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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

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  今週はライブドア問題に明け暮れた一週間だった。 過去の独り言に書いたように以前からライブドアに対して良い印象を持っていなかったが、まだ不正行為があったと確定していないのに ”悪者” と決めつけた報道はいかがなものか。『時代の寵児』 と持ち上げておきながら、手のひらを返したような姿勢を目のあたりにすると腹立たしいのを超えて寂しささえ覚えてしまう。

  ニッポン放送株の買収さわぎがあった頃、仕事仲間と酒を飲んでいて話したのは、やはり武士道に反する行為は好ましくないということだった。 仕事仲間はライブドアは乗っ取り屋か投資ファンドと呼ぶのがふさわしく、IT 企業と呼んでほしくないと怒っていた。 自分達も IT 産業に身を置くものとして、ひとくくりに扱ってほしくはないと言う思いである。

  ホリエモンこと堀江氏は口癖のように 「株主価値を高め・・・」 と言っていたが、今回の騒ぎでの株価下落は目を覆いたくなるほどである。 しかし、冷静に分析すれば株が下がったのは今回ばかりではなく、大胆な株式分割をした後、企業買収をした後など、株主価値向上のためという名目で行動を起こした後には必ず下げているので、言っていることと裏腹に本当に株主のことを考えた行動とは思えない。

  結果的に何が目的だったのかと言えば 『時価総額一兆円』 ということだけで、本当に株主の方を向いていたわけではなさそうだ。 以前から実体のないライブドアの経営に警鐘を鳴らしていた評論家は少なくなかったが、東京地検の強制捜査にまで及ぶとは予想していなかっただろう。

  同じく株主価値を連呼する人と言えば通称 『村上ファンド』 の村上氏であるが、彼の場合は株の売買で利益を出すことを使命としているので、もの言う株主であってもかまわないが、彼の提案が本当に株主価値、企業価値を高めるものであるのかは疑わしい。 提案を実行すれば一時的に株価は上がるだろうが、それを実行したことによって 20年後、30年後にどうなっているのか分からない。

  彼のように株を取得して 「ギャーギャー」 と文句を言い、株価が上がったところで売ってしまうのが目的なら一時的な株価上昇だけで事足りるだろう。 しかし、そんな株主だけではなく、何十年も株を保有している人、これから何十年も株を持ち続ける人だっている。 そういう人たちは今日、明日の株価よりも、毎年きちんと利益を出してお金が配当されることを望んでいる。

  バブル崩壊以降、株の持合が解消されたのをきっかけに日本の市場はやっと活発になってきたばかりで、まだまだ成熟していないのが現状だ。 派手な買収劇を繰り広げる人や村上ファンドみないたのが登場するのも当然ではあるが、株主至上主義が正しいとは思えない。

  トヨタやキヤノンは 「会社は誰のものか?」 という問いに 「顧客、社員、株主のもの」 と答える。 株主の優先順位は三番目である。 自分の中に確固たる回答を持ってはないが、その答えは正しいように思えるし、そうであってほしいとも思う。

  回答は持たずとも信念くらいはある。 会社は株主 ”だけ” のものではない。 したがって、いくら大株主であろうと決議権を持つほどの株を所有していようとも、会社は株主の方を見るのではなく、顧客を見て商品やサービスを提供し、結果的に株主の利益になることを目的にしていただきたいと思う。

  上場企業の株など一株たりとも持っていないので、偉そうなことは言えないのだが・・・。

2006 / 01 / 21 (土) ¦ 固定リンク


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