やはり異常な事態だと言わざるを得ないだろう。
今回の台風でも、一か月に降る量の雨が一日で降ったなどという事態が各地で発生している。
6月に北海道で気温が30℃を超えたり、まだ梅雨明けする前に群馬県で39℃に達したりと異常な状態だ。
そもそも、日本には以前からこれほどの竜巻が発生しただろうか。
ここ数年、ダウンバースト現象や竜巻などで被害を受けることが多くなったように思う。
竜巻という呼び名があるくらいなので、昔から一定程度は発生していたのだろうが、近年になって激増しているように感じるのは、単に情報網が発達したことと、手軽にスマホなどで動画撮影や写真撮影ができるようになったからだろうか。
下水処理が追いつかずに道路に水があふれるほどの大雨、北極の氷の激減、世界各地にある氷河の激減、巨大台風、巨大トルネードの発生、進行する砂漠化。
日本のみならず、世界各地で異常な事態が起こっているのは地球温暖化によるものではないのか。
世界に目を向けずとも身近な問題として温暖化を意識できる。
北海道では今まで水揚げされなかった魚が捕れるようになったし、経験したことのない大雨や最高気温を記録したりしているのは温暖化が原因だろう。
先月の帰省の際、6月の北海道にしては暑かったので実家の窓を開けていると外からセミの声が聞こえてきた。
子供のころは、この辺りにセミなど生息していなかったはずだ。
野山を駆け回って遊んでいた野生児だったので、もしセミがいようものなら間違いなく捕獲していたことだろう。
しかし、セミの声など聞いたことがないし、悪ガキ情報網にもセミのことなど伝わってこなかったので、当時は生息していなかったはずだ。
少し気になって調べてみたところ、やはりセミの分布は北上を続けているとのことで、それは温暖化が原因であろうと結論づけられていた。
昔は北海道にゴキブリなどいなかったが30年ほど前から、気密性が高く、いつも暖房している商業施設などで姿が見られるようになった。
まだ一般家庭にゴキブリが出たという話は聞いたことがないが、温暖化が進む今、家の中をガサゴソ動きまわるのも時間の問題かもしれない。
この一週間、急な暑さもあって日本各地で熱中症による救急搬送が急増した。
そして、かなりの数の人が命を落としている。
昔は熱中症などという言葉はなく日射病と言われており、文字通り炎天下に外で長く直射日光を浴びていたら発症するものだと思われていた。
しかし、熱中症に陽の光は関係なく、主に温度と湿度によって引き起こされる。
昔は家の中で暑さのために人が死ぬなどということは有り得なかっただろう。
エアコンなど文明の利器を使用せず、窓を開けるなど自然に任せて暮らしていると熱中症で死亡してしまう。
外でも水分補給に神経を使わなければ、命の危険にさらされる。
つまり、今の日本は、地球は、何もせず自然のままに暮らしていては生きていけない。
それは、今の日本が、地球が、人間の生息に適さない環境になってしまったということだ。
温暖化の原因と言われる二酸化炭素の排出量を削減する取り組みも、中国を始めとする発展途上国は、今まで好き放題に排出してきた先進国に責任があるのだから我々に削減する義務はないなどと言っているが、以前までは二酸化炭素が温暖化をもたらすなどと知らずに排出してしまっていたのであって、それを知った今でも視界が悪くなってノドが痛くなるほど汚染物質を吐き出しまくっている国には偉そうなことを言ってほしくはない。
国益を優先したいのは分からないでもないが、この星がダメになってしまったら元も子もないだろう。
2050年には日本の人口が約9700万人に減少すると国土交通省が発表したが、あと35年も地球がもつだろうか。
同じ2050年、世界人口は約90億人を超えると予想されているが、それだけの人数が食べていけるだけの資源が地球に残っているだろうか。
貧富の差も拡大している今、2050年には富める者だけが地球を脱出して火星に移住し、貧しき者は地球に残され滅亡への道をたどっているかも知れない。