■ 世界大戦
中東および周辺国がきな臭い。
ロシア軍機をトルコ軍が撃ち落としたことが大きな話題になっているが、この混乱に乗じてIS(Islamic State(イスラム国))が体制を立て直し、再び行動を活発化させないかが懸念される。
そして、シリアの扱いをめぐって世界が二分し、第三次世界大戦に突入するのではないかという不安も机上の空論ではなく現実問題として囁かれ始めた。
安倍政権が進める安全保障関連法によって日本の立場はどうなるのか。
万が一、事が起これば日本は中東に自衛隊を派遣するのか。
前回の第十六版でも書いたように、イスラム国と敵対関係にある国を金で支援しただけで人質となっていた日本人が殺害されてしまったのだから、中東に自衛隊を送り込んだらどうなるか分からない。
何か行動を起こすには相当な覚悟が必要だ。
■ ユニクロ
その中東の混乱によって多くの人が難民となって周辺国に流入している。
そんな中、ユニクロが国内外の店舗で、難民約100人を雇用する方針を明らかにした。
2011年から日本で難民認定を受けた人とその家族をインターンとして受け入れ、現在国内のユニクロ店舗で計13人を雇用し、うち2人は正社員として働いているとのことだ。
「国や国連に頼って解決を待つだけでなく、民間企業と個人が(支援に)取り組むべきだ」
と偉そうに語るのは社長の柳井社長だが、その外面(そとづら)の良さには嘔吐感すら覚える。
『お買い物日記』 担当者の旧友がつい最近までユニクロで働いていたのだが、その話しを聞くと今で言うところのブラック企業だとしか思えない。
3年以内の離職率が50%の上場企業など聞いたこともないし他に類を見ないだろう。
それだけ社員は疲弊し、仕事をやめざるを得ない状況に追い込まれているということだ。
難民救済も結構だが、まずは自社の仕事環境の改善に務めるのが経営者ではないだろうか。
■ エディー・ジョーンズ氏
ラグビーのワールドカップ、イングランド大会で日本代表を南アフリカ戦勝利など3勝に導いたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチが企業から引っ張りだこだ。
個性豊かな選手を束ね、目標をクリアしていく手腕から経営のヒントをつかもうと講演会が各所で開催されている。
彼が一貫して言うのは自主性。
自分で考え行動する力をいかに浸透させるかということである。
その考えを定着させ、選手を育てたからこそ南アフリカ戦での名場面が生まれた。
29-32の後半 40分過ぎに相手ゴール前で反則を獲得した日本。
キックで同点にするか、負け覚悟で攻めるかの判断を迫られた時、エディー・ジョーンズ氏の指示はキックだったが、選手たちは攻めて逆転勝利をおさめた。
選手たちが自分たちで考えて行動した結果だが、大前提となったのは仮にそれが失敗に終わったとしてもエディー・ジョーンズ氏は責めない、選手に責任を負わせないと分かっていたからだろう。
玉塚元一氏に社長の座を譲り、経営を任せたはずだったのに業績に陰りが見えると慌てて社長に復帰したユニクロの柳井氏とは大違いだ。
エディー・ジョーンズ氏の爪の垢でも煎じて237杯ほど飲ませてやりたい気分である。