新潟地震で思うこと

新潟県中越沖地震が 7月16日10時13分に発生した。 2004年にも新潟県中越地震が発生し、死者 67名、負傷者4,805名という甚大な被害を受けたばかりであり、大きな地震があれば、以降 20年くらいは大丈夫という定説がもろくも崩れた瞬間でもある。

07/18 の独り言にも書いたが、取材のために現地入りするマスコミ関係者の数に驚かされ、それだけの撮影機材などを運搬する能力があるのなら、生活物資のひとつでも運んだ方がよっぽど世の中のためになり、被災された方々の辛い思いも少しは緩和されるのではないかと思う。

そして、偉そうに義捐金や募金を呼びかけるだけではなく、特に高額な報酬を貰っているであろう、みのもんた氏や古舘伊知郎氏あたりは、ギャラの全額か一部を寄付するくらいの気構えを見せてもらいたいもので、ただカメラの前に立って 「一刻も早い復旧作業を」 とか 「被災された皆さんの気持を考えると」 などと言っていても何の説得力も感じない。

被災地にある自動車部品メーカの工場が壊滅的被害を受け、日本の主要メーカが生産停止に追い込まれたが、これはトヨタ生産方式の代表的手法でもあるジャストインタイム、つまり、必要な部品は、必要なときに、必要な分しか取り寄せないという手法が災いし、車を造りたくても部品がないという事態に発展してしまった。

また、多くのメーカが被災した部品メーカ 1社に頼っていたことと、トヨタを見習って部品調達を最小限に控えていたことによって今回の騒動となった訳であり、大メーカだけが潤って下請けが苦労する面も否めないトヨタ方式に限界が見えたのではないかという気がしないでもないが、それによって部品在庫を軽減し、経費を圧縮して世界競争に勝っていくという側面もあるのは確かだ。

しかし、いくら被災した部品メーカが重要だとは言え、各自動車メーカから復興の手伝いとして計 700人もつぎ込むことはないのではないかと思え、それだけの派遣能力があるのであれば、被災した方の家の片付けを手伝う要員も派遣し、その社員には給料も払うなどの措置をとれば、社会貢献もする立派な企業として認められると思うのだが、各メーカーとも自分のことしか考えていないようである。

派遣やパートとして自動車工場で働いている人は生産停止によって給料が減る事態に遭遇している訳だから、ボランティア部隊を編成して現地に送り込み、給料も保証した方が嬉しいはずで、みんなに喜ばれ、世の中の役に立つ会社というイメージを知らしめることだってできるだろう。

それにしても、被災した部品メーカの工場がどの程度の大きさか分からないが、700もの人数が必要だったのか疑問であり、過去の雑感に書いたかも知れないが、独身で荷物も少なかった自分が引っ越しをする際、数人の友達に手伝いを要請したら、その友達がさらに人を集めて狭い部屋に総勢 30人くらいが集結してしまい、かえって邪魔になった事実を思い出す。

おまけに引越し蕎麦を全員に振舞う事態におちいり、出費だけがかさんでしまったのは、今後、部品メーカが各社に御礼をしなければならず、何かと物入りになってしまうであろう事実も連想させる。

自分も新潟に対して何もしていないので偉そうなことは言えないが、親身なふりをしたり利己的な振る舞いをするより、もっと人のためになるようなことはできないものだろうか。