犬や猫のいる風景 2007初春

このタイトルの雑感を最後に書いたのは、2005年 9月のことだ。 在宅勤務になってから朝の散歩が日課となり、犬や猫のことは折に触れて 『管理人の独り言』 に書いているので、雑感に書くほどネタがないのも確かだが、単に忘れていたというのも確かな事実である。

先日の独り言に 『お買物日記』 担当者も書いていたが、ご近所で飼われていた犬が天寿を全うした。 16年も飼われていたそうで、飼主さんも寂しいだろうが大往生と言えるだろう。 その犬と最初に出会ったのは大阪に引っ越してきたばかりの頃だ。 まだ室内の片付けをしている最中で、必要になったものを近所の金物屋さんまで買いに行く途中だった。

道を歩いていると、すぐそばで ドッカ~ン!という凄まじい音が鳴り響き、 『お買物日記』 担当者と二人揃って 「どっひゃ~!」 と飛び上がらんばかりに驚いた。 恐る恐る音のした方を見ると、鉄板でできた囲いの上から犬が顔を出している。 どうやら嗅ぎ慣れない匂いが近づいてきたので出所を確かめたく、2m 近くある囲いに飛びつき、前足で体を支えて覗いているらしい。

とくに威嚇する訳でもなく、吠える訳でもなく、「誰だ?」 という雰囲気でこちらを見ている姿が可愛く、とりあえずは 「こんにちは」 と挨拶しておいた。 驚かされたのはその一回だけだが、たまに遠くから ドッカ~ン!という音が聞こえてきていたので、知らない誰かが通るたびに囲いの上から覗いていたのだろう。

それは犬が若い頃の話で、晩年は囲いの上まで飛び上がる元気もなかったのか、地面と囲いの鉄板がある 15cm くらいの隙間から鼻と目だけを出して外の様子を見ていた。 その姿もまた可愛らしく、血統書などない雑種の犬だったが、近所で飼われている犬の中でも好きな奴だったのである。

その犬も居なくなってしまい、少し寂しい思いをしているが、もう一匹気になっている犬がいる。 それは独り言にも何度か書いた空き地の犬である。 昨年末から散歩をしていても、その姿を見ることがなくなってしまった。 犬がつながれていた柱には、まだ鎖が残っているものの、何日も地面に置かれた鎖の形が変わらないことがある。

昼間でも外に出ているのであれば、鎖の状態にも何らかの変化はあるはずで、その形が変わらないということは何日も外に出ていないということである。 少し体調を崩している程度であれば良いのだが、老犬なので今も生存しているのか気になって仕方がない。

2002年の 6月に書いた犬の五郎くんは数年前に近所に引っ越してきた。 ネームプレートに書いてあった 『○○五郎』 の○○の部分、つまり苗字が同じ家が建築され、その家に大きな黒い犬がいる。 その苗字と言い、その姿と言い、間違いなく五郎くんだと思われるのだが、まだ飼主さんに犬の名前を聞いたことがないので確証はない。 いつか確認したいと思っているところである。

1/25 の独り言に書いた窓辺の猫の件。 窓ぎわにテレビが配置されてしまったので見ることができないのではないかと危惧していたが、2日前の朝の散歩でテレビの上に座って外を眺めている白猫の姿を確認できた。 どうやら猫にとって、さほど障害物にならないようだ。 いつかキジトラの猫と二匹揃ったところを見てみたいものである。

そして、いつも喧嘩に負けて帰ってくる猫は相変わらず家から締め出され、寂しそうな顔をして玄関にたたずんでいる。 いつものことなので、早く帰宅したら良いのに遊ぶのに夢中になって遅くなってしまうのだろう。 玄関にある曇りガラスに顔をつけるようにして家の中を見ており、人の影が見えたら必死に鳴いて入れてもらおうとしているらしい。

ここ数年の間、空き地だった場所に多くの家が建ち、犬や猫の数も嬉しいくらいに増えている。 生き物は、いつか死んでしまうのが悲しいところだが、生きている間は色々なことをして、これからも目を楽しませてもらいたいと思ったりしている春の始まりである。