日本にとってのワールドカップは大会 14日目にして終わりを告げた。 日本人が代表チームに対して抱いた期待は幻想でしかなく、まだまだ世界で通用するレベルではなかったということだ。 ことブラジル戦に至っては相手に遊ばれているようで、高校サッカーと Jリーグが試合をしているような歴然とした実力の差があったように思う。
試合前日の独り言に書いた通り、徹夜してまでテレビ観戦する体力はなく、早朝に目覚ましをセットしてまで起床する気もなかった。 しかし、潜在意識の奥深くで試合のことが気になっていたようで、4:00 にパッと目が覚める。 頭の中で (どうせ勝てるはずがないのだから) と目を閉じるが、5分置きくらいに目が覚めてしまう。
「そんなに気になるなら」 と自分自身に文句を言いながら起き上がり、テレビのスイッチを入れたのが 4:30。 ボ〜ッとしながら試合を観ていた 4:34、なんと日本が、あのブラジルから、しかも先制のゴールを決めた。 ここで完全に目が覚めて、繰り返されるスロー VTR を何度も観ながら夢でないことを確認し、ジワジワと喜びが湧いてくる。
(もしかしたら)、(いや、そんなはずはない) という思いが頭の中を交互に駆け巡り、奇跡が起こることを願い始めた 4:46、ブラジルに同点ゴールを決められ、床に突っ伏す。 直後に前半を終えてハーフタイムに。 テレビのチャンネルをカチャカチャしてクロアチアが負けていることを確認し、(一点入れることができたのだから、あと三点入れる可能性も 0 ではない) と自身に言い聞かせて後半を待つ。
しかし、後半はブラジルの動きが明らかに変わり、日本が何もできないまま 2点を追加されて 3-1 に。 その時点で溢れ出していたアドレナリンが急速に失われ、(やっぱりダメか) と思った途端に激しい睡魔に襲われる。 たった 1時間の観戦で疲れてしまい、這うようにして布団にたどり着き、泥のように眠ったが、すぐさま起床する時間になってしまった。
寝ている間に奇跡が起こり、(大逆転劇を演じているかもしれない) などという、有り得もしない期待を少しだけ抱きながら、特に意味はないが、できるだけそっとリモコンを持ってテレビの電源を ON にしてみた。 結果は 4-1 という大敗だったので、ON にしたときとは逆に、思いっきりボタンを押して電源を OFF にしてやり、洗面所に向った。
あれだけの実力差があるのだから、日韓共同開催だった 4年前の成績は運と地の利に恵まれただけの結果だったのだろう。 あと何年あれば日本が上位に進出することができるようになるか分からない。個人主義と言うか、利己主義が目立つ国で盛んなスポーツに、調和を重んじる日本人が馴染む日が来るのだろうか。
柔道や剣道、華道、茶道、書道のように、野球ですら野球道、ゴルフですらゴルフ道にしてしまう日本人である。 武士道を DNA に持つ日本人がヨーロッパ型のスポーツを文化として取り入れることが果たして可能なのだろうか。 オッサンとしては、日本人の良い面や文化を捨てずに消化し、吸収することが望ましいが、そんな考えでは上位に進出したり優勝することなどできないのかもしれない。
文化的側面、体力面、技術面のどれをとってもワールドカップへの道はまだまだ遠そうだ。