プロフェッショナル

やはり餅は餅屋、本当のプロというのは凄いものである。

少し前の独り言に書いたように、最近は仕事中にスカパーの音楽専門チャンネルの音だけを聴いていることが多い。

好むと好まざるとに関わらず、一方的に曲を押し付けられる感も否めないが、同じ曲を繰り返し聴いているより飽きないし、なかなか良い具合ではある。

流行している K-POPの少女時代や KARAの曲を毎日のように聴かされるのも何ではあるが、なかなか良くできたメロディーだと感心させられてしまう部分も多い。

一昔前まで韓国の音楽といえば日本の曲をそのまま頂いちゃった系のものだったり、アメリカの曲をキムチ味にアレンジしてみました系のものが大半を占めていたが、国内だけではなく日本市場、アジア市場までも見据えた曲作りができるプロが育ってきたのだろう。

日本では音楽産業の低迷が続いているが、その K-POPと秋元康が率いる AKB48プロジェクト(4KB48、SKE48、NMB48、SDN48)だけは元気がよろしい。

スカパーを聴いていても AKB48関連の曲が実に多い。

しかし、単なる流行、オタク向けアイドルといった偏重や偏見を抜きに AKB48の歌の詩を見てみると、やっぱりプロが創ったものは違うと感心してしまう。

日本の音楽シーンにはジャリタレに毛の生えた程度のアーティスト気取りが横行しているが、まともに詩を書けず、少女漫画の主人公が書く日記みたいなものばかりなのでオッサン、オバチャンには共感できる内容ではない。

たとえば今のシーンズは卒業をテーマにした曲も多く、AKB48も 『桜の木になろう』 をリリースしているが、その詩の世界は奥が深く、校庭に咲く桜の木が視点となっている。

そして、大雑把に言えばその桜の木が心の、そして人生の目印となるという内容だ。

桜の木になろう』(©秋元康/横健介/AKB48)

この卒業をモチーフにした場合、アーティスト気取りの中途半端な芸能人は愛だの恋だの、別れだのと脇腹が痒くなるような詩になるか、とにかく頑張れ人生に負けるなといったメッセージ・ソングになるのがオチだろう。

そんな程度の歌が乱発されるのだから CDだって売れるはずはなく、たとえ単価の安いダウンロードだって数が伸びるはずがないものと思われる。

心に届きもせず、響きもしない詩など聞く価値もない。

日本人も感性が豊かになり、過去とは比べものにならないくらいメロディアスな曲を作れるようになったのは認めるが、詩の内容が幼すぎる感は否めないので、やはりその道のプロフェッショナルに作詞を依頼すべきではないだろうか。

音楽業界もアーティスをを甘やかさず、もっと厳しい目で評価し、育てていくべきだと思う。