テロに対する厳重な警戒の中で開幕したオリンピックも開催期間の半分が過ぎようとしている。 テロの懸念から思ったほど観光客が集まらず、ギリシャの相場からすると入場券の価格も高いなどの理由から観客席には空席が多く見られる。 今大会も収支は赤字になるのが決定的なのだそうだ。
開催国に多額の金が集まる時代は当の昔に過ぎ去っている。 それが分かっていながら 2008年のオリンピック開催を北京と競っていた大阪は何を考えているのだろうと思うし、目覚しい発展を遂げている中国に決定したことは結果的に良かったのだろうとも思っている。 純粋なスポーツの祭典であったはずのオリンピックも、今となっては国際オリンピック委員会(IOC)を肥やすだけの祭りになったようだ。
五輪マークの使用権、競技の放映権料が高騰し、とてもテレビ局一社で払える金額ではなくなってしまった。 そのため、日本では NHK と民放各局が共同で放映権を獲得して中継している。 そんな理由から 『
管理人の独り言』 に書いたように NHK で民放のアナウンサーの声を聞くことができるという不思議な現象が起こっていたりもするのである。
そんな商業的な話はやめて、純粋なスポーツの祭典としてオリンピックを見ると、今回は 21世紀最初の夏季大会である。 前回のシドニーが 20世紀最後の大会で、この雑感を書き始めたのも
その頃だった。 思えば 4年間も書き続けていることになる。 子供の頃は 「何をやっても長続きしない」 と親から叱られたものだが、4年も続けることになろうとは。 我ながら少々驚いていたりするのである。
そんな個人的な話はやめて、純粋なスポーツの祭典としてオリンピックを見ると、今大会での日本人選手の活躍はすばらしい。 前回のシドニーの時から見るのが好きになった柔道では金メダルを 8個も獲得した。 男子、野村選手の 3連覇もすごいが、女子、谷選手も怪我をおしての金メダルである。 誰かが言っていたが、「田村で金、谷でも金、母になっても金」 を目指してほしいものである。
水泳の北島選手、体操の日本チームなどもすばらしいが、メダルには手が届かなかったものの、『卓球の愛ちゃん』 こと福原選手が残した功績は大きいと思う。 数年前まで卓球は ”暗い” スポーツの代名詞だった。 試合も 『その他の競技の結果』 として小さく扱われる程度だったのに彼女の影響で試合が中継され、多くの人がその結果に一喜一憂した。
人気のなかったスポーツが脚光を浴び、小学生を対象にした 『尊敬できるスポーツ選手』 というアンケートにも福原選手は上位に名を連ねる。(財)日本卓球協会も福原選手には感謝しなければいけないだろう。 今回の結果がどうであれ、彼女には特別な処遇をするべきではないかと思うし、それだけの功績は十分に残していると思う。まだ 15-6歳で、これから何度もオリンピックに出場する機会があると思うが、いつか必ずメダルを手にしていただきたいものである。
オリンピックは残り半分であるが、これからもメダルの期待がかかる選手が続々と登場する。 現時点(08/21 14:00現在)でシドニーで獲得したメダル数を超えているが、東京オリンピックの時と同じくらい。 いや、それ以上のメダルを獲得できるように残りの競技も応援したいと思っている。来週もテレビの前に座り、日本人選手が活躍するたびにパチパチと手を叩く日が続きそうである。