長ければ10連休というゴールデンウイークも終わろうとしている。
今年も海外旅行、国内旅行で民族大移動となり、高速道路や空港は大混雑となった。
海外旅行ではイタリア、フランスなど相変わらずヨーロッパが人気なようだが、いつテロ事件が発生してもおかしくない状況において、わざわざターゲットになりやすい地域に出向くというのだから余程のチャレンジャーが多いのだろう。
やはりテロの危険性を認識してなのか、グアム、台湾、シンガポール、ベトナムなど近場を選ぶ人も多かったようだが、もしかすると費用の問題かも知れない。
バブル崩壊直後は『安・近・短』、つまり安くて近くて短い旅行がクローズアップされ、まるでそれがトレンドであるかのようにもてはやされた時期もあった。
今は格差社会と言われるように、あるところに金はあるが、ないところには無いという実にわかりやすい状況で、海外に行ける人もいれば国内旅行にすら行けない人もいるだろう。
- お金がないから旅行や行楽に行けない
- 旅行や行楽で消費しないから店や企業が儲からない
- 儲からないから人件費(給料)を抑制する
- 給料が上がらないから自由に使えるお金がない
- 1に戻る
という訳で、よく言われる負のスパイラルの完成だ。
もう一つのスパイラルは、
- 混雑しているから旅行や行楽は控える
- 旅行や行楽での消費額が減少するから店や企業が儲からない
- 儲からないから人件費(給料)を抑制する
- 給料が上がらないから自由に使えるお金がない
という過程を経てから上記 1~4の繰り返し(スパイラル)に入り込む。
せめて後述のスパイラルを避けようと休暇の分散化が提唱されているが、そんなものは今に始まったことではなく、もう30年も前から言われていることだが、長い時を経ても一向に解決に至らない課題だったりする。
どうも日本人は横並びが好きなようで、いっせーのーで休まなければ働いている人に気兼ねしてしまうところがあったり、自分が休んでいる間に何か重要な事が起こったらどうしようと心配してしまう真面目な国民性だ。
しかし、世の中はそんなに個人を重要視しておらず、一人くらい休んだからといって重要事項が頓挫したり棚上げになったりすることなどなく、自分が働いている時に誰が休みで遊んでいたからといって気に留めることもない。
気にされているとか、重要な処理は自分が・・・などいうのは単なる自惚れに過ぎないだろう。
それでも日本の場合は数%の大企業に残りの零細企業がぶら下がっている構図なので、大企業が働いているのだから下請け会社は休みづらいという微妙な圧力を無視することはできないかもしれない。
大企業が使う原材料や部品を納めている会社が休みだからという理由で納品をストップするわけにはいかないのも事実だ。
つまり、大企業に合わせて下々の者は働いたり休んだりするしかない。
やはり今の日本では休暇分散化など夢のまた夢なのだろうか。