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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

デジタルの鉄則 デジタルの鉄則

  世間を騒がせているシンドラー社のエレベータだが、反面教師として見るととても役に立つことが多い。 重大な欠陥が発生した場合、何をおいても飛んでいって平謝りに謝るべきだったが、6/9 の独り言にも書いたように、文化の違いがあるので日本の社員も勝手に謝ることができなかったのだろう。 ただし、最初にマスコミの前に登場したシンドラー社のオッサンは態度が悪すぎた。

  現在マスコミの前に姿を現している担当者は、無機質に感情を込めずに話す人なので心象に良いも悪いもないが、あの態度が横柄なオッサンはどこに行ってしまったのだろう。 自分が攻撃されるのが嫌で今の担当者を世間の目に触れさせているのであれば、つくづく呆れた奴である。

  今回の事故は制御プログラムにミスがあったことが主たる原因とされており、ドアが閉まって 0.25秒以内に 『開ける』 ボタンを押すとドアが開いたままエレベータが動作してしまうという。 動作検証してみることを業界では debug (デバグ) と言い、それはそれは神経の使う作業だ。 あらゆる可能性を想定して問題が起きないか調べなくてはならない。

  想定外の操作などを検証しきれずに世に出てしまい、後になって問題が発覚するのはデジタル機器やソフトウェアでは良くある話だ。 そんな場合は製品を回収するか、無償交換をしたり、修正プログラムを配布するなりして迅速な対応が求められる。 電子部品のカタマリと化している車や、今回のエレベータも例外ではないはずだ。

  それらは人命に影響する場合もあるので余計に神経質にならなくてはならないだろう。 その点においてシンドラー社の対応に問題が多かったのも事実である。 第一に、ドアが閉まってから短時間の間に 『開ける』 ボタンを押すことなど容易に想定できる。

  ドアが閉まりかけたときに人が来たので開けてあげようとすることなど日常茶飯事で、気を利かせたけど間に合わずにドアが閉まってしまったことなど多くの人が経験しているだろう。 シンドラー社製のエレベータでそういう場面に遭遇した場合、ドアが開いたままエレベータが動き出すという事態になってしまう訳だ。 動作検証で容易に想定される操作のチェックが抜けていたのは問題だ。

  自分も身を置いているデジタル業界には鉄則がある。『やってはいけないことは、できてはいけない』 のである。 つまり、特定の操作をすると不具合が発生する場合、「そんな操作はしないでください」 というのは通じない。 そういう操作自体をできなくするか、操作したとしても問題が起こらないようにしなければならないのである。

  次に、それらの不具合が確認された後にも修正前の状態で出荷するというズボラな管理体制が問題だ。 どこをどうやったら、そこまで単純なミスが発生するのか逆に聞きたいくらいだ。 そして、やはり初動のミスである、最初の会見が悪かった。 文化として最初に謝らないまでも、問題が起こるはずがないとか、あたかもメンテナンス会社が悪いような言い方をすべきではなかった。

  今は客観的、冷静に事態の推移を見ているので偉そうなことを考えたり書いたりできているが、これを反面教師として、自分の仕事で重大な問題が発生したときに役立てるよう心がけなければならい。 そして、その場合は迅速かつ誠意を持って事に当たらなければならないと肝に銘じたりしている。

  『みんなで うさぎ小屋』 のゲームに不具合があるのを知りつつも、なかなか修正しないでいる自分を戒めながら・・・。

2006 / 06 / 17 (土) ¦ 固定リンク


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