尺度

物事には様々な判断基準、尺度というものがあり、それは時として人を喜ばせたり悲しませたりする場合もある。01/08 の独り言にも書いたが、福岡県で起きた飲酒運転 3児死亡事故に対する判決は、遺族にとって受け入れ難いものだろうし、遺族の心情を察すれば納得できない部分も多いが、「危険運転致死傷罪とは何ぞや?」 という観点から司法が下した判断も尊重しなければならないのだろう。

昨年の 『ビリーズブートキャンプ』 ブームに象徴されるように、エクササイズとかダイエットに励む女性は多い。 それは当然 「痩せたい」 という願望があるのだろうが、はたして本当にやせる必要があるのか疑問に思える人まで熱心になっている。 それは女性の尺度だったり、自分の尺度で太っているとか痩せているかを判断した結果だろう。

実際には女性が思っているほど痩せている人が好まれる訳ではなく、世の男性の多くはガリガリの人よりも中肉を好み、「お願いだから、それ以上は痩せないでくれ~」 と心の中で叫んでいる。 ところが男性を意識したものではなく、女性の一方的な尺度や自分だけの基準で判断し、理想とする体型を追求するから必要のないダイエットをしてしまう。

野放しに脂肪を蓄えている人もどうかと思うが、大半の人は無理にダイエットなどする必要はなく、健康的に食べたいものを食べたら良いのであって、体に変調をきたすような食事制限や運動などする必要はないのである。 特に若いうちはパッツンパッツンに張っていようと、多少コロコロしていようと、若さがそれを十二分に補ってくれる。

極端な食事制限などしていると歳をとってから体に異常がでる危険性が高いので、直ちに中止すべきであると声を大にして言いたいが、痩せていることが良いことであると盲信している人の耳には届かないのだろう。 「将来、辛い思いをするよ~」 などと言っても聞く耳を持たず、食事制限を続けて肌がカサカサになり、骨粗しょう症への道をまっしぐらに進むのだろう。

本人の価値観などに左右されるものと違い、基準となる尺度が必要なものは世の中に多い。 時間や貨幣価値、距離や速度、大きさなどがそれに当たるが、写真に写ったものの大きさを示すために以前はタバコが並べられていることが多かったのに最近はそれを見ない。 やはり喫煙者の人口が減り、タバコはだれでもが知っていて比較対照となっていた時代は終わったのか。

昔は対象物の横には必ずタバコが置かれており、それを見てアバウトな大きさを把握できたものだが、現在は健康被害がどうしたとかこうしたと、うるさいのでタバコを置くわけにはいかないのだろうか。 しかし、何かと不便なのでタバコに変わるものを見つけてほしいものだ。 誰もが大きさを掌握できるものって何だろう。

世帯普及率が 85%を突破した携帯電話も有力だが、機種によって大きさが違う。 リンゴや卵などは似たような大きさなものが多いので候補となりうるが、食べ物を並べて写すのに抵抗がある場合もある。 何かタバコにとって代われる良いものはないのか。

結局、良い案は浮かばないが、何となくそんなことを考えて書き始めた雑感が、毎度の長文になってしまった事実の方が重大だ。 今年からはなるべく短く終わらせようと思っているので、この辺でやめておくことにする。