■ STAP細胞
先々週に書いた雑感の続きのようになってしまうが、今週初めの 1日、理化学研究所の調査委員会は小保方氏単独による研究不正があったと発表したが、それが事実だとするならば自分の常識の範囲から完全にずれた次元に小保方氏が存在することになる。
研究者であれば不正がバレバレの論文を発表すれば自分の地位を脅かすどころか失墜してしまうことは簡単に想像できるだろうし、世界の物笑いになることも、理化学研究所に迷惑をかけることも、日本の科学技術レベルが疑われることも、不正が簡単に見破られることも、STAP細胞が論文どおりには作り出せないことも容易に想像できるだろう。
それなのに、あえて不正をし、嘘をつき、世間をだますことを人は簡単にするだろうか。
決してそんなはずはないと自分は考えてしまうので、きっと STAP細胞は作り出せたのだろうし、論文も本人が主張しているように不鮮明な画像より綺麗な画像を使いたかったのかもしれないし、勘違いや手違いがあって論文に不備があるものの、その内容に間違いはないと信じたい。
人は意味のないことなどするはずがないので、この世に存在するはずもない STAP細胞を作り出せたなどと荒唐無稽な話しを主張するはずもないと願っている。
過去に何度も同様のことを考え、幾度と無く裏切られ、人は自分の思う常識とはかけ離れたことをすると思い知らされてはいるのだが・・・。
■ 消費増税前夜
同じく週の初めのニュースは消費税率が引き上げられる直前に消費者が奔走する姿を映し出していた。
そして翌日、マスコミは客足もまばらな店、ヒマそうなガソリンスタンドを取材し、客数が激減していて駆け込み需要の反動減が懸念されるなどとぬかす。
前日にしこたま買い物をしたのだから次の日にも買い物に行く人は少ないだろうし、前日に満タンにした車に給油する人もいないのは当然のことなのに、それをもって反動減などと大げさに騒ぐマスコミはどうかしている。
そもそも増税前の駆け込み需要もマスコミが 「いよいよ増税」、「来週から増税」、「明日から増税」 と煽動し、人々の焦燥感を増幅させた結果によるところが大きいのではないかと思う。
大騒ぎして事を大きくし、あたかも消費者心理による行動であるかのように報道するなど正にマッチポンプの典型ではないだろうか。
■ 調査捕鯨
日本の調査捕鯨は国際法に違反するとして、オランダの国際司法裁判は中止を命じた。
そのニュースが駆け巡った時のマスコミの反応はお粗末極まるもので、鯨料理を出す店に行って 「商売が成り立たなくなる」 と言う経営者の窮状を伝えたり、店の客が 「もう食べられなくなる」 などと言うインタビューを流す始末だ。
あくまでも調査捕鯨だと世界に向かって主張しているのに、国内では売ることができない、買うことができない、食べることができないなどと騒いでいる姿ばかり追うとは何ごとぞ。
今の時代、メディアの流す映像や文章はあっという間に世界にネット経由で伝播することくらい誰にでも分かることだ。
建前上は調査捕鯨と銘打って世界に理解を求めているのだから、それが禁止されたら学術的にどのような影響があるのかを問題視すべきであって、子供の頃から食べてきたものがなくなってしまうと嘆くオッサンの姿を映しだしてどうする。
こんなことをしているのだから、世界からの批難を浴び、建前でしかない調査捕鯨を禁じられても仕方ないだろう。
■ 津波注意報
以前までは津波注意報がでると、危険だと警告されているのにも関わらず海岸近くまで行って定点カメラに手を振る不届き者がいた。
先日発生したチリ沖地震によって日本でも津波注意報が発令されたが、今回は各地の定点カメラに映し出される景色に不届き者の姿はない。
津波がどれほど恐ろしいものか、どれほど速く駆け上がり、どれほどの勢いで地上の物を飲み込んでいくかを 3年前の東日本大震災で目の当たりにし、多くのことを学んだ影響か。
さすがにあれだけの経験をした後では海に行って津波が来るのを見ようなどというアホはいなくなったようだが、いずれまた大災害のことは人々の記憶から消えるだろう。
この恐ろしさ、この悲惨さを語り継がなければいけないとは思うが、それを風化させずに教訓とするのは難しいのかも知れない。