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2001年11月25日

リスク リスク

 自己責任の重要性が高まっている。日本版 401kも運用方法を自己責任で選択し、将来に給付される年金の額が変動する。確定拠出型年金と”確定”という言葉が付いているが、実は受け取り額は”不確定”なのである。上手に運用すれば沢山の年金が受け取れ、運用に失敗すると掛け金(元本)以下の金額しか受け取ることができない。

 政府が「個人投資家にもっと株の売買を」と言っているが、どこに投資するかはもちろん自己責任で、投資した金額が増えるかもしれないし、元本すら戻ってこないかもしれない。運用をプロに任せる投資信託などもあるが、自己責任で運用を任せたのであるから結果的に儲からなくても誰にも文句は言えない。

 「延期すべき」との声も出ているが、予定通りであれば来年(2002年)4月にペイオフが解禁される。簡単に言えば「いくら預金していても銀行が破綻したら 1,000万円までしか保証しないよん」というこで、それ以上の金額は返ってこないのである。したがって、1,000万円ずつ分散して複数の銀行に預けるか、破綻しないと思われる銀行を自己責任で選択して預け入れるしかない。普通預金や当座預金は 2003年の 3月 1日まで全額保護されるので定期預金を解約して普通預金にしておくなどの方法もあるが、低金利時代とはいえ、定期の方が利息が高いわけだから普通預金に切りかえるかの判断も自己責任なわけである。

 ここでペイオフに抜け穴があると聞いたので少し触れておく。結論から言うと郵便局で、総合通帳「ぱ・る・る」を作るのである。一般的に郵便預金は 1,000万円が上限で、それ以上の預金ができないと解釈されているが、この「ぱ・る・る」を作っておくと無限に入金することができる。1,000万円までは利息がつく郵便貯金として扱われるが、それを超えると自動的に郵便振替口座に移し替えられる。

 郵便振替口座は、入金や支払いが頻繁におこなわれる決済用口座と認識されているため、金利はつかないが、流動的なお金の一時的な保管場所であることから、その口座の金額は全額保証される。つまり、ペイオフが解禁になって、普通預金も保証されなくなる 2003年 3月 1日以降も「ぱ・る・る」であれば全額保証されるわけである。

 もちろん、1,000万円以外は利息がつかないので資産を増やすことはできない。リスクがないかわりにリターンもない、「ノーリスク、ノーリターン」というやつである。「ハイリスク、ハイリターン」で儲けを狙うか、リスクを避けるのかも自己責任で選択しなければならない。これらのことは今日現在のことであって、小泉改革の公約どおりに郵政民営化が近い将来に実現すると、「ぱ・る・る」もどうなるか分からないのではあるが・・・。

 ましてや我家では 1,000万円以上をどうするかなどと考える必要もないのだが、生命保険だけは気になってしまう。「まさか」と思うような生保まで破綻する時代であるから、それこそ自己責任で安全そうな会社を選択して保険をかけるしかない。

 いろいろと小難しいことを書いてしまったが、いろいろな不安はあるにせよ、大人であれば自分で判断し、自己責任において決断もできる。しかし、こどもには判断能力も責任能力もない。だからと言って、親が子供の将来や方向性を勝手に決めてしまうのはどうかと思う。

 親が勝手に判断して習い事をさせたり、子役タレントのオーディションに応募したり、音楽や絵画に興味を示しても「そんなことより勉強!」と押し付けてみたりしている。その子の素質に関わらず、親の価値観を無理に押し付けているのではないだろうか。

 基本的な躾(しつけ)や基礎学力はもちろん大事だと思うが、子供自身が興味をもつことや得意なことを見つけたら、それを無理に押さえつけずに自由にさせてあげれば良いと思う。自分の果たせなかった事を子供に託し、その子の将来像を勝手に描き、そのレールに無理に乗せようなどと考えるのはいかがなものであろう。

 いくら勝手に押し付けても将来必ず思い通りになるとは限らない。逆に思い通りにならないことの方が多いと思う。それなのに将来の選択肢を狭め、思い通りにならないかもしれないというリスクを子供に負わせているような気がしてならない。リスク(Risk)は「人が何かをしたら、その行為に伴って起こり得る危険」であるわけで、その”何か”は自己責任で”する”ものである。

 自己判断することができずに自己責任を負うこともできない子供に勝手な判断を押し付けることは子供にとってリスク(Risk)などではなく、危険(Danger)に身をさらすことではないかと考えてしまう。勝手に決めた将来像を無理に押し付けて、それがうまくいかなかった場合の責任は誰が負うのであろう。

 基本的な躾(しつけ)や基礎学力が身につけた後は、子供が進みたい方向に進ませてあげるのが一番良いような気がする。そして夢がかなわなかった時の責任は進みたい方向に進んだ自分が負えば良いのではないだろうかと思う。

 こんなことを書いていると、「お前に何がわかるー!」と世の親を敵に回すかもしれないが、あまりにも自分で将来の事を考えられない若者が多くなってきているので、それは親が押し付けていることの副作用なのではないかと気になってしかたないのである。

2001 / 11 / 25 (日) ¦ 固定リンク

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