「はい」 で終わり

先週の続きのようになってしまうが、季節は春となってスポーツ花盛りだ。

プロ野球の 『お立ち台』、ゴルフの優勝者、その他、フィギュアスケートでも水泳でも格闘技でも何でも勝利者へのインタビューというものがあるが、それを受ける選手が答え、最後に 「はい」 と付けるのが流行の兆し。

質問に答えて 「~ですね、はい。」 「~ですよ、はい。」 「これからも頑張ります、はい。」

この語尾に 「はい」 を付けるのは女子プロゴルファーの宮里藍から始まったように思う。

最初は口癖なのかと思っていたのだが、それが徐々に広まって今では多くのスポーツ選手の語尾に 「はい」 が付く。

頭の悪いアナウンサーの質問に答えるのが鬱陶しくて早く終わりにしたいのか、最後に 「はい」 を付けることによって 「これで終わり」、「この件で追加質問するな」 的な雰囲気がビシビシ伝わってくる。

たしかに野球のヒーローインタビューを聞いてても、おかしな質問の仕方が多い

「三回裏のチャンスで見事なヒットが出ました」

・・・・・。

「あの場面、2ストライクと追い込まれていました」

・・・・・。

・・・・・。

はあぁ!? でぇ!? それから先はどうしたぁ!? それが質問かぁ!?

最初の質問の場合、
「見事なヒットが出ましたが、チームを勝利に導いたご気分はいかがでしょうか?」
とか、
「あのヒットは狙い球を絞っていたんでしょうか?」
と、何が聞きたいのかをハッキリさせなければ答えようがないではないか。

次の質問だって
「あの場面、2ストライクと追い込まれていましたが、焦りはありませんでしたか?」
とか、選手が答えやすいように質問するのがプロというものだろう。

訳の分からない聞き方をするから選手が答えに困ったり、考え考えしゃべらなくてはならない。

阪神タイガースの下柳投手のようにインタビューを断るか、受けたとしても適当な返事しかしないという思い切った行動がとれるならまだしも、そうもできない人はなんとか面倒なことを早く終わらせたいと思うはずだ。

そこで登場したのが語尾に 「はい」 なのではないか。

何を聞かれても適当に返事をして早く切り上げたい雰囲気を前面に押し出す。

「三回裏のチャンスで見事なヒットが出ました」
「ええ、でましたね。 ありがとうございます。 はい。」 (つぎ、つぎ、次の質問は?)

「あの場面、2ストライクと追い込まれていました」
「ええ、追い込まれていましたね。 はい。」 (終わっていい?まだ聞くか?)

インタビューするのは話すことを職業にしている話しのプロなのだろう。

せっかくヒーロー、ヒロインになったのだから、もっと気分良く受け答えできるように気を使って質問をしたらいかがだろうか。