勢いで題名を前回から引き継いでしまったが、それほど大袈裟な内容ではない。
先々週の雑感ではスポーツに関して。
先週の雑感では音楽に関して偉そうな意見を書いたが、食べ物でも趣味でも、現在はネットやテレビ、雑誌などで情報が溢れているため選択肢が多く、日本人の嗜好も多様化してきているので爆発的に流行するものが少ない。
現在は韓流 (はんりゅう) ブームとやらで、韓国のテレビドラマや映画、俳優などに人気が集まっており、火付け役となった 『冬のソナタ』 が高視聴率をたたき出したり、DVD が売れまくったり、ドラマのロケ地を巡るツアーが盛況だったり、ヨン様が CM に出まくったりと大騒ぎであるが、この勢いがこれから先、一年も続くとは思えない。 熱しやすく覚めやすい日本人相手の商売は大変だ。
そして今は、第何次か不明だがお笑いブームでもある。 次から次に見たこともない芸人さんが登場してテレビの画面を賑わしているが、果たして何人 (何組) が生き残れるだろう。 以前の漫才ブームの時は、人気のある芸人さんは限られていた。 数組の芸人さんに人気が集中し、どのテレビ番組を見ても彼らが登場し、漫才で武道館を満杯にしたりもしていた。
しかし、今回のお笑いブームでは状況が少し異なり、人気が分散しているような気がする。 良く解釈すれば芸人さん達のレベルが高く、どの組も笑いをとることができるからなのかもしれないが、悪く解釈すると、どんぐりの背比べ状態で突出した実力の持ち主が不在なのかもしれない。 はたまた日本人の嗜好が多様化したから、特定の人だけに人気が集中することがなくなってしまったのか。
北野(ビート)たけし氏や明石家さんま氏、島田紳助氏のように過去のブームの時から今も活躍している人がいたり、ダウンタウンやナインティナインのように長く人気を継続している人達もいる。 お笑いブームで脚光を浴びている人たちの中で、それらの人達のように長く活躍できる人が何人 (何組) いるだろう。 実力や人気が拮抗しているので、そこから頭一つ抜け出すことが必要だろう。
しかし、現在はテレビに出まくっている若手芸人さん達の中で、10年後、20年後も活躍している姿を想像できる人がいない。 賞という賞を総ナメにしてきたフットボールアワーでさえ、彼らがメインのテレビ番組を持ち、それが 10年後も続いているところをイメージすることができない。
本当に、何に関しても何に対しても多様化が進んでしまい、大きな流れや爆発的ヒットが生まれ難い世の中になってしまった。 皆が同じである必要はなく、日本人としても、社会としても成熟期に入り、それはむしろ健全なことなのかもしれないが、大量生産、大量消費という、日本が必勝パターンとしてきた手法は通用しないということである。
人気商品やブームを創りだし、それをビジネスとしている人や会社は大変だろう。 かと言って安定路線ばかりを狙い、過去の曲の焼き直しや定番商品、映画の続編などチャレンジ精神が欠如したものばかりになってしまうのはつまらない。 何か良い方法はないのだろうかと考えないこともないが、残念ながら自分には考えが及ぶはずもなく、ここは才能のある人にまかせることにしようと思う。