父権 父権
世のオバチャン達は元気である。ホテルのレストランで 2,000円も 3,000円もするランチを食べ、ヨン様を追いかけて日本国内はもちろん韓国にまで足を運ぶ。 その間も世のお父さん達は満員電車に揺られて通勤し、リストラに怯えながら仕事に励み、500円以下の昼食を時間に追われながら口に押し込み、神経と体力をすり減らしながら頑張っているのだろう。
男尊女卑が良いことだとは思わない。 仕事では男性も女性も平等に評価されて賃金格差もなくすべきだと思っている。 しかし、家庭では父権を保つべきではないだろうか。 明治、大正や昭和初期までのころのように 「妻は夫に仕えつつ〜」 などという時代ではないが、せめて子供の前では良妻賢母である ”演技” だけでもすべきではないだろうか。学校で教師の言うことを聞かない子供、訳の分からない犯罪に走る若者を見ていてつくづくそう思う。
母は子供の前でも平気で父をののしり、小言を言い、小馬鹿にした態度をとる。 最近はとくに子供と友達感覚でいられるのが嬉しいのか、母子そろって父の悪口を言い合う。 子供に満足な躾 (しつけ) もせずに溺愛し、学校に躾まで強要するくせに教師がゲンコツでもしようものなら 「体罰だ」 と言って騒ぎ出す。 そんなことで子供がまともに成長するはずがない。
昔であれば母が子を叱っても言うことをきかない時は、「お父さんに言うよ」 という一言は効果があったが、普段から子の前で父を馬鹿にしていれば何の効果も期待できない。 父の威厳がなくなり、子供まで馬鹿にしているから教育や躾などできるはずがない。 親 (PTA) の発言力が強まるにつれて教師の威厳も崩壊しつつあるのだから、集団生活や社会を学ぶこともできない。
社会が悪い、学校教育が悪いと文句を言う前に最低限の躾くらいは家庭ですべきだろうし、父は、そして先生は恐いという意識を植え込まなければいけないだろう。 あまやかして育て、父を軽んじ、教師の威厳まで奪ったのであれば誰が子供を躾て教育するのだろう。 家庭でも親の言うことを聞かず、学校でも教師の言うことを聞かない子供の将来はどうなってしまうのか。
家庭で暴力をふるったり教師に暴行を加えたりする子は親や先生が恐いものなどと思っていない。 そのように躾られたり教育されたりしていないのだと思う。 子供は人間として未成熟なものであり、完成していないものだということを強く認識すべきである。 従って、怪我をしない程度であれば多少の鉄拳制裁があっても、それを ”暴力” などという言葉で括らず、教育だと受け止めた方がよろしい。
まともに子供を教育したければ、子の前で父を愚弄するようなことを止め、父は偉く、そして恐いものだということを幼いうちに潜在意識に刷り込んでおいた方が良いと思う。 そうしておけば父が実際に叱らなくても 「お父さんに言うよ」 という呪文が効果を発揮するだろう。
そして、間違っても親を殺したり、訳の分からない犯罪に走る子供をこれ以上は育てないでいただきたいし、自分のことを棚に上げて学校や社会を批判することをやめていただきたいものである。
2004 / 12 / 18 (土) ¦ 固定リンク