活するにも色々と物入りで買い揃える必要があったし、住民票、銀行口座その他諸々の事務手続き等もあったので毎日のように会っていたが、最近は少しずつ間隔を空けるようにしている。

ショウコも施設で話し友達ができたようだし、部屋に電話回線を引いてやったので故郷の友達や親戚などからの電話もあるようで毎日が忙しそうだ。

叔母のレイコに対して女王様のように振る舞って迷惑をかけ、気に入らない人とは一切の付き合いをしないという我が強いショウコが、施設というある意味で団体生活に近い環境に馴染めるのか若干の心配があったが、そこはそれ、40年以上も営業職を勤めただけあって割とそつなく人付き合いして環境に順応している。

朝食後は部屋に戻らずみんなが集まるエントランスで談笑し、9:30になればラジオ体操をしてまた談笑、昼食後は 3階の部屋に戻るようだが退屈になれば 1階のエントランスに行って誰かとペチャクチャ話をしているらしい。

それでもまだ職員さんには遠慮があるようで、今月初めに処方された薬が合わずに体調を崩し、嘔吐して寝込んだりしたのだが、その際に部屋に備えられている職員を呼ぶスイッチを押さず、だたひたすら気分が悪いのを我慢していたという。

今回は大事に至らずに済んだが、もしこれが急病で体調が悪化の一途をたどり、そのスイッチを押したくても押せないような事態になってしまったら生死に関わることだってあり得るのだから、次に体調が悪くなった際は必ず呼ぶように言い渡しておいた。

ショウコは体調を崩して以降、朝食後はおしゃべりもせずに部屋に戻り、ラジオ体操にも参加せず、部屋に引きこもることが多くなった。

施設に気に入らない人ができたのか、それとも友達の輪からはずれてしまったのかと心配したが、実はまだ体が本調子でなかったことに加え、こっちに来てからまだ一度も美容室に行っておらず、少し髪が伸びてきて白髪が目立つようになってきたので人前に出るのが嫌なのだと言う。

80を過ぎた婆さんが何を言っているのかと呆れるやら腹が立つやらだし、おしゃれ番長だとは思っていたが、まさかそんなに人目を気にしていたとは思わなかった。

とりあえずとなりの店の妹ちゃんにカットと毛染めの予約をし、タクシーも手配してやると意気揚々とやって来て、さっそうと店の中に入っていく。

独り言に書いたのは、その帰りに我が家に寄ったときの話しである。

いくら若く見えても寄る年波には勝てず、ましてや最近の環境の激変で年齢相応の記憶力になってしまったショウコだが、となりの店の妹ちゃんは見かけも若いし、話をしていても故郷からこの町に来るまでのことを事細かに話すので、実年齢より遥かに若く感じるという。

ずっとショウコを見てきた自分と『お買い物日記』 担当者は、たった 1-2年前と今とでは雲泥の差があって記憶力の衰えに戸惑いすら覚えるが、普通の人から見ればまだ実年齢より若く、しっかりして見えるというのだから、それほど悲しんだり憐れんだりする必要はないのかも知れない。

実際、今でも気持ちだけは若く、施設の隣室の女性のことを
「隣のお婆ちゃん」
などと呼んでいる。

80を過ぎた婆さんに婆さん呼ばわりされるほどの高齢であろうはずもなかろうが、ショウコにすれば自分と比較して相手の方がはるかに年寄りだと判断しているのだろう。

そして、エントランスでするおしゃべりにしても、
「同じ話を何回もする人がいる」
と言い、
「でもね、何回聞いても初めて聞いたふりをしてあげるの」
などと、偉そうなことをぬかす。

同じ話を何度も聞かされ、耳にできたタコが肥大化して落ちそうになっている自分としては、ショウコの耳を思いっきり引っ張って
「お前が言うなぁあああ!」
と選挙カーのスピーカーを使って怒鳴ってやりたい気分だ。

しかしまあ、急に老け込んで見た目も一気に婆さんになってしまうより、気持ちだけでも若い方がマシなのだろう。

先月の 19日は敬老の日だった。

本当は行く予定はなかったのだが、買い物のついでにショウコが好きそうなデザインのショルダーバッグを買ったので、敬老の日とかいう意識もなく施設に行くと、自分たちの姿を見たショウコの顔がパッと明るくなり、施設の人から
「来てくれて良かったね~」
と声をかけられていたとことみると、来ることを期待していたのかも知れない。

遠く離れていれば、年に何度かあるイベントごとは適当に茶を濁すことができる。

しかし近くに住むということは、こういうことなのだろう。

母の日、敬老の日、12月のショウコの誕生日などなど、その都度何かすることを期待されるのか。

・・・。

それを考えると、もの凄く鬱陶しくなってきた。

こんなことなら、歩いて行ける距離の施設ではなく、微妙に遠い場所にある施設の方が良かったのではないかと若干の後悔を覚えたりしている今日この頃である。

自分解体新書 - 25 -

自分解体新書 ~目次~

■ 鼻 その4

若かりし頃に食堂の厨房でバイトしていた時からそうなのだが、玉ねぎの皮をむいても切っても、みじん切りしたとしても目に染みて涙を流すことがあまりない。

もちろん、厨房では尋常じゃない数をこなすので、目がジンジンしてきて薄っすら涙が出ることはあったが、号泣したようになるのとは明らかな違いがあった。

今でもたまに料理はするが、『お買い物日記』 担当者が涙を流して玉ねぎを処理する横で平気な顔をしているので不思議そうにされる。

包丁使いを先輩から教えられ、垂直に降ろさず状況によって斜め前に滑らせるように切ったり、手前に引きながら切ったりすることが身についているため、玉ねぎの繊維を潰さず断ち切るので涙が出る刺激成分が飛び散らずに済んでいるのかとも思ったが、厨房でも周りの人がボロボロと涙を流したりしていたので技術的な差ではなく体質なのかとも思っていた。

最近、テレビで玉ねぎを切っても涙が出ない方法というのをやっていたのだが、それは鼻にティッシュを入れるというものだ。

つまり、鼻の粘膜から刺激成分が入りにくくすると涙が出ないらしい。

以前から何度も書いているように、自分は慢性的な鼻炎である。

それほど鼻の通りが良くないため、玉ねぎを切っても平気なのかもしれないと思ったりしたのだがどうだろう。

■ 肩 その2

ここ何年も、ずっと左肩が痛かった。

普段の生活に支障はないのだが、何かの拍子に左肩に痛みが走る。

特に顕著なのは左手で下から背中をかこうとする時だ。

ズキンと強い痛みがあり、腰から上に手が届かない。

仕方がないので背中がかゆい時は右手を使ったり、右手で届かない場所は孫の手を使ったりしていた。

ところが、ここのところ痛みが軽くなってきたのである。

まだ痛みは消え去っていないものの、一定程度まで背中に届くようになってきたし、その痛みもピーク時の半分以下だ。

このまま放っておけば、いつかは痛みもなくなるだろうか。

■ 眉毛 その3

頭はもちろん、ヒゲにも鼻毛にも、そしてあんなとこやそんなとこまで白い毛が生えてきているし、一般的には生えないまつ毛にまで白い毛が交じるのは以前から書いている通りだが、ただ一カ所まだ生えていない最後の砦とでも言うべき場所があった。

それが眉毛だったのだが、つい先日、その眉毛に白い毛が生えているの発見してしまい、大きな衝撃を受けてしまったのである。

髪やヒゲが白くても、さほどのことではないと思うが、眉毛が白いのは完全なる爺さんではないか。

81代総理大臣だった村山富市氏もそうだったが、眉毛が白いと本当に爺さん臭い。

今はこれ以上増えることなく、生えたてきたとしても年に 1-2本のペースであることを願うばかりだ。

■ 指 その5

指先がボロボロになった件のその後だが、実は今も右手の親指、人差し指、中指がボロボロになることを繰り返している。

皮膚科には行かずに市販薬を使っているのだが、就寝前に塗って綿手袋をしたまま寝る毎日だ。

処方薬と同様に症状は改善し、毎日続けていると完全にと言ってよいくらい綺麗に治る。

ただし、そこで薬を塗るのを止めると数日後には指先がボコボコしてきて硬くなり、皮がむけて血が出てしまうということを繰り返す。

6月から続いた隔週の帰省の際には症状が出ることは少なかったので、やはりマウスを触るのが原因だと思われるが、マウスを触り続けて約30年、どうして今になって症状が表れたのだろう。

パソコンの購入時期と発症時期が近いので、新たに使い始めたマウスに使われている樹脂か塗料が原因かとも思ったが、違うマウスを使ってみても症状に変わりはなかったので違うらしい。

花粉症は、去年まで、いや、先週まで何でもなかった人が、ある日突然に発症するものらしいが、この手荒れも皮膚の耐性が限界に達し、突然の発症となったのだろうか。

これから先も、マウスを使う限りは毎晩の指先のケアが欠かせないのかも知れない。

真性雑感 第二十二版

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■ 築地市場の豊洲移転問題

北海道に住んでいると、直接的な影響があるのか微妙な問題ではあるが、メディアが連日の大騒ぎ状態なので否が応でも目や耳に入り、その決着がどうなるのかにも少なからず興味が沸く。

いつ、だれが、どのようなプロセスで地下空間を設けることを決定したのかという犯人探しに終始しているようだが、無責任を絵にかいたような官僚が自分が不利になる資料など残しているはずもなく、また、だれの責任で物事が進んだのかなど分かるはずもないだろう。

事の本質、問題点は豊洲の地下に染み出している地下水が安全なのかどうかだ。

基準値以下の化学物質が検出されたなどという報道があるが、実は隙間だらけの簡易的なフタしかしていない入り口から大量の雨水が流れ込んでいるのだから、地下水は数十倍、数百倍に薄まっているに違いない。

いや、ここのところは悪天候続きで、東京にも被害が出るほどの大雨が降ったのだから数千倍に薄まっている可能性もある。

つまり、検出された化学物質は基準値内だったのではなく、検出量の数千倍もあったのではないだろうか。

いくら北海道の新鮮な魚や野菜を輸送したところで、そんな劣悪な環境の施設を通過するのであれば価値は薄れてしまうように思えてならない

■ 東京オリンピック

総経費が 3兆円を超すという調査チームの指摘がなされた東京オリンピックだが、いったい何をどうしたら当初予算の 5倍だの 10倍だのという話になるのだろう。

そもそも、どこのだれが当初予算を見積もったのか。

建物の設計や建築費、道路の工事費用などは素人である都の職員が勝手に見積もって予算を組めるものではない。

と言うことは、どこかの業者が概算を見積もったのだろうが、その見積制度の低さ、甘さは許容される範囲を大きく逸脱している。

普通の会社がクライアントに対して見積もった金額がどんどん膨らみ、5倍、10倍になってしまうことなど許されるはずがない。

家の建築やリフォームもそうだが、リフォーム代金が 100万円という見積もりであればなんとか予算の範囲だと発注したのに、工事している最中に柱が弱っているから倍、柱の土台もダメになっているからさらに倍、耐震補強もしてさらに倍、高級素材の柱にしたからまた倍、そうこうしているうちに工事期間が延びたからまた倍、人件費も高騰してきたからまた倍・・・倍々ゲームで雪だるま式に金額が膨らみ、終わってみれば 1,000万円になりましたなどという悪徳業者じゃあるまいし、そんないい加減なことが国や都に対しては通用するのだから不思議だ。

どこのゼネコンがやっているのか知らないが、そんなアホな業者には、今後一切の工事は発注しないし、入札にも参加させないと厳しい姿勢で対峙すべきだろう。

そうすれば、甘い汁部分や贅肉をそぎ落とした正当な見積もりが出て来はしないだろうか。

■ 小池百合子新都知事

上述した二つの案件を処理しなければならない小池氏も大変だろう。

あのまま舛添氏が知事を続けていたら、都連が推していた増田 寛也氏が当選していたら、この案件は問題として浮上しなかっただろう。

民進党他が推した鳥越 俊太郎氏が当選していたとしても、これだけのスピード感でバイタリティーをもって行動できたとは思えない。

そういう意味では、今回こそ都民の選択は正しかったと言える。

この事案を見事に処理できたなら、小池氏の支持率は益々高まって地位は揺るぎないものになるだろうし、そうなれば自民都連も自民党本部も実力を認めざるを得なくなり、都政から国政に返り咲いた場合には自民党の中で核となる大きな存在感を示すだろう。

そうなった時、犬猿の仲の石原伸晃氏がどうなるか想像すると笑いが止まらない。

ショウコノコト 6

昨日の独り言にも書いたが、あれだけスーパー婆さんだったショウコが普通の婆さんになってしまった。

誰でも歳はとるものなので、致し方ないことなのかもしれないが、ショウコの急激な変化に少し驚き、戸惑い、幾分かの悲しさも感じてしまう。

6/1の緊急入院から現在に至るまで、あまりにも様々なことが起こり、環境の激変に脳の処理が追いついていないのか、このわずか 4カ月弱で急速にショウコの記憶力は衰えてきたようだ。

緊急入院から数週間で別の病院に移ったのだが、最初に入院した病院の記憶が半分以上ないらしい。

自分が救急搬送され、点滴を受けたまま寝たきりで 2日間を過ごしたこと、何人もの人が心配して病室を訪れたこと、そして、自分と 『お買い物日記』 担当者が慌てて駆けつけたことすら記憶に残っていないという。

それは腎盂腎炎を引き起こしたウイルスが全身に回り、高熱を発して言語も怪しくなっていたくらいなので、ある程度は仕方のないことだとは思うが、それから先もショウコの記憶の曖昧さは続く。

叔母のレイコに買い物を頼んでおきながら、いつも世話になっている販売店の外商さんにも注文してしまったり、受け取ったものを受け取っていないと言ってみたり、大切な証書の置き場所を何度教えても覚えられなかったりと、以前では考えられない行動や言動が見られるようになった。

高齢者の場合、環境の激変が心や脳に大きなダメージを与えると聞いたことがある。

6月の入院、数週間での転院、退院直後に施設入居を決定、それからわずか一カ月で様々な手続きをして引っ越し、右も左も分からない町に連れてこられ、見たこともない建物で暮らし始め、初めて会う人たちと人間関係を再構築せねばならないという激動の数か月間は、自分たちですら記憶が曖昧になるほど目まぐるしく状況が変化し、山積する課題を一つずつ解決していかなければならなかったのだから、超高齢者のショウコにとっては年寄りの冷や水状態というか、ただでさえ入院期間に混乱した意識と記憶が大きくかき乱されてしまったかもしれない。

したがって、今は状況について来れていない脳も、落ち着きを取り戻せばまともになり、以前ほどではないにせよ少しは記憶力も戻って来はしないかと期待しているのだがどうだろう。

9/10にショウコが来てからというもの、毎日のように施設に行っているが、来週から少しずつ距離を置こうと考えている。

月末と月初は少なからず忙しいし、以前の独り言にも書いたように今月中に完成させなければならない Webページもあり、既存サイトのスマホ対応も次にやらなければならない。

ゆえにショウコばかりかまっている場合ではないのである。

ショウコには少しずつ慣れて落ち着いて、生活のペースをつかんで記憶力が戻ってほしい。

そして、自分たちも生活のペースを戻して疲れ切った頭と体を元に戻したいと心から願ったりしているところである。

望郷

つい先日、9/9に故郷に別れを告げてきた。

お買い物日記』 担当者が見せた前日の様子だと、町を後にする際には号泣するのではないかと少し心配したが、高速バスに乗り込んですぐに小腹が空いたと言ってお菓子をポリポリ食べたりしているうちに隣町まで進んでいたので、最後にゆっくり景色を眺めたり風景を目に焼き付けたりすることもなく、遥か後方に故郷は過ぎ去っていたので泣くヒマもなかったようだ。

その翌日にはショウコも生まれてから 80年以上もずっと暮らしていたその町を離れたが、きっとあの性格なので深い感慨にふけることもなく、あっさりと決別してきたに違いない。

以前の雑感にも書いたように、故郷を失ってしまうは少し寂しいが、深い悲しみが湧いてこないのが不思議だ。

失うとは言っても、すでに故郷には友達も懐かしい場所もなく、ショウコが町を出た以上は帰る必要がなくなり、たとえ何かの用事で行ったとしても、すでに実家もないので宿以外に泊まる場所もなくなってしまっただけの話であって、故郷が消失してしまった訳ではない。

たとえば福島県の一部の地域のように、第一原子力発電所の事故の影響で帰りたくても帰れない、行きたくても行けないという状況ではないし、大きなダムが建設されて故郷がダム湖の底に沈んでしまった訳でもなく、その気にさえなれば行ける状況にあるので、それほど深い悲しみを感じないのだろうか。

しかし、もしかすると一気にダム湖に沈んでしまった方が、美しく楽しいままの状態で思い出に残るだけマシかもしれない。

このままどんどん高齢化、過疎化が進み、賑やかだった町の中心部もどんどんさびれ、シャッター通りばかりが増えてさらに賑わいを失い、使う人が減って負の遺産となった公共インフラを支えるための税負担ばかりが増し、それに耐え切れず住民が流出して過疎化に拍車がかかり、町が自然消滅する過程や、町の末期を見るのは辛すぎる。

それよりも、できるだけ良い思い出が残ったまま縁が切れる方が良いのではないだろうか。

そう考えると、よほどのことがない限りは故郷に帰りたくない。

様々な想いがこもったまま封印してしまった方が良いように思える。

まだ叔母のレイコが残っているので何かあれば帰ろうとは思っているが、その時が来るまでとりあえずの区切りとして、さらば故郷・・・と言っておこう。