小心者 小心者
阪神タイガースが好調を維持しており、今日(7/16)現在で貯金 16、2位の中日に 7.5ゲームの差をつけて首位を独走している。 例年であれば、ペナントレースを楽しめるのはゴールデンウィークまでで、以降は消化試合のようになってしまうのに今年はずいぶん楽しませてくれる。
故障者も少なく、これだけチーム状態が良いのであれば、阪神ファンが 「優勝だ!優勝だ!」 と騒ぎそうなものだが、なぜか今年は大人しい。 一昨年前の 2003年に優勝し、次に優勝するのは 10年後か 20年後かと覚悟を決めていたのに、こんなに早く優勝の可能性がでるとは思わなかったのかもしれない。 しかし、余程の不運がない限り、今年は阪神の優勝できまりだろう。
野球中継を見ていて試合の節目に代打が出たり、中継ぎや押さえのピッチャーが登場し、その選手が活躍できないとブツブツと文句を言ってしまうが、実はそういう選手のことを尊敬したりしている。 ああいう場面で登場し、平常心を保ってプレーすることなど自分にはできるはずがないからである。
性格的に我がまま点は否めないが、きっとチームプレーには向いていないと思う。 子供の頃から野球、サッカーなどの団体競技にはあまり参加せず、走ったり跳んだりする個人競技の方が好きだった。それでも、文章的にこう書いているだけで、本格的なスポーツに取り組んだことなどないのではあるが。
野球の試合で代打を告げられる時というのは塁上にランナーがおり、ヒットを打てば点数が入る場合が主である。 従って、代打には監督からも選手からも高い期待が込められる。 ましてやそれが最終回で、逆転サヨナラか、最悪でも同点延長などという場面だったら、受けるプレッシャーは並大抵のものではないはずだ。 チームの勝敗がバット一振りにかかっているのである。
そんな場面で打席に立つことなど自分にはできそうにない。 「よ〜し!やってやるぞ〜!」 という気分になる前に、「打てなかったらチームに迷惑がかかってしまう」 という気持ちの方が大きくなってしまうに違いない。 「もし打てなかったら・・・」 「見逃しの三振などしようものなら・・・」 と不安は広がり、体がガチガチになって打てるものも打てなくなってしまうだろう。
そんな状況でありながら悠然と打席に向かい、堂々とバットを構えることができる人は偉大だ。 いつも代打策が成功するわけではなく、凡打してしまったり三振してしまうことだって多い。 それを見ていて 「アホが!」 とか 「何やってんだか」 などとテレビに向って罵倒したりしているが、心の中では 「すごいな〜」 と感心することしきりなのである。
それと同じ事がピッチャーにも言え、大ピンチになったときに限って交代を告げられる人がいる。 代打の時と同じように後ろ向きな心理状態になってしまうものと予想されるため、自分には到底できる仕事ではない。 従って、心の底では尊敬しているのだが、そのピッチャーが打たれたりするとテレビに向って毒づいている自分がそこにいる。
きっと、そんなことではいけないのだろうが、これからも心の底では選手たちを尊敬しつつもテレビに向って 「アホ〜」 と言ったりしながら野球観戦を続ける小心者なのであろう。
2005 / 07 / 16 (土) ¦ 固定リンク