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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

二つの財布 二つの財布

  子供の頃は欲しい物を買うのに誰もが苦労したはずだ。 自分の場合は過去の雑感に何度も書いている通り、あまり物欲というものがなかったらしく、何かを買って欲しいと親にねだったことは皆無に近いらしい。 百貨店や大型スーパーのお菓子売場や玩具売場で床に転がって泣きわめいている子供をたまに見かけるが、そういう行動をしなかったことだけが唯一親から誉められたことだ。

  その他の面では散々迷惑をかけたので、そんな点だけだけでも楽をさせたのは僅かながらの親孝行ということか。 欲しい物がなかった訳ではない。 仮面ライダーやウルトラマンに関連する玩具が欲しくてたまらなかった時期もある。 しかし、それらのもので遊ぶのかと問われれば、朝早くに家を出て日が沈むまで帰宅せず、外で遊んでばかりいた野生児には必要なさそうだ。

  それをなんとなく理解しているので泣いたり叫んだりしてまで欲しいと主張しなかったのだろう。 本当に欲しい物だけを年に数回しか 「買って」 と言わなかったので、逆に却下されることも少なかったように思う。 結果、何でもかんでも手に入れられる訳ではないが、どうしても欲しい物は文句も言われずに入手できるという、まことに円滑な親子関係が成立していた。

  同級生の中には欲しい物を手に入れるため、あれやこれやと作戦を練っている子もいた。 冬休みのクリスマスに希望するものを手に入れようと、必死になって二学期の成績を上げようとする者、毎月のお小遣いをコツコツと貯め込む者、必死になって家事の手伝いをするものなど様々だ。 中学や高校生になると新聞配達やら何やらのアルバイトに精を出してバイト料を貯蓄し、ギターやオートバイを購入する者もいた。

  現代のように甘やかされ、親からチヤホヤされる環境になかった当時の子供たちは、それぞれに努力して欲しい物を手に入れていた訳である。 親と祖父母、二つの財布を持つと言われる現在の子供は身の回に欲しいと思ったものがゴロゴロと溢れ、何の不満もなく過ごしてるのだろうか。 それとも一般的には我慢することを躾 (しつけ) られている子の方が多いのだろうか。

  何でも欲しい物が手に入るという状況は、将来に良い影響を及ぼさないような気がしてならない。 やはり少しは我慢するとか、計画的にお金を使って自分の欲しい物は自分で買うとかを教えるべきではないかと思う。 それでなければ、ある年齢に達したときに自分の要求どおりにならなかった場合の対処法が身につかないのではないだろうか。

  子供に二つの財布があり、消費に回されている現状が、今の景気を下支えしている側面も少なくないだろうが、将来を考えると子供に贅沢をさせ、何でも買い与えるのは控えておいた方が良いように思う。 将来、自制が効かず、欲求が爆発してしまう大人を蔓延させないためにも、今は我慢という二文字を教えておくべきだろう。

  そうでなければ我慢を知らず、欲求を満たすために突飛な行動にでる若者が増殖するに違いない。 すでに、その兆候は現れているのだから。

2006 / 09 / 23 (土) ¦ 固定リンク


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