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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

解決に向けて 解決に向けて

  今週、拉致被害者である曽我さん一家が全員そろって佐渡の地を踏むことができた。 曽我さんとその家族は 2002年10月15日、24年ぶりに帰国した 5人の中で最も複雑な事情を抱えていたため、他の人たちより安住の地に落ち着くのが遅れてしまったが、年を越す前に解決して本当に良かったと思う。

  曽我さんご本人のコメントにもあったように、家族に会いたい一心で北に帰ってしまおうと思ったこともあっただろうが、家族の再会を信じて不安に耐えながら待ち続けただけに喜びも一入だろう。 いろいろな困難もあったが、結果的に希望どおりに家族と再会して日本で暮らせるようになったのだから、これからは家族仲良く過ごしていただきたいものである。

  日本政府や外務省の対応が遅いとか、北に対しておよび腰であるとかの批判は、拉致被害者家族からも国民からも挙がっているが、自分は良くやったと思っている。 北はジェンキンス氏を出国させたくなかっただろうし、逆に曽我さんを連れ戻すつもりもあっただろう。 ややこしい国を相手に交渉を続け、出国させるまでには大変な努力が必要だったと思う。

  ジェンキンス氏がアメリカ軍に対して犯した罪が、どう裁かれるかについても日本政府は交渉してくれたのであろう。 司法取引があったにせよ 30日間の拘留で落着したのはアメリカの日本に対する最大限の配慮だったのではないだろうか。

  被害者家族や曽我さんが願っていたことを実現した政府や外務省の功績は大きいと思う。 確かに拉致問題を何十年も放っておいた責任は問われなければならないが、今回の件に関しては十分な働きをしてくれたと評価して良いのではないだろうか。 「家族に会いたい」 「日本で一緒に暮らしたい」 「夫の罪は問わないで欲しい」 と口で言うのは簡単だ。

  被害者支援という観点からは願いをかなえるように努力するのは当然だが、それが政府の責任ではなかったはずだ。 第一にジェンキンス氏は日本国民ではない。 第二に彼は拉致されたのではなく、自ら進んで北に亡命した人である。 拉致されたのではない以上、救出には当たらない。 そして、犯した罪を軽減してあげられるかどうかはアメリカの判断であり、日本は判断する立場にない。

  そういう状況でありながらも北やアメリカと交渉を続け、家族会や曽我さんの希望 (要求) に限りなく近い状態で決着したのだから、その功績は誉められるべきだと思う。 これだけ面倒な交渉、手続きをしたのだから時間がかかって当然だとも思う。 いつもは政治家や役人など好きではないが、今回だけは心から拍手を送りたい。

  田中真紀子氏が外務省を伏魔殿 (ふくまでん) と表現して批判の矢面に立たされた際には国会にまで呼び出された外務省だが、今回の件に対しては 「良くやったでしょ」 とか 「苦労したんだよ」 などとアピールもせず、裏方に徹している。 困った人々を助け、「あっしには関わりのねーことで・・・」 と静かに立ち去る 『木枯し紋次郎』 のようである。

  曽我さんの件に関しては一件落着ではあるが、数十人とも数百人とも言われている拉致被害者救出は始まったばかりだ。 これからも 「対応が遅い」 とか 「子供の使い」 などという批判を浴びることもあるだろうが、事件の全面解決に向けて頑張っていただきたいと心から願っている。

2004 / 12 / 11 (土) ¦ 固定リンク


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