プチ整形

男性 3人を練炭自殺に見せかけて殺害したなどとして殺人の罪などに問われている木嶋佳苗被告の裁判に注目が集まっているが、それと同時にあの容姿でなぜ次々と男性を手玉に取れるのかということが週刊誌やネットで話題になっている。

かなり以前の雑感に書いたように自分は女性の容姿にまったくと言っていいほどこだわらないが、それでも木嶋被告が十人並み以上であるとは思っておらず、彼女の何を持ってして食虫植物に虫が集まるようにフラフラと男性が吸い寄せられるのか理解することができない。

きっと話術なり何なりが巧みであり、男性をとりこにする魅力があって自分の武器を理解し、それを最大限に活かすすべを心得ているのだろう。

新聞広告の見出ししか目にしていないが、女性週刊誌もその点を取り上げて記事にしているのではないかと想像する。

少し前まで女性週刊誌、ファッション誌ではプチ整形に関することが多く取り上げられ、無料で美容整形クリニックの宣伝をしてプチ整形の一大キャンペーンを繰り広げているかのようだった。

韓国で施術してもらうのが低価格であり、技術的にも申し分ないなどと人気が高まって団体で訪韓するツアーまで企画される勢いで、単なる団体整形手術旅行を美容ツアー・メディカルツーリングなどとちょっとオシャレな言い回しに変えて参加者を募る。

企画した業者の採算が合うのだから相当数の人が参加し、韓国で施術して出国した時とは異なる顔になり、以前の顔面写真が貼られているパスポートを提示して帰国しているのだろう。

いくらプチ整形でメスは使わないといっても顔や体に手を入れることには変わりはなく、コストだけを重要視して海外で施術してもらうと顔が大きく腫れあがってしまったり、ひどい痛みをともなったりした場合の事後処理に困難をきたすことになるので、施術面や保証面などを入念にチェックしてから参加すべきで、すべてツアーを企画する業者任せにしては危険だと思うのだが。

韓国は美容整形に関して実にオープンであり、多くの人が施術を受けているという。

確証などないが、最近になって極端に露出の増えた韓流スターの顔がどれをとっても同じように見え、誰が誰なのか区別がつかないのは医療技術によるものなのかも知れない。

マスコミの一大キャンペーンによって日本でも美容整形、プチ整形は珍しいことではなくなり、就職の際に面接官に対して好印象を与えるという理由だけで施術を受ける人もいる。

それが新卒だけでなく、オッサンの転職でも同様だというのだから驚きだ。

くたびれたふけ顔で面接にのっそり現れるより、少し若々しくなってさっそうと登場するほうが印象も受けも良いかも知れないが、そんなことのために整形するなど時代も変わったものである。

昔は整形手術をしたいなどと言おうものなら 「親からもらった体に傷をつけるなんて」 と非難され、人にはそれぞれ持って生まれた身体的特徴があり、個人はその外見と内面がバランスしているのだから見てくれだけ変えても仕方がなく、もっと内面をみがくべきだと説得されたものだ。

ところが今は気に入らないなら変えてしまえば良いという考えが大勢を占めているのか、いとも軽々しく整形してしまう。

親も親で我が子が顔や体に手を入れようとするのを止めないどころか、ついでに自分もシワの目立ち始めた顔を何とかしようと親子そろって病院を訪れることもあるらしい。

近年、過去には理解できなかった犯罪がおこるたびにゲームの影響が指摘され、人生に行き詰まったからといってリセットできたりやり直せたりできる訳ではないと偉そうに言うやつがいるし、それに深くうなずく大人もいるが、何の罪悪感もなく気に入らない箇所に手を入れて修正してしまえば良いという短絡的な考えは果たして正しいことなのか。

脱毛とか整形には中毒性があるらしく、度が過ぎると全身の毛が不必要だと感じるようになったり、顔のパーツが 1ミリ単位で気になり、整形を繰り返すようになったりすることもあると聞く。

近い将来、整形のやりすぎで顔面が無残に崩壊してしまい、もう手術不能になる人が激増しないことを心から祈るばかりである。