自分解体新書 - 24 -

自分解体新書 ~目次~

■ まつ毛 その8

もう、このタイトルで雑感を書く時には完全に定番化した感のあるまつ毛だが、今回も御多分にもれず白い毛が生えている。

右目にあるのは知っていたが、数日前に左目の端でキラキラ光るものがあって気になり、『お買い物日記』 担当者に見てもらったところ、案の定というか、やっぱり白い毛が生えていた。

少しすると慣れるのだが、それまでなかったところに生えると妙な違和感、視界に入るきらめきが気になって仕方がない。

今は左右の目尻の近くで生える白い毛が常態化しつつあるので、違和感も何もあったものじゃなくなるかもしれないが。

■ 太腿 その3

先月の散歩で急に激痛が走った右足の太腿だが、その後は何事もなく、そして再発することもなく過ごしている。

そして、それを気にするでもなく忘れていたのだが、数日前に Webで調べ物をしていると血管が痙攣すると激痛が走るという記述を見つけた。

そして今、検索してそのページを探してみても見つからないのだが、皮膚の表面から始まって奥に向かって電流が走るような激痛は、痙攣したと言われると感覚的に納得できるような気がする。

素人が勝手に判断してはいけないのだろうが、ここはひとつ、血管の痙攣だったということで。

■ 指 その4

指先がボロボロになった件で、3月末に病院から処方された薬を実は今も塗り続けている。

もうすっかり良くなり、かゆみも肌荒れも発疹も消え去ったと思ったのだが、ここ数日また調子が悪く、人差し指と中指の先端が固くなって皮がむけてきたのと同時にポコポコと発疹も現れはじめた。

毎日かかさず薬を塗ってきたのにどうして今になって再発したのだろう。

使い続けてきた薬も底をつき、今夜塗ったら終わりだ。

来週、また皮膚科に行ったほうが良いだろうか。

■ 胃 その2

今月の初め、せっかくのゴールデンウイークなのだから料理などすることもあるまいと、約一年ぶりに外食してきた。

外食といっても近所の『びっくりドンキー』に行ってきただけだが・・・。

店に行く前、そろそろ 300gのハンバークを食べきるのは辛いのではないか、年齢的にも食べる量を減らすほうが良いだろうなどと『お買い物日記』 担当者と話し合った。

二人で 150gを注文し、『お買い物日記』 担当者のハンバーグを少しもらう・・・のは、『お買い物日記』 担当者がもの凄く寂しそうな顔をするので却下。

ならば同じ 150gを注文して『お買い物日記』 担当者のライスを小ではなく普通盛りにし、そのライスを分けてもらう・・・。

そうだ、もしかすると今までどおりに自分は 300gを注文するが、ライスを小にすれば良いではないか。

実に素晴らしいアイデアがひらめいたものだと二人で意気揚々と出かけ、店で張り切って注文したが、食べ進むにつれ腹がいっぱいになって苦しくなってきてしまった。

やはり歳には勝てず、もう多くの量は食べられないのだと自覚し、少ししょんぼりしながら帰宅する。

■ 脳 その4

その夜、『お買い物日記』 担当者が一年前に行ったびっくりドンキーでの注文を確認すると、今回とまったく同じオーダーをしているではないか。

あれだけ悩んでオーダーを決めたというのに、去年のことなど 1ピコ秒も思い出さなかった。

食べる量ばかりか、脳の衰えをも自覚せざるを得ないとは。

まあ、それも仕方のない事だろう。

昨日の夜に何を食べたのかを思い出すのでさえ時間がかかるのに、一年前のことなど覚えているはずがなかろうと、今は開き直ったりしているところである。

モバイルWi-Fi

ずっと検討していたモバイル通信のキャリアに関しては、料金の安さと我が家の利用形態にマッチすることから FREETELという会社のサービスを利用することに決定した。

FREETELのサービスにはプランという概念がない。

他社であれば、月に 3GB使うとか、5GB、10GBなどと選ばなければならず、料金を抑えようと低額のプランを選択した場合、大量のデータ通信が必要になった際には、その前月にプランを変更しておかなければならないのに加え、また翌月には低額なプランに戻したりという作業が必要になってしまう。

ところが FREETELは月に 100MBしか使わなければ 299円、使った容量によって徐々に料金が加算されるが最大(10GB以上)でも 2,470円止まりという内容だ。

我家の場合、家の中では室内の Wi-Fiがあるので事実上の使い放題であるし、ほとんど外出しないので普段の使用頻度は極めて低い。

使うのは 『お買い物日記』 担当者が札幌の病院に行くとき、年に数回の帰省のときくらいなものである。

つまり、年に 4-5カ月だけ大量のデータ通信をするが、それ以外の通信量は極めて 0に近い。

今は母親が弱っているので年に何度か帰省するが、こちらの施設に入居できれば故郷に帰る理由も家もなくなってしまうので、その後は 『お買い物日記』 担当者が 4カ月に一度の通院で使うのみとなる。

そうなれば、ますます普段の維持費が低額であればあるほど好ましい。

そして、面倒な手続きなしに使いたいときは思いっきり使い、そういう使い方をしても莫大な費用を請求されたり速度制限されたりしないサービスが望ましくなる。

FREETELは Webページ上で簡単に通常利用と節約モード(低速利用)を切り替えられ、節約モードを選択した場合は 200kbpsという低速ながら、月の容量制限なしに 50GBでも 100GBでも 299円で使い放題にできるのも魅力だ。

今の時代、200kbpsでは画像を多く使った Webページを閲覧すれば表示が遅く、動画サイトなど見ることもできないが、外出先でそんなサイトを見ることはないので我が家では問題ないし、定額回線の走りだった NTTの ISDNなどは 64kbpsだったので、それからくらべると格段に速いので十分である。

さらに、FREETELには 3日間で 1GBとかの使用制限もない。

一般的なキャリアは 1日の使用量を控えさせるため、3日間で 1GBを超えると速度制限がかかってしまい、FREETELの節約モードである 200kbpsより遥かに遅い通信速度になってしまう。

我が家のように、普段は使わないものの帰省の際などには複数のサイトやブログをスマホやタブレットで更新するため、一気に大量のデータ通信が必要になるという使用形態だと、すぐに使い物にならなくなってしまうのである。

事実、今まで利用していたキャリアは制限があるため、実家で作業していると 3日目には遅くて使い物にならなくなった。

それら諸々のことを勘案すれば、FREETELのサービスが我が家の利用形態にピッタリだ。

新規参入の企業で、サービス開始直後こそ混乱もあって通信速度が極端に低下したりしたらしいが、今は経営も設備も安定して通信品質に問題はなくなったらしい。

中継基地は自前の設備ではなく docomoのものを利用しているのでカバーエリアも広く、天災などがあっても復旧が早いと思われる。

ということでキャリアは FREETELに決定した。

docomo、au、SoftBankや Y!mobileなどは通信端末の料金込みの価格だが、FREETELの場合は端末は自分で用意しなければならない。

それでも我が家で購入した NEC製のものは 2万円程度で売られていたので、毎月 3,900円も払っていた通信費が 299円になるということは毎月 3,600円も安くなるということであり、端末の料金など半年もしないうちに元が取れる計算だ。

その NEC製端末は Amazonで注文しておいたのだが、先週の 12日の午前中に、FREETELの SIMと同時に宅配業者が配達してくれた。

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午後からいよいよセットアップである。

NECの端末機に SIMをセットし、端末機の説明書に従って設定し、添付されていた QRコードをスマホやタブレットで読み込めば、あっという間に認識完了。

ところが、ネット接続が完了せず Web閲覧することができない。

FREETELのサイトには SIMが届いたら『利用登録せよ』との記述があったので、それをしなければならないのだろうと Webページから何度も製造番号やら何やら入力したがエラーとなってしまう。

仕方がないのでサポートに電話すると、ネットで注文した場合はすでに登録が完了しているので必要ないとのこと。

設定が終わった端末機の電源を一度切り、再起動してみてほしいとのことだったので、その手順に従うと何の問題もなくスルッとネット接続することができるではないか。

初めて使う機器、初めて利用するキャリアだったので少しスッタモンダしてしまったが、結果的には自分が物事を複雑に解釈していただけであって、実に簡単にセットアップは完了した。

それから何度か外出の際に携帯してみたが、メール送受信、LINE送受信、通信が必要なゲームなど、節約(低速)モードでも何の支障もない。

Webの閲覧も覚悟していたほど遅くはなく、我慢できる範囲だ。

これなら問題ないだろうと、今までのキャリアには今月いっぱいで解約する旨を通知し、今日の午前中に受理したとの返信があったので 4年の長きに渡って高額な通信費を支払っていた業者とも縁を切ることができる。

色々と悩んで選定したキャリアだが、様々な制限やストレスから開放され、維持費も普段は 1/10以下に抑えられることが決定したので、今は実に清々しく、充実した気分である。

記憶 Memory-19

過去の記憶

今はなくなってしまったが、子どものころ家の近所にあった会社は土木関連事業から自動車の整備まで行う複合企業だった。

うず高く積まれた古タイヤ、廃車置場にもなっている敷地内は、子どもにとって恰好の遊び場である。

言うまでもなく外を飛び回って遊んでいた自分も例外ではない。

何十本も綺麗に重ね、高く積まれたタイヤをよじ登り、頂上からタイヤの穴を下りて遊んだりしたものだ。

下まで行っても単に地面があるだけなので何が楽しかったのか今となっては理解できないが、とにかく意味もなくタイヤの穴の中を出たり入ったりしていたのである。

廃車となったトラックや自家用車に乗り込んで運転する真似をしてみたり、ボンネットや屋根に上って飛び跳ねたりもした。

自動車の部品を並べている鉄骨製の大きな棚に登って遊んだり、トラックの荷台で遊んだりと、そこに行けば退屈することなく暗くなるまで遊べたのでる。

そして、冬になれば雪が積もって足元が柔らかいので大型トラックの荷台から前方宙返りやバク宙で飛び降りたりしていたが、今から思えば廃車を扱う会社の敷地内なので、地面に何が落ちているか分かったものではなく、もし鉄骨が縦になったまま雪に埋もれていたら、四角くて分厚い鉄板の角が上を向いて雪の中にあったら、大怪我どころか死に至っていたかもしれないと背筋のあたりがゾワゾワしないでもない。

しかし、無鉄砲で怖いもの知らずの子どもは余計な心配などせず、2メートルも 3メートルもある大きな車の上からニコニコしながら飛び降りていた。

極寒、豪雪地帯ならではのことだが、屋根に厚く積もった雪が凍り、そのままゆっくりと降りている最中にまた雪が積もるということを繰り返し、それが屋根から地面まで繋がって、まるでサーフィンで波の中をくぐれるチューブと似たような状態になることがあるのだが、北国で暮らしたことのない人、極寒&豪雪地帯で暮らしたことのない人に文字で書いて説明しても伝わららないだろう。

なのでイメージに近い写真を貼っておく。
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これは奥行きが 4-5メートル程度だと思われるが自動車整備工場も事務所もある大きな建物だったので、これの4-5倍、つまり 20メートルも 30メートルも続く雪のチューブは子供心に迫るものがあり、否応無しに冒険心に火がついてしまうというものだ。

真っ暗で先の見えない雪のチューブの中を進み、途中で遊んだりしながら反対側から外に出る。

これも、無鉄砲で命知らずの子どもだからこそできる芸当であり、大人となった今では崩れ落ちるのが心配で中に入ることなどできないだろう。

冬は割れる心配もせずに凍る川の上で遊んだり、夏は流される心配もせずに川で泳いだりもしていたが、今から考えると恐ろしいことこの上なく、よく死なずに済んだと思うことばかりである。

話しは廃車置場に戻るが、ある夏の日、一台のブルドーザーが敷地の中心に置かれており、働く車に目がない子どもが何人も集まって運転席に座ったりボンネットによじ登ったりして遊び、運転席の横にあるレバーをガチャガチャ動かしたりもしていた。

レバーの横にあるスイッチを押したりダイヤルを回したりしていると、何かの拍子にブルドーザーが
「ブロロン」
と音を立てた。

それに強い興味を持ったので自動車で言うならアクセルに相当すると思われる足元のペダルを踏み込みながらまた同じような操作をすると、何とエンジンがかかってしまったのである。

それに慌てふためき逃げ出す仲間もいたが、自分は何とかエンジンを止めようと必死になっていた。

回したダイヤルのようなものを反対に回せば止まるのではないかと思ったが、何をどうやっても唸り声のような音を立てたままエンジンは止まってくれない。

そのまま放置してその場から逃げることも考えないではなかったが、純朴な心を持った少年は何とかして解決しようと無い知恵を絞り、仲間の父親がその会社に勤めていることを思い出した。

その仲間を連れて会社の事務所に行き、その父親に事情を話してブルドーザーのエンジンを止めてくれるように頼んだが、父親はニヤニヤと笑いながら工場部門にいるササキという人にお願いしろと言う。

実はこのササキという人、子どもたちから恐れられている人で、それまでにも何度となく叱られて身の縮む思いをしていたのである。

それを知っていて仲間の父親はニヤニヤしていたのだろうが、顔を思い出しただけでも泣きそうになってしまう。

仕方なくガクガクと震える足をひきずりながら工場に行き、そのササキさんに事情を話した。

ただでさえ恐いササキさんの顔がみるみる大魔神のようになり、真っ赤になって頭から湯気が出そうな勢いだ。

と、その時、ササキさんが近くにあった大きな大きなスパナを手に取り、
「このクソガキどもがぁ!」
とブンブン振り回しながら鬼のような形相で追いかけてくるではないか。

大人になった今となっては、二度と子どもたちが危険なことをしないようにという配慮から、ここはこっぴどく叱るべきだと判断しての行為だと理解できるが、その時は本当に殺されると思い、もつれる足を必死で動かして逃げ惑った。

仲間と遠くまで走って逃げ切った後は放心状態となってボーっとしまま動けない。

泣きじゃくっている仲間に申し訳ないという気も沸々と湧いてくる。

そう、何を隠そう、ブルドーザーのエンジンをかけた張本人は自分だったりするのであった。

分散化

長ければ10連休というゴールデンウイークも終わろうとしている。

今年も海外旅行、国内旅行で民族大移動となり、高速道路や空港は大混雑となった。

海外旅行ではイタリア、フランスなど相変わらずヨーロッパが人気なようだが、いつテロ事件が発生してもおかしくない状況において、わざわざターゲットになりやすい地域に出向くというのだから余程のチャレンジャーが多いのだろう。

やはりテロの危険性を認識してなのか、グアム、台湾、シンガポール、ベトナムなど近場を選ぶ人も多かったようだが、もしかすると費用の問題かも知れない。

バブル崩壊直後は『安・近・短』、つまり安くて近くて短い旅行がクローズアップされ、まるでそれがトレンドであるかのようにもてはやされた時期もあった。

今は格差社会と言われるように、あるところに金はあるが、ないところには無いという実にわかりやすい状況で、海外に行ける人もいれば国内旅行にすら行けない人もいるだろう。

  1. お金がないから旅行や行楽に行けない
  2. 旅行や行楽で消費しないから店や企業が儲からない
  3. 儲からないから人件費(給料)を抑制する
  4. 給料が上がらないから自由に使えるお金がない
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という訳で、よく言われる負のスパイラルの完成だ。

もう一つのスパイラルは、

  1. 混雑しているから旅行や行楽は控える
  2. 旅行や行楽での消費額が減少するから店や企業が儲からない
  3. 儲からないから人件費(給料)を抑制する
  4. 給料が上がらないから自由に使えるお金がない

という過程を経てから上記 1~4の繰り返し(スパイラル)に入り込む。

せめて後述のスパイラルを避けようと休暇の分散化が提唱されているが、そんなものは今に始まったことではなく、もう30年も前から言われていることだが、長い時を経ても一向に解決に至らない課題だったりする。

どうも日本人は横並びが好きなようで、いっせーのーで休まなければ働いている人に気兼ねしてしまうところがあったり、自分が休んでいる間に何か重要な事が起こったらどうしようと心配してしまう真面目な国民性だ。

しかし、世の中はそんなに個人を重要視しておらず、一人くらい休んだからといって重要事項が頓挫したり棚上げになったりすることなどなく、自分が働いている時に誰が休みで遊んでいたからといって気に留めることもない。

気にされているとか、重要な処理は自分が・・・などいうのは単なる自惚れに過ぎないだろう。

それでも日本の場合は数%の大企業に残りの零細企業がぶら下がっている構図なので、大企業が働いているのだから下請け会社は休みづらいという微妙な圧力を無視することはできないかもしれない。

大企業が使う原材料や部品を納めている会社が休みだからという理由で納品をストップするわけにはいかないのも事実だ。

つまり、大企業に合わせて下々の者は働いたり休んだりするしかない。

やはり今の日本では休暇分散化など夢のまた夢なのだろうか。