夏の準備

いよいよ北海道にも夏が近づいてきており、あと数日、あと 2-3℃の気温上昇で本格的な夏がやって来たと言えるようになるだろう。

いつ暑くなっても良いように少しずつ夏の準備は進めている。

まずは和室の窓にスダレを掛けた。

これは大阪に住んでいた時に身についた生活の知恵で、北海道に帰ってきてからも夏になれば和室の窓に直射日光と人目を遮り、なおかつ風を通すことができる自然素材のスダレを掛けるようにしている。

以前は北海道でスダレやヨシズを使っている家など皆無で、そんなものは売ってすらいなかったのだが、温暖化が進んだからなのかホームセンターなどで簡単に入手できるようになった。

そう言えばエアコンを設置する家も年々増えているようだし、どう考えても気温は上昇傾向にあるのだろう。

次にパジャマを夏用にした。

まだ長袖、長ズボンのパジャマだが、これは持っている中で最も生地が薄いもので、次の段階に進むと上はノースリーブ、下は短パンという最終形態になる。

以前より暑くなったとは言え、北海道の夏など大阪とは比べ物にならないほど過ごしやすく、帰ってきて 6度の夏を過ごしたが、寝苦しさを感じたことなど 1日たりともないくらいだ。

空気が乾燥しているので昼間は暑くても朝晩は涼しくなり、ちょっと油断して布団を蹴っ飛ばしたりしようものなら朝方に寒くて目が覚めることすらある。

それもこれも大阪で鍛えられたからであり、ずっと北海道に住んでいる人たちは、こんな程度の暑さでも夏バテして食欲がなくなったりするし、暑くて眠れない夜があるらしい。

次に床下や各部屋の通気口も開けた。

今日は曇天の割に蒸し暑く、時折雨がぱらつく空模様なので窓を開けずに各部屋にある通気口を開け、家の基礎部分にある通気口も開けて来たところだ。

発泡酒も仕入れた。

去年は暑い日に、その都度発泡酒を買って飲んでいたが、トータルすると 5-6本は飲んだものと思われるため、それならば 6本セットで割引になっているものを最初から購入すれば良いだろうということになったので、本格的な夏を前に仕入れておいたのである。

以前はジン、今は焼酎とアルコール度数の強い酒ばかり飲んでいるので滅多にビールは飲まず、味の違いもろくに分からないので発泡酒で十分、それもプライベートブランドで売られている安物で良いので炭酸飲料と変わらない価格だ。

冷やし中華のタレも準備が整った。

以前から味が好きなメーカーがあり、それは大阪で売られていなかったので 『お買い物日記』 担当者が手作りしていてくれたのだが、こちらではいつでも手に入るので嬉しい。

その好きな冷やし中華のタレが、滅多にお目にかかれないような価格で特売になっていたので、迷わず今年の秋まで使える量を確保しておいた。

これで思う存分に食べられるというものだが、まだそれほど暑くはないので冷やし中華の出番はなく、タレも冷蔵庫で出場機会を伺っていることだろう。

お茶とコーヒーも冷たくして飲むようになった。

いつも食後と運動後にコーヒーを飲む。

何度も淹れるのは面倒なので、朝にコーヒーメーカーで落としたものを飲んでいるのだが、保温したままだと味が悪くなるので保温性の高い水筒に入れている。

夏になればお茶パックに挽いた豆を入れたものをウォーターピッチと言うのかウォーターポットと呼ぶのか、ドリンクビオと言えば分かってもらえるのか、とにかく水出しの麦茶などを作って冷蔵庫に入れておくあの容器に水と一緒に入れて放置しておけば、翌朝には見事に抽出されてアイスコーヒーが出来あがっている。

その他に同じ方式で水出ししたお茶も常備するようにした。

一カ月前に植えたバジルも大きく育ってきた。

今回は植える手順や間引きの仕方を間違えてしまったので、最初はヒョロヒョロとしか生えてこず、どうなってしまうかと心配したが今は元気に葉をつけて茎もしっかりしてきたので一安心だ。

あと数枚の葉が出れば摘芯して枝を増やし、ワサワサと葉が茂るようにしてやったところで一鉢をとなりの店の妹ちゃんにあげようと思っている。

これからの夏、生野菜とともに、冷製パスタの食材として、朝のパンに乗せる具としてもたっぷりバジルを堪能できることだろう。

色々と夏の準備は整った。

『お買い物日記』 担当者は、きっと冷凍庫のアイスを充実させるに違いない。

通信環境

Wi-Fi機器の活用で我が家の通信環境が満足のいく状態に整った。

初めから携帯電話会社のパケット通信、いわゆるインターネット、e-mail送受信するための回線は使っておらず、NTTからレンタルしていた機器で Wi-Fi接続してネットを利用していたのだが、それを大幅に見なおして再構築したのである。

パケット通信していなかったのは、単純に外出しないからだ。

お客さんとの打ち合わせ以外は家で仕事をしているし、客先でネットを使うことも極めて少なく、必要に迫られて使わざるを得ないことなど数年に一度のことである。

年に何度か 『お買い物日記』 担当者が札幌の病院に行き、年に一度は帰省のため二人で家を離れるが、その際には携帯用の Wi-Fiルーターを持って出るようにしていた。

その Wi-Fiルーターは複数の機器を接続することができ、いくら使っても上限が 6,000円程度だったので、携帯電話会社の料金プランにそれぞれが加入し、それぞれが 6,000円、二人で 12,000円も支払うよりずっと安い。

おまけにその機器はパケット通信しなければ 0円というプランだったので、必要な月、つまり病院に行く月や帰省する月だけ料金を支払えば良かったのである。

普通に使う半分以下の料金でネットを利用できていたのだから、それで十分と言えば十分だったのだが、その環境には一つだけ欠点があった。

二人で外出するのであれば問題ないのだが、どちらか一方が外出する際には Wi-Fi接続機器を持ちだしてしまうため、家に残ったもう一方はネット接続できなくなってしまう。

もちろん有線でパソコンはネットに繋がっているので大きな問題ではないのだが、最近はちょっとした調べ物をするのはスマホ、音楽を流しているのはタブレットと、Wi-Fi機器を多用しているためネットが使えないと若干の不便を感じてしまうようになった。

さらには外でもスマホでネット利用したいシーンが増えてきたので、それを実現しようとすると毎月 6,000円の費用が発生してしまう。

だとすれば、どうしたら最低の金額で快適なネット利用が可能かを検討した結果から、今回の見直しに至った訳である。

まずは外出の際に持ち出す携帯用 Wi-Fiルーターを最新の機種に変更し、3G回線の契約だったものを 4G、LTE、3Gの全対応型にして契約も使わない月は 0円というのを諦めて月額 3,696円で使い放題のものに変更した。

そして、それを持ちだしても家の中で Wi-Fiが使えるように 3,000円弱の小さなオモチャみないな機器を購入して使ってみたところ、何の問題もなく使えているのでそれで十分だ。

その機器は有線の LANケーブルのコネクタに取り付ければ Wi-Fiの電波に変換してくれるものなので、導入に当って新たな通信費は発生しない。

つまり、購入するための 3,000円弱の初期費用だけで Wi-Fiが使い放題になるという実に便利なもので、設定も実に簡単、プチ、プチっとケーブルを繋いで電源を入れ、スマホ側で電波を拾ってパスワードを入力するだけでネット接続することができた。

これでどちらか一方が外出しても屋外と屋内の双方でネット利用が可能なので、Skype や LINE で音声通信も文字データのやりとりもすることができる。

普通ならば携帯電話会社の料金プランを利用し、二人で月額 12,000円位上の出費になってしまうところを 4,000円以下で収めることができたのは素晴らしいと自負しているところだ。

つい先日も仕事の用事で 3時間ほど一人で外出してきたが、家にいた 『お買い物日記』 担当者も含めて互いにネット利用することができて便利さを実感している。

ただし、これでよりネット依存度が高まってしまったのは否定できないが・・・。

隣人その2 右隣の一軒家

我が家に向かって右隣には、以前ワンプと高校生の息子さん、そしてそのご両親が暮らしていたが、息子さんが高校を卒業して家を出たことと、近くに住む奥さんの親が高齢になったことから、そちらと同居するために引っ越してしまった。

しばらく空き家になっていたその家に入居者が決まり、引っ越してきたのが四月の初旬のことだったが、引越しの挨拶をされていないし表札すら出していないので、今でもどこから来た誰なのか分からない。

すでに二カ月が経過し、窓を開ける季節にもなってきたので何となく住んでいる人は分かるようになってきた。

どうやら老夫婦が一組、その娘らしき女性が一人、その子供らしき中学か高校生くらいの男の子が一人に犬が一匹という家族構成のようだ。

ある程度の年齢になっている人が引越しの挨拶をしないということは、あまり近隣に正体を明かしたくないのかと疑ってしまう。

男の子には母親しかいないようであるから、夫の暴力から逃げているところで、その夫に居場所を知られたくないがために近所付き合いを避けているという可能性もある。

はたまた離婚後に交際した男性がストーカーとなってしまったため、その魔の手から逃れるために身を潜めているのかも知れない。

しかし、男の子は学校に通っているので転校の際には住民票などが必要になるであろうから居場所を突き止められてしまうことになると思われ、夫の暴力やストーカーから逃げる一家という推理は当てはまらないだろう。

だとすれば家族のうちの誰かが犯罪者、あるいは事件事故に巻き込まれた被害者で、好奇の目にさらされたくないがゆえに近所づきあいをしたがらないのだろうか。

いや、家族に見えるが実は他人の集まりで、訳の分からないカルト宗教に属して出家した人たちかも知れない。

もう二か月にもなるのに一言も話しをしていないことによる不安感もある。

家にこもっていることが多い我が家であるため、それも言葉を交わさない一因ではあるかも知れないが、ほんの数回だけ遭遇した際に相手が話したがらないような素振りを見せていることも大きな要因だ。

『お買い物日記』 担当者が家の周りの掃除をしていると、隣の家で玄関を出入りする気配があるものの、声をかけてもらったことはないし、顔を上げるとすでに後ろ姿しか見えないということが何度かあったと聞く。

朝の散歩から帰ってくると隣の人が玄関から出てくるところだったが、目も合わさず、そそくさと車に乗り込み、そのまま発進してしまう。

どう考えても 『話しかけてくれるなオーラ』 を発しているとしか思えない。

数日前、部屋の明かりを点けず、カーテンもしないまま、夕方から夜にかけて例の体操をしていると、南側の大きな窓の外を通る影があった。

気にはなったものの無視していると、影は逆方向に進む。

そして再び右から左に影が動くので窓に近寄り見てみると、右隣の家の老夫婦と思われるうちの女性のほうが、我が家の敷地内を歩いて裏まで行き、再び敷地内を歩いて帰って行った。

部屋を暗くしていたので誰も居ないと思い、勝手に敷地内を歩いているのか、それとも普段から歩いているのをカーテンをしているので気づかずにいただけなのか。

いずれにせよ右隣の住人は我が家にとって不気味な存在であるし、一般常識に欠けているように思えてならない。

左隣の住人が良い人なだけに、右隣の住人の不気味さが際立ってしまうのだろうが・・・。

隣人その1 左隣のお店

一週間前の日曜日隣の店マユちゃんが帰って来たのではと期待したが、どうやら一時的に帰省していただけだったらしく、あれからマユちゃんの部屋に明かりが灯ることはなかった。

我が家に向かって左隣、理美容室を営む隣人をいつも見ている訳でもなければ、のぞき趣味がある訳でもないが、家の構造上の都合から自然に隣家が目に入ってしまう。

トイレに行こうと立ち上がった時、ゴミを捨てようとする時、キッチンに向かう時、そのキッチンで冷蔵庫に向かう時、電子レンジを使う時、トースターを使う時、調味料を手に取ろうとする時、そのすべての動作において北側に位置する窓から隣の店が見えるし、まして 『お買い物日記』 担当者は窓を見る位置でパソコンに向かうので、結果的には頻繁に目にすることになる。

店の駐車スペースに常に車があれば、
「ああ、今日も店は忙しそうだ」
と思い、窓から見える目の前に駐車している主にお兄ちゃん乗っている車、妹ちゃんが乗っている車の二台それぞれがなければ
「お兄ちゃんが出かけたのか」
とか
「妹ちゃんはどこに行ったのか」
と思ったり、お母さんの自転車が玄関先に置いてあれば
「買い物に行ってきたのか」
と思って、お父さんの自転車があれば
「どこに遊びに行ってきたのか」
などと思ったりしている。

夜になれば店の明かりが消えて、それぞれの部屋の明かりが灯る。

我が家から見える左側から順に、お兄ちゃん、妹ちゃん、マユちゃんの部屋だと前に教えてもらったことがあるので、その右側の窓に明かりが灯れば
「マユちゃんが帰って来た!」
と、『お買い物日記』 担当者と二人、勝手に喜んだりしている訳である。

で、話しをマユちゃんのことに戻せば、大型の荷物が業者によって運び込まれ、直後にマユちゃんが帰って来たので札幌のアパートを引き払って実家に戻って来たのだろうと単純に想像していたのだが、それはどうやら違っていたらしく、ここ数日はマユちゃんの部屋に明かりは灯らない。

だとすれば、まるで引越し荷物のようなあれは何だっただろう。

仕送りに頼っていた学生時代と異なり、仕事を始めて自活するにあたり、狭い部屋に引っ越したため荷物が入りきらなくなったのだろうか。

それとも若くしてお嫁さんに行くことになったのだろうか。

『お買い物日記』 担当者が以前に妹ちゃんから聞いた話しによると、できるだけ早く結婚して子を産み、幸せな家庭を築いてほしいという母親としての願いがあるのだそうだ。

そしてマユちゃんには彼女が学生の頃から付き合っている家族公認の彼氏がいるので、さっさと嫁に行ってしまっても決して不思議ではない。

したがって、結婚という選択肢も非現実的なものではなく、可能性の一つとして十分に考えられることであり、彼氏と同居することになったため、部屋に入りきらない余分な荷物は実家に戻したということもあり得るわけだ。

何にせよ、キッチンの窓から見える断片的な情報だけを繋ぎ合わせ、勝手な想像を膨らませているだけなので実際のところは分からないのである。

今月は自分も 『お買い物日記』 担当者も髪を切りに行くので、その際に何か新しい事実が判明するかも知れない。