人間模様

『お買い物日記』 担当者が入院しているのは婦人科病棟なので、当然のことながら入院患者は女性しかいない。

各階で唯一携帯電話の使用が許されているエレベーターホールにいると、様々な会話が耳に入ってくる。

家に残してきた小さな我が子の声を聞き、涙声で話しかける若い母親。 典型的な猫なで声を出していたのに 「パパと代わって」 と言ったあとは声が 1オクターブ低くなり、「明日はゴミの日だからねっ」 などと手厳しい。

「今は会わないほうが良いかも」 などと、意味深で危うげな会話もあれば、「なんでお義母さんが来るのよっ!」 と旦那さんに文句を言っている人もいる。

そんな人間味あふれる会話の中、「お疲れ様です、例の件ですが」 とか 「○日に提出した書類の 12ページの…」 などと仕事の話しも聞こえてくる。

それだけ女性の社会進出が進み、出産や病気で会社を休みやすくなっているのだろう。

また、産後や病後の社会復帰も容易になっているものと思われ、少なからず問題はあるにせよ、女性が働く環境は数年前より格段に向上しているものと思われる。

このエレベーターホールにいると、いろんな人間模様や社会を見ることができるような気がする。

携帯電話より

札幌観光

本来のパターンであれば 08/23 の土曜日に雑感を書くはずだったのだが、08/21 に 『お買い物日記』 担当者が入院、その日のうちに検査などが終わったので翌日の 08/22 には早くも外泊許可が出されたものの 08/24 には病院に戻らなければならず、2泊 3日じゃ一旦帰宅するのも面倒なので札幌でダラダラしていることに決め、23日は市内観光をしていたので書くのをパスしてしまった。

このまま放っておいても良いのだが、せっかくパソコンの前に居る訳であるし、本当に何も書かなくて良いのかという強迫観念に襲われ、今の時間になって慌ててゴチャゴチャと書き始めたのだが、最近は 『お買い物日記』 担当者の病気のことと入院のこと、手術のことなどしか頭になく、何らかの考えをまとめる余力は残っていない。

そこで、ものすご~く安易に、札幌市内をウロウロした写真を掲載してものすご~く薄いお茶をにごすことにする。


lまずは診察のため 08/18 に札幌に行った際に撮影した時計台。 日本三大ガッカリ観光地にランキングされるほど周りはビルだらけで、ひっそりとたたずんでいる建築物。


08/23 の最初は札幌ドームへ。 旧大阪ドームに続き、2大ドームを制覇である。 今後、東京とか名古屋、福岡に行く予定はないのでドームは 2箇所で終わりか。


道庁赤レンガ庁舎は地下鉄駅に向かうために通っただけ。


テレビ塔も地下鉄への入り口から見えただけ。

結局、観光目的で行ったのは札幌ドームだけであり、あとはすべて通りすがり観光である。 JR札幌駅が新しくなって初めて足を踏み入れたり、住んでいた当時にはなかった店に寄ったりもしたが、普段から旅行などしないので観光のコツというものが分からない。

とりあえずはヘトヘトになり、その夜はぐっすりと眠った二人なのであった。

ジャッジ

多少のテロや暴動はあれど、今日のところまで北京オリンピックは順調に競技が進み、開催期間も競技数も残り半分くらいになった。 聖火ランナーの妨害に始まり、何だか波乱含みの大会となってしまい、中国での開催は時期尚早だったのではないかという意見まで飛び出しているが、東京オリンピックが開催された日本も当時は世界から同じことが言われていた。

従って中国のオリンピックも無事に終わってほしいと願うし、これをきっかけに発展していただきたいとも思うが、日本とは決定的な違いがある。 ひとつは民主主義が根付いた日本とは異なり中国共産党の一党支配が続く社会主義国である点と、もうひとつは公正な目と潔さに欠ける点である。

今大会では本番が始まる前からハンドボールでの 『中東の笛』 が問題となり、アジア予選が無効になるという事態にまで発展したが、大会が始まってみると中国よりのジャッジの何と多いことか。 もともと官僚腐敗が進んで不正と賄賂の授受が半ば公然と行われるような国で厳格な審査や公正を求めること自体が無理なのかもしれないが、あまにりも目に余るのではないだろうか。

男子バレーの日本 vs. 中国では思わず 「はぁ!?」 と言いたくなるようなラインズマンの判定が多発していた。 明らかに入っている日本側のボールをアウト判定したり、逆に明らかにアウトになっている中国側のボールをインと判定したりするのは序の口で、中国側のスパイクが外れると日本側にワンタッチがあったと判定したりと本当にメチャクチャだ。

それでも主審が偉い人で、そんな中国のラインズマンを信用しておらず、何度も何度も判定をくつがえす公正なジャッジに努めてくれていた。 それでもすべてをフォローできるはずもなく、おかしな判定がそのまま通ってしまうことも何度かあった。 結果的にどんなに公正なジャッジをしようとも日本が中国に負けていたとは思うが、何だか見ていて気分が悪くなってしまった。

その男子バレーは顕著な例だが、その他の競技でもかなり中国選手に有利な判定が散見される。 速さや高さ、飛距離を争う競技に不正が入り込む余地は少ないが、芸術点だの闘志だのと主観に左右されやすいポイントが重要になる競技では他国の選手が圧倒的に不利である。

審判といえども人の子、他国より自国の選手を有利にしたくなる気持ちは分からないでもないが、あまりにも露骨すぎると国民性はおろか、国家の品格までを全世界に疑われてしまう。 目に余るような行き過ぎた行為は止めておいたほうが良いと思うのだが、個人主義の塊である中国という国家に対しては他国への配慮とか協調などはおろか、公正な判断すら望むのは難しいのかもしれない。

日本国民は真面目すぎるくらいに真面目で、自国で開催される競技では世界に恥じぬ厳格なまでの公正さを求める余り、かえって自国の選手に対して厳しく不利な判定をしてしまうくらいなので日本の選手は大変だと思うし、他国の審判のジャッジに納得できないことも多いと思うが、日本人であることを誇りに思っていただきたい。

残り半分の競技においても偏った判定を中国が続けた場合、中国でオリンピックが開催されたことに対して、またはその後の中国や中国国民に対して世界はどういうジャッジを下すのだろう。

前言撤回

結論から先に書くと禁煙している。 7月28日(月)から始めたので今日で 13日目だ。 2000年2003年2005年と 『絶対禁煙なんかしない宣言』 をしてきた。 医者から止められようがタバコ税が上がって 1,000円になろうが、かたくなに禁煙を拒否して人類最後の喫煙者になってやろうと心に決めていた。 自分のことだけだったら今でも気持ちは変わらない。

実は 『お買い物日記』 担当者も喫煙者であり、二人そろっての愛煙家であったので一方の喫煙によって健康被害を与えるとかそういう心配がなく、それぞれが自己責任でリスクを負っていた訳である。 ところが 『お買い物日記』 担当者にちょっとした事情があって 7月24日あたりからタバコを吸わなくなった。 ところが、ずっと我慢していたのに 26日に一本だけ火をつけた。

タバコを止める気などさらさらなかったが、喫煙の欲求に耐えている人の目の前でブカブカ煙を出すほど無神経ではない。 3mm 程度のデリカシーのカケラくらいは持ち合わせているのでタバコを吸うのが申し訳なく感じるようになり、一人で禁煙するのも辛かろうと、一緒に止めることにしたのである。

電車に乗っている 1-2時間、飛行機の乗っている 3時間、海外渡航の 10時間、あれほどタバコを我慢するのが辛かったのに、今回は思いのほか簡単にタバコ断ちができている。 以前の独り言に書いたように最近は喫煙量が激減し、依存度が低下していたので止めるのも楽なのか。

それでも中毒であった事実に変わりはなく、それを断ち切るにはそこそこの努力と精神的苦痛を伴う。「ガルルル」 と野性に返り、「タバコをくれ~」 と言うほどひどい禁断症状はないが、最初の 2-3日はついついタバコに手が伸びそうになった。 実は何が何でも絶対禁煙という強い意志で始めた訳ではないので灰皿もタバコもいつのも場所に置いたままにしていたのである。

辛くて耐えられなくなったらいつでも中止することが可能な、ゆる~い気持ちで始めたのが逆に良かったのか、変に気負うこともなく過度のプレッシャーを感じることもなく、それゆえにイライラすることもなく過ごすことができている。 気持ちが落ち着いているから喫煙の欲求も少ないという好循環になっているのかもしれない。

それでも始めた当初はたまに吸いたくなる気持ちを抑えるために、ボトル入りのガムを購入して朝から晩まで噛んでいた。 こんなに咀嚼運動をしたことがあっただろうかと思うくらいアゴを動かしていると、こめかみに近い変な部分が筋肉痛になってしまった。 そしてタバコの変わりにガム中毒になるのではないかと心配になるくらいガムに依存するようになった。

開始から 10日以上経過した今ではガムへの依存度も低下し、一日に一度くらい口に入れるかどうかというところである。 吸いたいと思う間隔もどんどん長くなり、当初は毎時間おきだったものが数時間おきになり、それが食後だけになり、今は何かのタイミングでふと気が緩んだときだけになった。 そて今日、「もう大丈夫だよね?」 と言いながら 『お買い物日記』 担当者が残っていたタバコを捨てた。

本当にもう大丈夫なのか分からないが、二人で叱咤激励しながら続ければ禁煙は成功するかもしれない。

気象条件

今日から始まった夏の甲子園、第90回目の大会となる高校野球を今まで観ていた。 第一試合は北海道勢である駒大の試合で、中盤までに大量 8点もの差がついたので安心しながら他チャンネルのテレビを見ながら昼食なんぞをいただき、余裕を持って雑感を書こうと思ったら何だか雲行きが怪しく、2点差まで追い上げられたうえにまだ満塁のピンチを迎えている。

これはのん気に雑感など書いている場合ではないとの判断に至り、とりあえずは最後まで試合を見ていたが、どうやら最大のピンチもしのいで一回戦を突破することができた。 今回出場している駒大 (=駒澤大学附属高校) は、現在プロ野球 (楽天) で活躍している田中将大 (マーくん) の出身である苫小牧校とは異なる岩見沢校だ。

しかし北海道の野球チームもなかなか強くなったものだ。 少し前までは一回戦、二回戦での敗退が常であり、優勝旗が津軽海峡を渡るなど自分が生きている間に起こるはずがないと思っていた。 それが駒大苫小牧のおかげで二回も見ることができたのだから実に喜ばしいことである。

北海道勢が勝てるはずがないと思っていた第一の理由は気象条件にある。 今日の岩見沢市の最高気温は 22度で湿度が 60%前後、一方の甲子園球場は 32度で湿度 72%だ。 今日なんかまだマシなほうであり、これで 35度にも 36度にもなったら地獄である。

いくら若さがあるとはいえ、慣れない気象条件下で数日間を過ごすのも、ましてや激しい運動をするのも相当なストレスを感じながらのことだろう。 あのジメジメでムシムシな環境は道産子の生息に適さないのである。 中学生の頃、北海道を離れて二週間くらい生活したことがあるが、見事なくらいの夏バテになってしまい、食事がのどを通らなかったことがある。

今は宿泊先のスタッフが気を遣い、夏バテにならないような食事を用意してくれているのか、それとも選手たちの体に暑さに対する耐性が備わったのか。 いや、10度以上の気温差、10%以上の湿度の差を簡単に克服できるはずがない。 楽天に行った田中選手にしても、兵庫県の出身であり生粋の道産子ではない。 そうだそうだ。 道産子があの環境で生きられるはずがない。

そんな中、13年以上も大阪で暮らした自分たちって 「何て偉いんだろう」 などと褒めてみる。