大阪府摂津市JR千里丘駅周辺密着情報!!

雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

杞憂 杞憂

  自分のことで精一杯なはずなのに世の中のいろいろな事が気になってしかたない。10年以上も言われ続けているので不況という言葉も聞き飽きた。なんでもかんでも不安視したり必要以上に気を揉んだりすることはないと最近になって思うようになった。

  これも日本人的なことだが景気が良いバブル期には日本全体が浮かれて歯止めがかからないし、不景気になると日本全体が ”どよ〜ん”としている。ペイオフに関しても解禁が目前になると、慌てて口座を移し替えたり金(きん)を購入したりしている。この件に関しては以前の雑感で不安になるような書き方をしてしまったので偉そうには言えないのだが・・・。

  以前の雑感の訂正も含めて必要以上に不安視しなくても良い理由を並べてみる。まずは訂正からだが以前の雑感で 「保証されるのは 1,000万円まで」と書いているが、「1,000万円とその利息まで」というのが正確な表現となる。さらに厳密に言えば ”あくまでも保証されるのは”ということであり、保証はないがそれ以上の預金も一定の割合で戻ってくる。

  今まで破綻した金融機関の平均の資産残高は 7割程度と言われているので、仮に 3,000万円預けている人はとりあえず 1,000万円と利息は保護され、残り 2,000万円についてはその 70%が戻ることになる。つまりペイオフが発動されたとしても約 2,400万円は戻ってくると思われるのである。

  それもペイオフが ”発動”された場合の話であり、ペイオフが ”解禁”になったからと言って、金融機関が破綻したらすべて ”発動” されるわけではない。アメリカでは 1989年 8月〜95年12月の間に約 540の金融機関が破綻しているが、その中でペイオフが発動されたのは 30件。つまり 6%程度のものである。発動されるのは破綻した金融機関の営業を引き継ぐ金融機関が見つからない場合なので、日本においてはもっと発動の可能性は低くなると思われる。

  今まで破綻した銀行を見ても、金融当局がブリッジバンクを設立して営業を継続し、最終的には譲渡先が見つかっている。そうなれば資金援助がおこなわれるので破綻した銀行が清算に追い込まれるまでに至らない。つまりはペイオフは発動されないため、預金は全額保証されるのである。

  今までにないシステムの導入にあたって不安に思うことも多いが、ガタガタ騒いだり慌てたりすることはない。ただし、すべての金融機関が上述したような手続きで営業譲渡できるわけでもないので、ある程度は預金を分散しておいた方が賢明かもしれない。一箇所にまとめておくと破綻時に銀行がいったん閉鎖されるため、預金を引き出すことができなくなってしまうので、それを回避するためにも 「預金が 1,000万円もないやい!」という我家も含めて預金は分散すべきであろう。

  デフレスパイラルに関しても以前の雑感で 「大変だ」 と書いたが、これも自然な流れのように思う。ましてや何もかもが値下がりしているわけではない。従来どおりに価格が上昇しているものだってあるのだからマスコミやエコノミストが大騒ぎするようなデフレ対策が本当に必要なのだろうか?世界的に見て日本の物価は高かったのだから、明らかに割高なものは世界的水準にまで物価が下落するのは当然だと思う。

  グローバル経済などと言われてもピンとこない面もあるが、部材や食材が世界中で流通するようになれば税率などを抜きに考えると各国の物価が同じようになるのは当り前といえば当り前の話である。日本の一次、二次産業は大変だと思うが、衣料品や食料品はこれからも低価格化が進むと思われる。

  車や電化製品にしても韓国や中国から入って来る低価格品に対して戦々恐々としているが、それは 40年前、30年前に日本がアメリカに進出したときも同じだったはずだ。日本の低価格攻勢にアメリカの自動車産業や電機産業はボロボロにされた。それと同じことが今日本で起こっている。どんなに抵抗してもセーフガードを発動しようとも結果的に韓国や中国の製品価格が近い将来には標準価格となるのだろう。

  もうひとつ世界的に見て非常識な価格だったのが土地だ。バブル期には価格が倍になることなど日常茶飯事で ”土地ころがし”などという言葉さえ生まれた。バブル崩壊とともに土地神話も崩壊し、なかなか回復しないのであるが、そもそもの価格が高すぎたのでこれまた当然だと思う。土地と株の値下がりが銀行の不良債権が膨れ上がらせる原因でもあるが、そんなものにしか担保価値を見いだせなかった銀行側に責任がある。

  だれもが知っているように価格は需要と供給のバランスによって決まる。日本は土地(領土)が少なく人口が増え続けたために土地の価格も上昇を続けたわけだが、少子化によって今後の人口は減っていく。人口を維持するのに必要な出生率 2.1人は 1974年からすでに下回っており、日本の生産年齢(15歳〜64歳)人口は 1995年にピークを迎えてしまっているらしいのだ。つまり、土地の需要が減ることなど 2-30年前から予測できたはずだ。

  ものすごく単純に計算すると男女 1組(2人)が結ばれるわけだから、そこに 2人の子供ができなければ人口は減少する。現在のように 1人程度の出生率だと単純には人口は半分ずつになっていく計算になるのだ。そうなると土地だけでなく車にしても衣料品や食料品にしても今ほどの需要はなくなってしまうので、価格が下落するのはやっぱり当然な訳である。

  こうして色々と考えてみると不景気だからモノが売れなくなり価格が下落するのではなく、需要が減ってきたから、そして今までが高すぎたから適正価格に近づいているだけなので、そんなに心配することはない。・・・という結論でまとめよう思っていたのだが、日本の将来を考えるとなんだか逆に不安になってしまった。

  こういう不安感を皆が持っているから本能的に子供をつくらなくなってしまい、人口が減少し、不安になり、子供をつくらず、人口が・・・というスパイラルに陥ってしまったのだろうか?

2002 / 03 / 24 (日) ¦ 固定リンク


Powerd by Bloq