毎朝の散歩をしていると、いつも決まった人とすれ違ったりする。 始めて 9カ月にもなると顔なじみの人も増えて 「おはようございます」 と挨拶する回数も多くなってきた。 このまま顔なじみが増え続けると散歩中の 30分間、ずっと頭を下げて歩くことになるのではと少し不安に思ったりもしている。
それとは逆に、会わなくなってしまった人もいる。 それが高齢の方だと体を悪くしたのではないかと心配になったりもするが、元々がどこの誰か分からないので元気に暮らしているのか確かめようもない。
以前の雑感に書いた、犬の飼主としてのマナーが悪い女性には何カ月も会っていないし、同じ雑感に書いた少し足を不自由そうにして歩いていたお年よりも見かけなくなってしまった。
雑感にも 『
管理人の独り言』 にも書いたことがないと思うが、歩道の端にある柵に体をスリスリさせながら歩くのが好きだった高齢の犬と、その飼主である高齢な男性の姿もみかけなくなってしまった。双方とも高齢だったので、毎朝の散歩をする体力がなくなってしまったのかもしれない。
飼主と飼い犬はとても自然な関係で、何人もの人と何匹もの犬がいる公園などで犬が勝手に遊んでいたとしても誰が飼主なのかすぐに判断できるものである。 それと似たようなもので、人間の夫婦もそれがどんなに若くて新婚さんであっても、恋人同士ではなく夫婦なんだということは雰囲気で察知することができる。 不思議なもので、夫婦というオーラのようなものを発しているようである。
いつも犬の散歩の途中で、公園のベンチに座って休憩をしながら話をしている 30代半ばから 40代前半の男性と女性がいるのだが、その二人からは夫婦のオーラが出ていない。 毎朝一緒だし、仲良く話をしているのだが、どうも関係が自然ではないのである。
そしてもう一組、50代半ばから 60代前半と思わしき男女も毎朝一緒に散歩をしているのだが、こちらの熟年カップルも夫婦のオーラを発していない。 ニコニコ笑いながら話をして歩いてはいるが、どうも雰囲気が不自然と言うか、しっくりと馴染んではいない感じなのである。
俗に言われる老いらくの恋とでも表現すれば良いのだろうか。 お互いに必死になって話題をみつけて一生懸命に会話を盛り上げようとしているのがヒシヒシと伝わってくる。 せっかく訪れた遅い春を逃してなるものかという悲壮感すら伝わってくる。
この中年カップルと熟年カップルがこの先どうなっていくのか。 ぎこちない雰囲気や悲壮感がなくなり、自然な関係にまで発展することができるのか。 今後も静かに見守っていきたいと思ったりしている今日この頃だったりするのである。