自分解体新書 - 16 -

自分解体新書 ~目次~

■ 腰 その2

疲れるのは歳のせいか。

高齢のかたが腰が痛いだのダルいだのと言うのを聞いて、それは力仕事や農作業が原因なのだろうと思ったりしていたが、加齢とともに足腰への負荷が気になるようになってきた。

今でも可能な限り毎朝の散歩は実施しているし、それ以外の運動、週に一度か二度の柔軟体操も続けているが、最近になって腰のダルさや鈍痛が気になるようになってきている。

脊髄系ではなく、あきらかに腰にある左右の筋が張っていたり痛かったりするので一般的に言われる腰痛とは異なるのかもしれないが、パソコンの前で同じ姿勢のまま長く座っていたり、テレビを見ながらゴロゴロしていた後に立ち上がろうとすると若干の鈍痛を感じてしまう。

祖父母はおろか、父親や母親までも立ち上がるときに
「よいしょ」
とか
「どっこいしょ」
などと言うのを耳にして、どうして黙って立てないのか不思議でならなかったが、今になって理解できるようになったと言うか、ある日ある時、自分も立ち上がるときに
「どっこいしょ」
と声に出していることに気づいて愕然としたものだ。

次なる不安は老化によって腰が曲がってしまうのではないかということだが、こちらに関しては筋力よりも骨の問題で、骨粗しょう症の進行で脊椎が圧迫骨折を繰り返すことによる湾曲らしい。

そうならないためにも魚などをたくさん食べてカルシウムの摂取に努めなければと心に誓ったりしているところだ。

■ 足裏

ずっと痛みが続いている。

そろそろ一年が経過しようとしているが、太ももから足の裏に移った痛みは今でも続いている。

昨年の11月には医者にも診てもらったが、痛みは一向に治まらない。

その時の診断は負荷による筋肉疲労とのことだったが、いくらサポーターをしていようと運動をひかえようと改善の兆候がみられないので、きっと筋肉のトラブルではなく神経系のものではないかと自己診断したりしている。

そのうちに別の病院で診てもらおうとは思っているものの、我慢できないような激痛でもなく、普段の生活、歩行に大きな支障はないのでズルズルと先送りしているのが現状だ。

今月末の通院で医師に相談してみようとは思っているが、内科が専門なので整形外科に行くように言われるのがオチなのだろう。

■ 腕

圧倒的に筋力がおちた。

元々そんなに腕力があるほうではないし、普段の生活ではタブレット端末より重いものを持ったことがないので筋力が落ちて当然かもしれない。

しかし、ここ数年の筋力低下には自分でも情けなくなってしまうほどだ。

今は心臓への負担を軽減させるため、あえて 15-6回しかしていない腕立て伏せも、もし心臓を気にしないでやったとしても 30回もできないのではないだろうか。

子供の頃は河原で石を投げたりして遊んだが、今は遠投などしようとした瞬間に腕から巨人の星の飛雄馬ばりの破滅の音がして二度と使い物にならなくなってしまうのではないかと思われる。

それほど心臓に負担がかからず、効率的に筋力アップを図ることができ、相撲の練習法でもある鉄砲でもすれば良いのかもしれない。

しかし、家に太い柱を立てる訳に行かず、ドスドスする場所が困りものだ。

■ 耳 その2

耳毛が生えるようになった。

ずっと気づいていなかったのだが、少し前に 『お買い物日記』 担当者から指摘され、自分にもビロ~ンと長い耳毛が生えていることを自覚したのである。

本数も少なく、毛も極細なので他人に知られたり不快感をあたえることはなかったと思うが、このまま本数が増えて毛が太くなり、数年前に勝手に文章を追加したの何だのと歌手である森進一氏と激しいバトルを繰り広げ、『おふくろさん問題』として世に知られることになった故川内康範(かわうちこうはん)氏のような耳毛になったらどうしようかと不安を覚えないでもない。

できるだけ放置しないで伸びてきたら抜くなり切るなりしたいところだが、耳の穴はどんなに首をひねろうと眼球を限界まで横に動かそうと自分で見ることはできないのが問題である。

これは定期的に 『お買い物日記』 担当者に確認してもらうしかなさそうだ。

・・・。

ここまで書いてきた腰の痛み、足裏の痛み、腕の筋力、耳毛のすべてが加齢、老化であることは誰の目にも明らかで、こんなことを発表している場合ではないような気もしないではないが、これは確実に衰えていく我が身の記録でもあったりするので今後も解体を続けていこうと思ったりしているところである。