真性雑感 第二十二版

真性雑感 ~目次~

■ 築地市場の豊洲移転問題

北海道に住んでいると、直接的な影響があるのか微妙な問題ではあるが、メディアが連日の大騒ぎ状態なので否が応でも目や耳に入り、その決着がどうなるのかにも少なからず興味が沸く。

いつ、だれが、どのようなプロセスで地下空間を設けることを決定したのかという犯人探しに終始しているようだが、無責任を絵にかいたような官僚が自分が不利になる資料など残しているはずもなく、また、だれの責任で物事が進んだのかなど分かるはずもないだろう。

事の本質、問題点は豊洲の地下に染み出している地下水が安全なのかどうかだ。

基準値以下の化学物質が検出されたなどという報道があるが、実は隙間だらけの簡易的なフタしかしていない入り口から大量の雨水が流れ込んでいるのだから、地下水は数十倍、数百倍に薄まっているに違いない。

いや、ここのところは悪天候続きで、東京にも被害が出るほどの大雨が降ったのだから数千倍に薄まっている可能性もある。

つまり、検出された化学物質は基準値内だったのではなく、検出量の数千倍もあったのではないだろうか。

いくら北海道の新鮮な魚や野菜を輸送したところで、そんな劣悪な環境の施設を通過するのであれば価値は薄れてしまうように思えてならない

■ 東京オリンピック

総経費が 3兆円を超すという調査チームの指摘がなされた東京オリンピックだが、いったい何をどうしたら当初予算の 5倍だの 10倍だのという話になるのだろう。

そもそも、どこのだれが当初予算を見積もったのか。

建物の設計や建築費、道路の工事費用などは素人である都の職員が勝手に見積もって予算を組めるものではない。

と言うことは、どこかの業者が概算を見積もったのだろうが、その見積制度の低さ、甘さは許容される範囲を大きく逸脱している。

普通の会社がクライアントに対して見積もった金額がどんどん膨らみ、5倍、10倍になってしまうことなど許されるはずがない。

家の建築やリフォームもそうだが、リフォーム代金が 100万円という見積もりであればなんとか予算の範囲だと発注したのに、工事している最中に柱が弱っているから倍、柱の土台もダメになっているからさらに倍、耐震補強もしてさらに倍、高級素材の柱にしたからまた倍、そうこうしているうちに工事期間が延びたからまた倍、人件費も高騰してきたからまた倍・・・倍々ゲームで雪だるま式に金額が膨らみ、終わってみれば 1,000万円になりましたなどという悪徳業者じゃあるまいし、そんないい加減なことが国や都に対しては通用するのだから不思議だ。

どこのゼネコンがやっているのか知らないが、そんなアホな業者には、今後一切の工事は発注しないし、入札にも参加させないと厳しい姿勢で対峙すべきだろう。

そうすれば、甘い汁部分や贅肉をそぎ落とした正当な見積もりが出て来はしないだろうか。

■ 小池百合子新都知事

上述した二つの案件を処理しなければならない小池氏も大変だろう。

あのまま舛添氏が知事を続けていたら、都連が推していた増田 寛也氏が当選していたら、この案件は問題として浮上しなかっただろう。

民進党他が推した鳥越 俊太郎氏が当選していたとしても、これだけのスピード感でバイタリティーをもって行動できたとは思えない。

そういう意味では、今回こそ都民の選択は正しかったと言える。

この事案を見事に処理できたなら、小池氏の支持率は益々高まって地位は揺るぎないものになるだろうし、そうなれば自民都連も自民党本部も実力を認めざるを得なくなり、都政から国政に返り咲いた場合には自民党の中で核となる大きな存在感を示すだろう。

そうなった時、犬猿の仲の石原伸晃氏がどうなるか想像すると笑いが止まらない。