報道の光と影

4月 27日、福田政権発足後初の国政選挙となった衆院山口2区補欠選挙で民主党が勝利した。 自民党の敗因は 『ガソリン税』 の暫定税率復活と 『後期高齢者(長寿)医療制度』 が 『うば捨て山』 制度と批判されていることだとされているが、どちらもマスコミのミスリードがあったのではないかと思わざるを得ない。

『ガソリン税』 に関しては、確かに道路族議員の暗躍やら何やらで良い印象はなく、必要もない道路を造っているという批判はあるし、もの凄い田舎にもの凄い立派な道路ができて、ろくに車も走らない光景がテレビに映し出される。 たしかにそういう道路は存在するだろう。 しかし、北海道に帰ってきて思ったり話を聞いたりすると、やはり本当に必要な道路はあるようだ。

地方には国道が一本しか通っておらず、天災などがあって道路が寸断されると陸の孤島になってしまい、救援も救助もままならない町や村、集落などが五万とある。 1リットル当たり約 25円の税金が必要か否かは議論の余地があるだろうが、本当にガソリン税によって道路が造られているのだとすれば、必要としている人達は確実にいる。

これは北海道に限らず、大都市以外の地域、地方では同じ問題を抱えているのではないだろうか。 マスコミは畑のど真ん中を立派な舗装道路が貫き、一台の車も走っていない光景を映し伝えるだけではなく、本当に必要としている人の意見も放送しただろうか。 そして、自民党も 「すでに予算が組んであるから」 という理由だけでなく、困っている地域のことを説明しただろうか。

仮に自民党が説明しているにもかかわらず、それが報道されないのだとすれば大きな問題だ。 政策や自民党のやり方を批判するだけではなく、国交省が管轄しているファミリー企業の無駄や箱物にまで道路特定財源が使われている無駄を省き、それでも必要とされている道路を造るのにどれだけの予算が必要で、そのためには何円のガソリン税が適当なのかを伝えてほしい。

『長寿医療制度』 に関しても、やれ 「うば捨て山」 だとか 「年寄りは死ねと言っているのか」 などという話ばかりがクローズアップされ、テレビには困っているお年寄りの姿が映し出される。 しかし、その制度を良く見れば一定以上の収入がある高齢者の負担は増えるが、基礎年金や平均的な厚生年金だけで暮らしておられる方の負担は軽減されることになっている。

それで負担が軽減され、喜んでおられるお年寄りの姿は伝えずに腹を立てて文句を言っているお年寄りや、悲しそうな表情で困惑しているお年寄りの姿ばかりをテレビ画面に映し出すことが公平、公正なことなのだろうか。 マスコミは自民党が負けることを望み、そうなるような報道をしたのではないかと疑いたくもなってしまうし、それに対して愚痴を言う自民党のことも理解できる。

確かに次の衆議院選挙でも民主党が躍進して政権交代が起こったら 1993年の細川内閣の時のように歴史的なことであり、マスコミもお祭り騒ぎになるだろう。 テレビの報道番組の視聴率も上がり、新聞や週刊誌も売れるかもしれない。 何よりもマスコミ自身が楽しくて仕方ないだろう。 しかし、そんなものに付き合うために国民は生活しているのではなく、そんなものに付き合っているヒマもない。

どんなことであれ、すべてにおいて完璧なことなどない。 必ずと言って良いほど光の部分と影の部分は存在する。 それの双方を伝えず、影の部分にのみ焦点を合わせるのはいかがなものかと思う。 自民党が良いとは言わないし、民主党が悪いとも言わないが、マスコミに踊らされることなく冷静に判断する大人の目線が一般市民に求められているのだろうと強く思う。