先週の続きになるが、やはりネットは便利である。疑問に思うことを簡単に調べることができるので、つい先日も 「
節分の恵方(えほう)とは何ぞや」 や 「
スズメの生態はいかに」 という疑問が次々に解決した。 漢字変換を使うことによって漢字を書けない人が増えると危惧されているが、やはり PC とネットは生活から切り離せなくなっている。
ある日、うどんを食べながら思った。 (日本人はいつから食べているのだろう?) 時代劇などを見ても、落語を聞いても ”うどん” が登場しているので古くから食しているという予想はつくが、いったいどれくらい昔から食べられているのか気になったので早々にネットで調べてみると、奈良・平安の時代には中国から伝えられて貴族的な社会にはすでに広がっていたらしいが、他の多くの食品と同様に庶民の食生活に取り入れられたのは室町時代頃からなのだそうだ。
古典落語で 『熊さん』 や 『八っつぁん』 がうどんを食べていても、江戸を舞台にした時代劇で食べていても不自然ではないわけだ。 小麦粉を練って練って寝かせて発酵させ、麺にするところまでいきながら、それに少し手を加えて焼き、パンのようにするところまでいかなかったのはどうしてだろう。 これも様々な単語を組み合わせてネットで検索してみたが、残念ながら答えはみつからなかった。
同じ小麦粉を使うのであれば、和食の代表のように言われている天ぷらも同じ時期に普及したのかと思って調べてみたら、今から 200余年程前に江戸で誕生した料理とあった。 小麦粉を使う文化はあっても、天ぷらを揚げるのには油が必要で、その油が普及したのが江戸時代の初めなのだそうだ。
天ぷらが現代と同じ作り方なのであれば、卵も使用するはずで、卵と小麦粉がありながらパンの文化が生まれなかったのが益々不思議に思えてしまうが、よく考えてみると昔の料理でパンに合うものがなかったからかもしれない。 先週の雑感で書いたように牛乳が普及するのが明治になってからだし、当然、バターなどがあるはずもない。 そう考えるとパンをあみだす必要がなかったのだろう。
とある日、建築現場で働いている人の姿を見て疑問に思った。(ニッカポッカの裾はどうして広いのだろう?) ニッカポッカと言えば、現場で働く人の多くが着用している裾がブカブカなのに足首でキュッと締めているズボンのようなものだが、どうして裾がブカブカになっているのか分からない。
鳶職 (とびしょく) など、目もくらむ高所で働く人も着用しているが、高所になれば風も強く、空気抵抗の大きいニッカポッカは危険なような気がする。 それでも着用するからには、万が一落下したときには裾を広げてムササビのように安全な場所まで滑空できるとか、大きな空気抵抗を利用してパラシュートの役目を果たすとか、何か合理的な理由があるはずだ。
それでネットで調べてみたところ、語源はニッカーボッカーズ (knicker bockers) であり、もともとはオランダの男子子供服のスタイルだったのだそうだ。 発声する際になんとなく言いやすく音が良かったからか、ニッカボッカーズからニッカポッカに日本にきて変わっていったらしい。 150年くらい前に自転車が発明され、それが流行した時に、ペダルをこぐ際に裾が絡まらないズボンとして使われ始め、自転車の利用者の広がりとともに「自転車着」としてニッカーボッカーズも広まっていった。
日本では、軍服が職人の間で使われるようになったという説や、乗馬や登山、ゴルフ用のニッカーボッカーズとして日本に入ってきて普及したという説などがあるらしいが、はっきりしたことは分かっていないようだ。 いずれにしても機能的で丈夫だったことから、作業着として使われるようになったということだが、あんなにブカブカの裾だと細い鉄骨を歩くときに足元が見えないだろうから、やはり危険なような気がするのは自分だけなのだろうか。
インターネットには情報があふれており、知りたい情報を容易に入手できるのは事実だが、疑問の 100%を解決するのは難しいようだ。