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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

必要性 必要性

  昨日のニュースで新潟県中越地震の被害者救出、復興、ボランティア(食事の炊き出し)などに従事していた自衛隊が活動を終える内容を伝えていた。 北海道、千葉県、群馬県など各地の隊員が集結して、1日 3食の食事を被災者に配り、約 9万 5000食を提供してきたとのことだ。

  去り行く自衛隊員に皆がお礼を言い、子供達が手を振る。 中には涙を流しながら深々と頭を下げている人もいた。 自衛隊員は凛とした態度で敬礼をしながら、ゆっくりと車を進めて去って行く。 何とも言いようのない清々しい気分で画面を見ながら、静かに、そして深く感動していた。

  自衛隊は名称こそ異なれ軍隊そのものであり、憲法で戦争を放棄している日本には必要のない組織だと主張する団体や政党もあるが、自分はやはり必要な組織だと思う。 戦争は自国が他国を攻めるだけではなく、他国から攻められることだってある。 話せば理解し合える相手ばかりではない。 その際に自衛する能力を持たないのは問題が大きすぎると考えるからだ。

  70年代の安保闘争や学生運動が盛んだった時期に、バリケード封鎖された大学に自衛隊を派遣して封鎖解除させよという意見と、自衛隊出動などもってのほかという意見が対立した。 結果、機動隊だけの力で問題は解決したが、仮に自衛隊が出動していても中国の天安門事件のように、デモ学生に対して無差別に発砲し、多数の死傷者をだす悲劇にはならなかったはずである。

  その点においては軍隊と自衛隊の性格の違いは明確になっているように思う。 学生に向けての発砲など世論が許さないだろうし、世論がなくとも自衛隊は発砲などすることはなかったはずだ。 生活を脅かす ”敵” から市民、国民を守るという観点からは出動しても良かったのではないかと思うが、当時はイデオロギー (社会思想) がそれを許さなかった。

  自衛隊廃止論は根強く残っているものの、今は必要と感じている人が多いのではないかと思う。 確かに災害時に活動するだけの組織としては莫大な経費を要し、救出訓練などは実施していないだろうから効率や手際も悪いかもしれない。 しかし、同時に外敵から身を守る役割も担っているのだから経費も必要となるだろう。 その点も含めて国民の理解は得られつつあるのではないかと思う。

  自衛隊に向けられる目が大きく変化したのは、阪神淡路大震災がきっかけだったのではないだろうか。 あの災害が発生した際、一部の団体は自衛隊の派遣に反対した。 右とか左とかに傾倒した思想の持ち主ではなくても快く思っていなかった人もいたかもしれない。 しかし、自衛隊の果たした成果は決して小さくはなかったはずである。

  その事実が自衛隊に対するイデオロギーを変化させ、今回の新潟県中越地震では出動要請が割とスムーズに行われたのだと思う。 自分は無宗教でノンポリ (nonpolitical の略) であるかもしれないが、軍隊であるとか無いとかの議論以前に自衛隊は必要だと思っている。

  反対意見も数多くあるだろうが、この雑感は今流行のブログではないので、反対意見を書き込むこともできなければ、受け付けをする気もないのであしからず。

2004 / 12 / 04 (土) ¦ 固定リンク


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