視聴率が低迷し、ナイター中継を取り止めて通常の番組を放送するテレビ局が増えている。 確かにゴールデンタイムで一桁の視聴率しか見込めないのであれば放送するのに値しないだろう。 プロ野球の将来を考えると由々しき事態ではあるが、アマとプロの垣根を高くし、セ・リーグとパ・リーグの垣根も高くして、つまらないドラフト制度を導入してきたプロ野球関係者の自業自得である。
今年になって慌ててセ・パ交流戦を始めたり、ファンサービスの徹底を標榜しても、今まで人気の上にあぐらをかいていたがために実践や徹底が難しいようだ。
以前の雑感にも書いたが、以前からファンを大切にしているロッテはパ・リーグでありながらも観客動員数も多く、熱狂的ファンの応援に支えられて今季は成績も良くなっているので、見習うべきところは見習うべきであろう。
人気がどん底まで下がったプロ野球は、改革に着手する大きなチャンスでもあるのではないか。 テレビの放映権料や観客動員数でジャイアンツ人気に便乗していた各球団だが、それに頼れなくなった以上は自助努力せざるを得ない。 ストライキ問題以降、ファンサービスに力を入れている球団も多いようだが、まだまだ努力できる点はあるだろう。
そして、ジャイアンツ人気に依存していたがために制度を見直す際にもジャイアンツの発言権が強く、決定権に近い権力を与えてきたが、今後は気を使う必要などないのだから本当にプロ野球が発展できる制度改革も可能になろう。 ここは利害関係を超越した議論を徹底し、真の改革とは何かをジャッジ(審判) する必要がある。 そのためにもコミッショナー権限も大きくすべきであろう。
ジャッジと言えば、時代が時代なのだから微妙な判定の場合はビデオによる確認などを取り入れるべきではないだろうか。 国技である相撲でさえ微妙な行司判定はビデオで確認するくらいなのだから、アンパイアも変なプライドを捨てて確かなものを導入すべきである。 そうすれば選手や監督との揉め事もなくなり、試合も円滑に進むはずである。
今年のセ・リーグは阪神タイガースの優勝で 100%間違いなさそうだが、間隔が短いので前回ほどの盛り上がりはない。 優勝による経済効果も半減して 1,500億円程度と予想されている。 しかし、20年に一度の 3,000億円より 2年に一度の 1,500億円の方が長期的に見れば効果は大きいという事になる。
道頓堀ダイブを阻止しようと 3メートルの壁を築いたり、大阪府警が厳戒態勢に入るなど、訳の分からない税金も使われたりしているが、壁を作ったり設置したりする業者もいる訳なので、これは一種の公共工事である。 いらない道路を作ったり、不必要な経費を請求する公務員に税金を使うよりは 「市民の安全を守る」 という名目で税金を投入する方が多少は分かりやすい。
そんな事をせずとも道頓堀のような汚い川に飛び込まない良識を持つことが重要ではあったりするのだが・・・。 いずれにせよ、阪神タイガース優勝のカウントダウンは始まった。 少し景気が持ち直していることでもあるし、1,500億円と言わずに 3,000億円でも 5,000億円でも経済効果をもたらして、大阪の街を元気にしていただきたいものである。