投票前日

いよいよ明日は参議院議員選挙の投開票日だ。

夜はテレビ各局とも速報番組を放送するので見事なくらいラテ欄がスッカスカになっている。

選挙の時は毎回であるが、自分が立候補している訳でもなく、また各党の選対責任者でも党本部の役員でもないのに、なぜだか結果が気になって深夜まで観てしまい、翌日は寝不足になるということを繰り返してしまう。

今回はそうならないよう、早めに切り上げて就寝するつもりではいるが、民主党にせよ自民党にせよ各党が掲げている勝敗ラインに届くか届かないかスレスレの状態で推移すれば、やはり気になって仕方ないので深い時間までテレビに付き合ってしまうかも知れない。

それにしても、今回の争点がすっかり消費税となってしまい、沖縄普天間基地の件や八ッ場ダムの件が小惑星イトカワよりも遠くに行ってしまった感が否めず、地元の人の心中を察すれば怒髪天を衝くのを通り越して落胆だけが残っているのではないかと思われる。

八ッ場ダムの件に関しては、民主党としても今さら工事再開とは言い難いだろうし、あくまでも計画中止という線で推し進めて地元住民の感情を逆なでするのも得策ではないだろうから、それを争点にすることは極力は避けたいだろう。

自民党にしても事業仕分けで無駄遣いの内容が一分とは言え国民の目にさらされ、今までの自民党政治がいかに無力で議員が無能だったか気づいた国民の前で、大きな意味を持たないことが明らかになって凍結状態にある巨大公共工事を再開させるとは大きな声で言い難いだろうし、自分たちが推し進めた計画であるからこそ、今さら無駄を省くために 「中止します」 とも言えないというジレンマを抱える。

普天間基地の件に関しても民主党は腫れ物に触るような扱いしかできないし、自民党は今さら県外・国外移転など主張できるはずもなく、その話題には触れない方が得策というものだ。

世の中を変える、仕組みを変えるというフレーズだと、こんな世の中にした自民党よりまだ民主党の方がマシと言われるのがオチだ。

では今の時代、何を争点として選挙戦に挑むのか。

ここで、格好の攻撃対象となる消費税に関することを菅総理がポロッと口走ってくれたものだから、一気に選挙の争点を消費税問題にロックオンしたに過ぎない。

ズルズルと自民党を始めとする野党のペースに引き込まれてしまった感のある民主党だが、実は今回の選挙で消費税など論点にすべきではないだろう。

民主党は無駄の削減が第一、実際に消費税率を変更するのは最短でも 3年後、ただし、その税率と税収の配分に関しては 1日や 2日で決められるものではないので今から議論を進めるべき、実効税率がどうなるか分からないが、まずはたたき台として 10%だったらどうなるかというところから話し合いを始めたいと言っているに過ぎない。

何も明日から消費税率が上がるとか、来年から上げるとかという話しではないのに、野党はあたかも今回の選挙で消費税の行方が決まるような口ぶりで選挙戦に挑み、頭の悪いマスコミはそれに乗せられてワーワー騒いでいる。

実に情けなく、実に幼稚な選挙戦。

少し前の雑感に書いたように、日本の危機的状況を救うのは、揚げ足取りで重箱の隅をつつくような消費税の話しではなく、この日本をどうやって再構築し、日本はどこに向かうべきなのかを明示することである。

日本を崩壊の危機から救ってくれそうな党はどこなのか、明るい未来を提示してくれる党はどこなのか、それをしっかりと見極めたいところだが、どの党も消費税のことばかり。

そんなことはどうでもいいと思っているので、どの党も将来について主張しないのであれば投票などしたくない。

いや、そんな中でも一番まともそうな政党を応援してやることにしようと思うので、やはり投票場に行って一票を投じてこよう。

どの党も信用できなければ白票でも入れるとするか。