依存症

禁煙して 1000日を越えた。

タバコを止める気などさらさらなく、10年以上前の雑感にも書いているように人類最後の喫煙者になるつもりでいたのだが、2008年の7月に前言を撤回し、禁煙を開始してみると自分でも驚くくらいピタリと止められたのである。

もちろん、少なからずニコチンに依存していたので多少の辛さはあった。

一人で禁煙を始めたら挫折していたかも知れない。

極端にイライラすることもなかったが、何十年も習慣になっていたことは簡単に止められるはずもなく、食事の後、風呂上り、起床時、そして仕事が一段落した瞬間には無性にタバコが吸いたくなったものだ。

この家に越してきてから換気扇の下で吸っており、タバコも灰皿もその場所に置いたままにしていたので、ついフラフラと近寄って行っては自分が禁煙中だったことをハタと思い出す。

もう吸ってしまおうかと挫折しかかったのは数える程度で、だいたいはスゴスゴと席に戻り、ポコポコとキーボード打っていた。

止めようと思ったのは大病を患ったことが発覚した 『お買い物日記』 担当者の禁煙で、それなりに大きなインパクトのあるできごとがきっかけとなっていたし、それからの入院生活、それに合わせて宿泊施設での寝泊りと、朝から晩まで病院内で過ごすという非日常的な生活が禁煙の辛さを忘れさせてくれたのが成功の要因かもしれない。

去年の10月から税が大幅にアップし、2倍近い価格にタバコが値上がりした際、多くの人が禁煙に挑戦したが、今でも続いているのは 2割以下だという。

そろそろ再出荷となるが、震災の影響で一カ月近くタバコの供給がストップしていたので再び禁煙に挑戦した人もいるだろうが、果たしてどれくらいが成功に至るだろうか。

禁煙は、それほど難しいものであるのに一度で成功することができたのだから、その幸運を素直に喜ぶべきだろう。

そして、タバコ程度のものですら止めるのが難しいのだから、性欲、食欲と同様に本能の一部になってしまう麻薬への依存を断ち切るのは並大抵のことではない。

とにかく、腹がへったとか、眠いとかと同等のレベルでクスリが欲しくなり、食べなければ、眠らなくては生きられないのと同じようにクスリなしでは生きられなくなってしまうらしく、逮捕されても何度でも再犯を繰り返してしまう。

よく言われるように、二度と止められなくなるくらいなら最初から手を出さないのが吉であり、覚せい剤にまでエスカレートしないよう、大麻やマリファナ、非合法のドラッグにも手を出さないということが本当に重要だ。

アルコール依存症というのもあるが、自分の場合は依存率は高くないものと思われる。

酒の力を借りるのは、何日も眠れなかったり高ぶった神経を落ち着かせるくらいなもので、何かの行動をおこすために酒の力を借りることはない。

また、連休とあらば 7日間でも 10日間でも晩酌するが、平日に酒を呑むことは滅多にない。

もしも何らかの病気で医者から酒を止められたら明日からでも苦労せずに止められるだろう。

自分は男であるし、『お買い物日記』 担当者も大きな興味はないようだが、女性の中には完全に化粧に依存している人がいる。

もっと綺麗に、もっと美しく、もっと美白に、もっとシミを目立たなく、もっとシワを目立たなく・・・と、どんどん厚塗りになっていく。

中には原型をとどめない特殊メイクでも施したのではないかと思える人もいる。

それが一定の年齢以上であれば理解できなくもないし、化粧もせずに外出するなどもってのほかと言いたくなる人もいるのは確かだが、中学生や高校生であれば話は違う。

ところが芸能人の影響なのだろうが、今はどこからどう見ても子供顔なのに目の周りを真っ黒にして真っ赤な唇をした女の子が多い。

若い頃はそれだけで十分であり、隠すべきシワもシミもないのにベタベタと化粧をしなければ人前に出られないなどというのは、自己による歪んだ美意識に他ならないだろう。

それぞれ美意識が異なるため一概には言えないが、若い子の化粧は自己の欲求を満たすためだけだと思われるので、どんどんエスカレートする前に依存症から脱却し、一定の年齢になるまで厚塗りは控えたほうがよろしいのではないかとオジサンは思ったりしている。