自分解体新書 - 11 -

自分解体新書 ~目次~

■ 肺

今日でちょうど禁煙してから丸四年が経過し、とうとう五年目に突入した。

すでに禁断症状もなく、体内、あるいは脳、潜在意識の奥深くから喫煙要求がブクブクと表面化することはなくなったので、余程のことがない限りは今後もタバコを吸う事はないだろう。

丸四年が経過すれば、そろそろ肺は綺麗になってきているような気もするが、医療関連のWebページを見るとタールが付着して汚れた肺は二度と元通りにはならないのだそうだ。

ただし、徐々にではあるが改善には向かうらしいので、今はまだ真っ黒かもしれない我が肺も禁煙を続ければ黒ずみが薄れてくるに違いない。

そして肺がんのリスクも徐々に減って健康な肺に戻るだろう。

以前、医者から禁煙を勧められた時は、まだ人類最後の喫煙者になる気満々だったので耳をかさなかったが、世の中にある病気の中で肺がんが最も悲惨なのだと言われた。

どんな病気も悲惨だが、肺がんの場合は苦しみがひどいのと、見た目がかなり汚いのだという。

肺がん末期の呼吸困難を通常の方法で取り除くのは難しく、その苦しみは意識がなくなるか呼吸が止まるまで続き、人によっては意識が残ったまま、数日以上苦しい状態のままということもあるのだそうだ。

吸っても吸っても肺に空気が入らないという生地獄を最低でも何時間か、長ければ数日間も味わうなど考えただけでも恐ろしい。

それを思えば誘惑に負けずこれからも禁煙を続けようという気になるというものだ。

■ 膀胱

これは老化現象なのだろうか。

必ずと言っていいほど夜中にトイレに起きるようになった。

ただでさえ寝付きが悪く、おまけに眠りが浅いのに夜中に目が覚めてしまうのはストレス以外の何物でもなく、できることなら朝まで眠っていたいのだが、1時くらいに眠りについて早ければ2時、多くは3時半前後に目が覚める。

タイミングが良ければトイレから帰ってきてすぐに眠れるが、大抵は再び眠りに落ちるまで15分くらいかかってしまう。

起床までもう少しというタイミング、6時前後に目覚めてしまった場合は眠るのを諦らめてそのまま起きてしまうこともしばしばだ。

常に寝不足を感じるので可能であれば目が覚めずに朝までぐっすり眠りたい。

そして、もう一つの現象はギリギリまで尿意をもよおさず、気づいた時にはすごくトイレに行きたいという困った症状である。

映画や海外ドラマを見ていて物語が佳境に入ったところで尿意を感じても、そこで中断しては集中して見ている 『お買い物日記』 担当者に申し訳ないとは思うのだが、そのあと10分、15分が我慢できない。

家でのことであれば中断もできるが映画館となればそうも行かず、きっと困ったことになると予想されるので劇場での映画鑑賞は避けたほうがよさそうである。

■ 腎臓

毎年の健康診断で腎臓の数値がイマイチなので、水分補給を心がけるよう医者から注意されている。

それほど悪いわけではなく、基準値を微妙に超えたあたりをウロウロしている状態なので薬に頼ることなく済ませたいものだ。

一般的に、医者の言う補給すべき水分というのは純粋な水のことであって、コーヒーや牛乳、ジュース類は含まないと聞いたことがあるので担当医に確認してみると、とにかく液体であれば酒以外なら何でも良いとの回答だった。

酒であれば 1リットルでも 2リットルでも呑めるのに実に残念なことである。

そこで、意識的に水分を補給するように心がけて生活することにした。

目覚めに 200cc、朝昼晩の食後に 200ccの水を飲むようにしたので累計 800cc、朝食のコーヒーと牛乳で 200ccくらいなので累計 1リットル、昼食の味噌汁その他、夕食の味噌汁その他で 600ccくらいなので累計 1600ccだ。

それ以外にコーヒー200cc、お茶などを600ccは飲んでいるので累計 2200ccとなる。

それを続けていたら前回の検査で基準値内に収まったので医者の言うとおり、水分補給を心がけていれば腎臓の健康を保つことができるらしい。

ただし、そんなに水分を摂取しているから夜中にトイレで目が覚めるのかもしれないが。

イジメ

ここのところイジメに関する問題が各地で表面化している。

2000年頃を境に減少傾向にあると見られていたが、実は学校や教育委員会が隠ぺいしただけで実数は減っていなかったのではないだろうか。

遊びの延長だったと加害者側の子供は主張しているらしいが、ものごとには限度というものがあるだろう。

自分も知らず知らずのうちにイジメに近いことをしてしまったことはある。

ただし、暴力を振るったり金品を要求したことなど一度もないし、いわゆるパシリ的に誰かに何かを買いに行かせるとか、みんなと申し合わせて無視をしたことも一度もない。

たまたま集団で遊んでいて当人が嫌な思いをしているのを知らずにいただけだ。

中学生の頃、一人が椅子に手をついて台となり、その上に何人が重なって乗ることができるか試す遊びをしていた。

もちろん台になるのは体がごつくて力もある者が選ばれるが、マサルが支えとなって体の大きな順番に乗っていくことが多い。

そして、その内の一人は体は大きくないものの骨格がしっかりしており、力もあったので下段に選ばれることが多かったのだが、本人にすればそれが嫌だったらしいのである。

マサルや自分が体が大きいのに彼の上に乗って苦しむのを見て楽しんだりしているのであればイジメだろうが、彼のほうが自分たちより上におり、辛い思いをしているなど夢にも思わなかったし、嫌なら断れば良いだけの話だったはずだ。

10人くらいで遊んでいて、記録は 7-8人といったところだったので彼が抜けても誰も文句は言わなかっただろうし、そもそも嫌がっているとは思ってもいない。

ところが彼は体が小さいのに下から 4-5人目に選ばれることを不服に思い、それが不当な扱いであってイジメられていると感じていたのだそうだ。

それを思えば本人の自覚なしにイジメてしまっているということはあるだろう。

しかし、殴る蹴るの暴行を加えたり、ゴミや動物の死骸を口に入れさせたり金を取り上げたりするのは決して遊びの延長などではない。

高いところから飛び降りて大怪我をさせるのが楽しい遊びであるはずがない。

なぜそのような陰湿な行為をする子供が増えたのか不思議でならないが、その原因を無理にでもゲームに結びつけたがる大人が現れ、したり顔で解説していることだろう。

しかし、最近は携帯電話やスマートフォンに使う時間と金が増えたので家庭用ゲーム機関連のビジネスは停滞気味であり、因をゲームとするのは無理があるし、そもそもゲームだけが問題ではないと思われる。

殺戮を目的としたゲームも暴力的なゲームも存在するのは確かだが、それを実行してしまうとすれば痛みも知らず、死とは何かを知らなすぎることが問題だろう。

幼い子供は残酷なものであり、虫を殺すことなど意に介さない。

自分もどれだけの数のアリを踏み潰したりトンボの羽をちぎったりしたか分からないし、アリの巣や蛙の口を爆竹で破壊したこともあれば、猫は本当に高いところから落ちても足から着地するのか試そうと机の上から放り投げたこともある。

しかし、少しずつ大人になっていく過程でそれがいけないことだと分かり、無残な死を遂げる虫などを可哀想に思い、死骸を見ると嫌悪感を覚えるようになってくる。

殴られたり蹴られたりすれば痛いということは何度も喧嘩をしていれば分かることだし、殴ったほうの手が痛いことも蹴った足が痛いことも覚え、どこまでが限度で、それ以上の力を加えたらどうなってしまうのかも容易に想像がつくようになる。

そういうプロセスを経て学習することも多いのだから、虫を触ってはいけない、喧嘩するなどもってのほか、野蛮な子供とは遊ばせないなどと言っていたら、まともな子供が育つとは思えない。

ガキ大将がいて取り巻きの子供がいて、仲間が誰かにやられていたら助けに行く。

仲間のピンチはガキ大将へと情報伝達され、子供なりの暴力で問題解決に当たるという小さな社会ルールができあがるのである。

昔のような環境が整わない限り、イジメを根絶するのは不可能なのではないだろうか。

エネルギー政策

先週の雑感の続きのようになってしまうが、計画停電を実施しなければならないのは再稼働した柏崎刈羽原発を除いて日本の原発がすべて停止しているからだが、そもそも原発への依存度が高すぎたからに他ならない。

なぜ原発への依存度が高いかと言えば、日本にはエネルギー資源がなく、火力発電で使用する石油、ガスを輸入に頼らなければいけないからで、急な世界情勢の変化、海路の安全確保などに問題が起こって輸入が途絶えれば途端に発電ができなくなってしまうからだ。

実際、アメリカが発効したイラン原油制裁法で、日本はイラン産の原油輸入量を減らさなければならなくなった。

核開発を進めるイラン許すまじと、原油輸出に打撃を与えて金融面から圧力を強めることを狙ったもので、イランと取り引きした金融機関をアメリカから締め出す制裁を加えるという実に傲慢な法律だが、世界最大の市場であるアメリカには逆らえない。

日本とイランの関係が悪化したわけでも戦争状態になったわけでもないのに、政治的不安定要素で原油の輸入量が減ってしまうわけだ。

今は天然ガスを売りたくて仕方がないのでロシアもニコニコしながら日本に擦り寄って来るが、依存度が高まった途端に態度が急変し、ヨーロッパで起こっているように日本に対しても気に入らないことがあればガスの供給をストップしたりすることだろう。

あの国とは北方領土問題を抱えているだけに関係は微妙だ。

アメリカでシェールガスの開発、採掘技術の飛躍的な向上が進み、天然ガス価格が半値近くまで下落しているが、自由貿易協定(FTA)締結国への輸出が優先されるとの理由から日本に多くは入ってこない。

資源のない日本にとってエネルギーは綱渡り状態となっているが、そもそも本当に日本には資源がないのだろうか。

日本近海に確認されている油田の数は30を超えるが実際に採掘しているのは北海道、新潟県、秋田県に存在する5箇所のみだし、ガス田も11箇所以上が確認されているが、実際に採掘しているのは数カ所のみだ。

また、日本の領海内にはメタンハイドレートと呼ばれる海底資源、簡単に言えば凍っているガスが使用料換算で200年分も眠っている。

それらの資源の採掘は採算が合わないという理由で放置されたり研究が進んでいなかったりするが、原油価格が以前の 4倍も 5倍もになっている現状ではビジネスになるのではないだろうか。

また、最近になって再生可能エネルギー発電に注目が集まり、風力発電、太陽光発電の建設が各地で盛んになっているが、火山大国、温泉大国の日本においては地熱発電が最も適しているのではないかと思う。

しかし、ここで厄介なのは利害関係で、地熱発電所を建設すれば温泉が枯渇するのではないかと地権や温泉権を保有する人が難色を示す。

これだけ全国に温泉地帯がありながら日本に存在する地熱発電は一か所でしかない。

地熱発電に適した候補地の多くが自然公園内にあり、自由に開発を進められないという要因もあるが、景観を維持すれば良いなど、法律を柔軟に対応させれば済む話しだろう。

大阪だか京都だかの大学は宇宙でのソーラー発電に関して画期的な技術を有しており、予算さえあればすぐにでも実現可能なのだが、国は関心を示していない。

確かに数億円規模の話しではないが、原発事故が起これば一瞬にして数兆円規模の予算を投じて事態を収拾しなければならないのだから、未来に予算を回しても良いではないか。

大雨続きで九州地方が大変なことになっているが、水害を防ぐなどという名目でダム建設や堤防の大規模修繕に莫大な予算を計上するくらいなら、ついでにダムにも発電設備、護岸工事では水力発電設備を設けるくらいのことをすべきだろう。

消費税率を上げるのであれば、福祉はもちろんのことだがエネルギー政策にも予算を回していただきたい。

日本各地に再生可能エネルギー発電の施設ができて、原油にもガスにも、そして何より原子力に頼らなくても電力需要をまかなえるようにするくらいの気概を示し、一大産業を築き上げるようなビジョンを提示して日本を率いてくれるような政治家、政党の誕生を心から願うばかりである。

計画停電

原発が停止しているので、ここ北海道でも今年は計画停電が実施される可能性があり、全体で 7%の節電が要望されている。

もちろん我が家も全面的に協力するつもりではあるが、もともと 『お買い物日記』 担当者の節電意識が高く、普段から気をつけているので更なる節電は難しい。

かなり暗くなるまで照明を点けないし、点けたとしても自分たちが必要とする最低限の明るさ、電球色のボール型蛍光灯を一か所だけ点灯して夜を過ごしている。

もちろん料理をする時はキッチンの照明も使うが、それも蛍光管が一本だけの小さなものだ。

待機電力をカットするため電子レンジや炊飯器はおろか、通電していないトースターやコーヒーメーカーまで念のためコンセントを抜いているし、テレビも主電源を切って就寝している。

パソコンもスリープ状態にせずに完全にシャットダウンしているし、CDプレーヤーもコンセントを抜くなど徹底しているつもりだ。

しかし、どうしても待機電力をカットできない機器がある。

それは HDDレコーダーであり、完全に中毒になっている海外ドラマをかなり多く録画予約している現状としては、コンセントを抜くなどできるはずがない。

独り言にも何度か書いたと思うが、この家はオール電化であるため節電には限界もある。

給湯器は深夜電力を活用して夜中に加熱しているし、調理器具は 100%電力に頼っているので毎日のご飯支度では必ず電気を使う。

電子レンジを活用して節電料理をしようにも、毎日のことであるし、それを一カ月間も続けるほど豊富なレシピはない。

つまり、我が家でできる節電は昼間のパソコンをやめることくらいだが、それでは仕事にならないので現実的ではなく、打つ手がないのが現状だ。

みんなが節電に勤しむのなら計画停電は避けられるだろうが、人は利己的なものであるから、自分が計画の対象でなければ節電などしないだろう。

計画では停電になるブロックが日にちと時間帯によって変わり、順番に当番制のように割り当てられているが、自分の住む地域が対象となっている時間帯は停電になったら困るので節電意識は高まるに違いない。

しかし、無関係な時間帯であれば気にすることなく、暑ければエアコンも使うだろうし使っていない部屋の照明も消さないのではないだろうか。

人に迷惑をかけてはいけないなどという道徳観は現代の日本人からすっかり消え去っており、自分さえ良ければ構わないという風潮が定着してしまっている。

それらのことを勘案すれば、停電は当番制ではなく実績による連帯責任にすべきで、電力供給が逼迫し、テレビやラジオ、インターネットを通じて発表して以降、最も使用料が減らなかった、つまり節電に非協力的だった地域への電力供給を止めるべきだと思う。

連帯責任となれば必死に節電するだろうし、それがどの地域になるのか分からなければ、全地域の人が節電するに違いないので、それこそ公平な役割分担と言えるのではないだろうか。

それにしても停電は避けてほしいし、停電にならずに済むことを心底願う。

停電になったら何もすることができない。

現代社会においては影響を受けない仕事、家庭など皆無であろうが、コンピュータ業界にとっては本当に致命的だ。

肝心のパソコンが動かなければ何もできない。

ノートパソコンのバッテリーをフル充電しておけば数時間の作業は可能だが、作業したところでそれをアップロードするネットが繋がらないので無意味である。

仕事にならないのでゲームでもしようかと思っても、そのゲームすらパソコンに電気が通らなければ遊ぶことができないし、ゲーム機も動作しない。

仕方ないので海外ドラマでも見ようかなどと思っても、テレビもデッキも使うことができないので不可能だ。

そうなったらスマホのゲームでもしながら時間を潰すしかないので、スマホの充電はいつも満タン近くにしておかなければならないだろう。

とにかく電気がなければ仕事も楽しみも失われてしまうのが現代なのである。

仕事ができないことも大きいが、先に述べたように、何よりも海外ドラマの予約が実行できない事態になりはしないかと恐れているのが一番だったりするのではあるが・・・。