大阪府摂津市JR千里丘駅周辺密着情報!!

雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

類似 II 類似 II

  テレビ業界は新番組の時期を迎え、今は各局ともスペシャル番組だらけである。 それにしても今は 『なぞなぞ』 と言ったら良いのか、『とんち』 と言ったら良いのか、その手の頭の体操的な内容か、誰もが分かる常識クイズ的な内容ばかりだ。

  『なぞなぞ的』 な番組には自分もカチカチの頭になっているので喜んで参加していたが、こうも同じような番組ばかりだと飽きてしまう。 常識クイズ的な番組も最初は芸能人の無能ぶりを見て大笑いしていたが、どのチャンネルでも同じような内容ばかりなので飽きてしまう。 どうしてヒット番組が生まれると良く言えば追随、悪く言えば安易なパクリで番組を作ってしまうのだろう。

  報道系番組がヒットすれば各局とも追随、モノマネ番組がヒットすれば追随、プロ野球の珍プレー好プレーがヒットすれば追随、大食い・早食いで追随、NG集で追随、占いで追随と、数え上げればきりがない。 他局のマネをして安易な番組作りをしているくせに視聴率の低下を嘆き、インターネットの普及を敵視する。 いわく、「パソコンに向っている時間がテレビから視聴者を奪っている」 という論調だ。

  自助努力を怠っておきながら、随分と勝手な言い草である。 「ネットの普及とファイル交換の悪影響で CD の販売が落ち込んだ」 などとバカな論法で吠えていたレコード業界と大差はない。 ラップやヒップホップ系の曲が流行ると雨後の筍のように同じようなアーティストを引っ張り出してきて同じような CD を発売し、ブラック系の曲が流行ればそればかり。 どれを聴いても同じだったら誰が CD を買うか!

  テレビゲームも同様で、あるジャンルのゲームにヒット作が出れば、それ以降に発売されるゲームは同じようなものばかり。 ゲーム販売の不振を少子化が原因としているメーカーばかりだが、単にそれだけではあるまい。 ゲームをするのは子供ばかりでなく、高校生や大学生、社会人、自分のようなオッサンでさえゲームをするのだからゲーム人口の減少は少子化と単純にリンクしないはずである。

  少子化の影響をモロに受けるベビー用品業界は確かに大変そうだ。『紙おむつ』 のメーカーがペット用品を発売したり、離乳食メーカーがペットフードを発売したりするのは当然の流れかもしれない。 なにせ出生数が 120万人に対してペット数は 200万匹以上とも言われているので市場規模はペット業界の方がはるかに大きく、出生数が減少の一途を辿っているのに対し、ペット所有率は年々増加している。

  米国世帯の 55%が犬か猫を飼っているのに対して日本のペット所有率は 30%を超えたところであるから、単純計算で 350万匹程度まで増加すると予想されているし、高齢化社会が進むとペット所有率が増えるという報告もあることから、ペット関連はまだまだ成長産業というわけだ。

  それでも各メーカーが競ってペット業界に参入し、参入を急ぐあまりに他社と同じような商品を投入するのであれば、目新しさや特長を打ち出すことができずに価格だけの勝負になってしまい、結局は体力の奪い合いになるだけのような気がする。 確かに画期的な商品を開発するということは並大抵のことではないというのは重々承知しているが、類似品ばかり作っていても無益な戦いにしかならないと思う。

  世の中には物が溢れ、かつてのテレビや電子レンジのように発明に近いような新商品は生まれにくくなっている。 我々消費者も自分にとって必要なものしか買わなくなっている。 流行に踊らされることはなく、自分の好きな音楽しか聴かなくなってきている。 自分好みで共感できるテレビしか観ることがなくなっている。 こんな時代に大衆を相手にするのは大変なことだろう。

  『個の時代』 と言われる現代では、少しでも流行の兆しがみえると短期間に類似品を作ってブームに乗っかるのが一番確実な方法かもしれない。 ただし、それでは先駆者が可哀想だし、先行投資がなされない傾向が強まってしまう危険性をはらんでいる。

  そして文化、文明が足踏みを始め、時代が先に進まなくなっていくような気がする。

2005 / 10 / 22 (土) ¦ 固定リンク


Powerd by Bloq