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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

甲子園への道 甲子園への道

  2006年5月2日。 その日は自分にとっても 『お買物日記』 担当者にとっても深く記憶に刻まれる一日となった。 甲子園球場で開催されるプロ野球ペナントレース 『阪神 vs. 巨人』 戦のチケットを仕事仲間から譲り受け、二人で出かけることになったのである。

  そのチケットを譲るという E-mail を受信したのは 3/23 の 14:10。 対戦カードは伝統の阪神、巨人戦。 さらに今季は甲子園での初顔合せとなる試合だ。 球場の盛り上がり方も尋常ではないことは容易に想像できる。 そんな場所にバリバリのファンでもない自分たちが紛れ込むことが許されるのかという一抹の不安が頭をよぎる。

  本当か嘘か分からないが、『六甲おろし』 も歌えない者が球場で応援などしてはいけないという話を聞いたことがあるし、まして仕事仲間が保有する席は年間指定席であるため、周りの人たちは筋金入りの阪神ファンだと予想される。 そんな席に 『六甲おろし』 の一番すら満足に歌えない二人が座っていると、周りから白い目で見られるのではないだろうか。

  その辺のところを仕事仲間に確認すると、以前はそんな雰囲気もあったが現在はそんなことはないし、指定席がバックスクリーンよりレフト(左)側なのでライトスタンドより落ち着いた雰囲気だと言う。 ただし、近くに巨人応援団がいるので試合の流れによっては乱闘が始まる危険性をはらんでいるということだった。

  多少の危険はあるものの、大阪に住んでいる間に一度は甲子園球場で試合を観たいと思っていたので、ありがたくチケットを譲ってもらうことにした。 その日から試合当日までの一カ月強の間、『お買物日記』 担当者の緊張は日を追うごとに高まっていくようだった。 三日ほど前にはそわそわし始めて落ち着きがなくなった。

  そして、いよいよ試合当日。 朝から二人とも忙しい。 帰宅が深夜になるのが分かっているので夜の分も含めてページの更新作業、『お買物日記』 担当者は翌朝分のチラシデータまで入力し、自分は携帯電話からも更新が可能な臨時のページを開設する。 そして、球場の周りも見学したかったので試合開始まで 5時間も前の 13:00過ぎに家を出た。

  途中、食事をせずにいたので大好物のモスバーガーに立ち寄って遅い昼食にするが、ハンバーガーの径がひとまわりほど小さくなっていることに気付く。 原材料の高騰が続くが、商品単価に転嫁できないため使用量を減らしているのだろう。 なんだか少しテンションが下がってしまったが、阪神百貨店に寄って応援グッズを購入すると、再び気分が盛り上がってきた。

  球場に到着し、周りをウロウロしたりタイガース記念館を見学したりした後に球場の中へ。 平日ということもあって観客の出足も遅く、まだ半分くらいの入りだ。 それでも試合開始が近づくにつれて、どんどん人で一杯になってくる。 我々の前の席にもバリバリの阪神ファンがやってきて、上着を脱いで好きな選手のユニフォームに着替え始めた。

  ところがその日は思いのほか寒く、みんな腕をさすったりして耐えているようだったが、我慢しきれずに上着を着始めた。 せっかくユニフォームを着たのに上着を着たのでは意味がないと思うのだが、彼らにとっては応援する際の正装なのだろう。

  試合の経過は割愛するが、少し冗長気味に進んだ試合は 4対4 のまま最終回へ。 阪神の攻撃も 2アウトとなり、誰もが延長戦を覚悟したその時に代打関本がバックスクリーン横にサヨナラ本塁打を放ち劇的な幕切れとなる。 チケットを譲ってくれた仕事仲間は子供の頃から 30年以上も試合を観ているが、その彼でさえ数度しか見ることができていないサヨナラ本塁打を甲子園デビューだった 『お買物日記』 担当者が見られたのは本当に運が良い。

  そして、その打球がスタンドに飛び込んだ瞬間、阪神ファンの発する声でスタンドが揺れた。 応援席ではファンが狂喜乱舞し、知らない人ともハイタッチや握手をしている。 自分もいろんな人とハイタッチしていたが、どこの誰なのかさっぱり分からない。

  ヒーローインタビューが始まり、関本選手の一言一言に大きな歓声が湧く。 そして流れる 『六甲おろし』。 自分は歌えないのでモゴモゴと適当に口を動かし、知っている部分だけ張り切って歌ってごまかしておいた。 その後は選手ごとの応援歌をメドレーで歌い、締めはやっぱり 『六甲おろし』。 まだまだ名残惜しそうなファンを警備員が追い出すように出口に誘導する。

  球場の外に出ると巨人のマスコットであるジャビットをヒモでしばってズリズリと引きずりながら歩く阪神ファン。 そのジャビットを足で蹴ったり踏んだりしながら進む阪神ファンなどでごった返している。 3号神戸線のガード下で余韻を楽しむ阪神ファンが各選手の応援歌を歌って大いに盛り上がっている。 立ち止まって聞いていると、現役選手のは歌いきってしまったため、今は他球団に移っている坪井選手だの新庄選手、現役を追えた広沢選手の歌まで始まった。

  そして、掛布、バース、真弓などと古い OB になり、しまいには村山だの吉田だのという歴史になりかけている人の歌まで始まったので帰路を急ぐことにした。 彼らはどこまで歴史を辿り、何時まであそこで騒いでいたのだろう。 帰宅は 0時近くになってしまい、心身ともに疲れ果てはしたが心地の良い疲れであった。 そして、この 5月2日という日は生涯忘れることのない一日となることだろう。

2006 / 05 / 06 (土) ¦ 固定リンク


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