何も思いつかない時は

パソコンの前に座ってキーボードに手をのせるのだが、何もネタが思い浮かばない。

それどころか仕事のことで気になる点を思い出したりして技術的なことをネットで調べたりしてしまうことを繰り返している。

席についてからすでに30分以上が経過しているが、状況は好転しない。

好転しないどころか、今こうしてキーボードを打っている間も他のことが気になっている。

そして、意味もないことをツラツラと書いているうちにネタ的なことを思いついた。

そう、こうやって一つのことに集中できないのは子どもの頃からだったという事実だ。

通信簿にいつも教師が書くのは
「落ち着きがない」
の一言である。

子どもの頃から妙に落ち着き払っているやつなどいないと思うのだが、それでもなお書かざるをえないということは、他の生徒と比較して気になるほど落ち着きがなかったのだろう。

しかし、教師のそのような評価を親としては素直に受け入れられなかったらしい。

なぜなら、粘土細工をしたり、絵を書いたりすると異常なほどの集中力を発揮し、周りが見えなくなったり音すら聞こえなくなるほどだったからだ。

今から考えると、それは好きなことをやっているからであり、面白くもない学校の授業だと集中力のカケラもなかったに違いない。

今でもそれは変わらず、好きなことは時間を忘れてやるくせに気乗りしないことをしていると注意力が極端に散漫になってしまう。

仕事をしていても、デザイン系のことは異様なほど集中して時間も忘れ、いつも流れている音楽すら耳に入らない。

ところがデザインが終わり、Webサイトに表示する文字列の入力とかの作業になると途端に集中力が欠如し、誤字脱字の雨あられになることが常だ。

こんなことではいけないと気を取り直し、イスに座り直して姿勢を正し、画面に向かって集中しようとするのだが、数分もしないうちに意識は他のことに飛び、次に着手するサイトのデザインを考えてみたり、流れているラジオの話しに耳を傾けたりしてしまう。

三つ子の魂百までというが、これはもう治すことのできない習性に違いない。