大阪府摂津市JR千里丘駅周辺密着情報!!

雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

通勤時間の最も長い日 通勤時間の最も長い日

  現代のビジネスマンはストレス性の胃腸炎に悩む人が多いらしい。 慢性的な下痢に苦しめられている人も多く、『各駅停車症候群』 という現代病まであるらしい。 いつトイレに行きたくなるのか分からないため、停車間隔の長い快速や新快速電車には恐くて乗れないのだそうだ。

  自分も胃腸は丈夫なほうではないので、仕事のある日はトイレに立ち寄っても業務開始時間に間に合うように時間に余裕を持って家を出ている。 幸か不幸か千里丘駅には各駅停車の電車しか止まらないので症候群と呼べる症状にまで至っていないが、京都や高槻から大阪まで通勤している人にとっては重大な問題であろう。

  携帯用のケースに入れられた正露丸や、水なしで飲めて即効性のある下痢止め薬の販売も好調らしい。 水なしで飲める薬を発売したのは洗剤や歯磨きで有名なライオンなのだが、他の製薬メーカーは 「やられた〜」 と思っていることだろう。 花王が体脂肪やコレステロールを改善する食用油やペットボトル入りの緑茶で成功したり、ライオンが薬で成功したりするのだから先の読めない時代である。

  かなり以前の話になるが、下痢でひどい思いをしたことがある。 お腹の調子が悪い日は吹田駅で途中下車してトイレに寄り、新大阪駅でもトイレに寄って大阪駅までたどり着くようにしているのだが、その日は千里丘駅を電車が出発した時点ではそれ程ひどく調子が悪いわけではなかった。

  岸辺を過ぎて吹田までの間に下っ腹が 「コポコポ」 と音を立て始めたが、それでもまだ大丈夫だと思い、吹田駅を通過した。 そのうちお腹は 「キュルルン」 と鳴り出し、「ギュルギュル」 とだんだん騒がしくなってくる。 (これは新大阪で降りなければ・・・) と考えていたのだが、「ギュッギュルル〜ン」 とひときわ大きな音が鳴った後は便意がどこかに行ってしまった。

  (楽勝、楽勝) と思い、新大阪駅で降りなかったのが運の尽きである。 電車が動き出した途端にお腹の虫が騒ぎ出した。 「ブギュルルル」 とか 「ゴボブギャ」 などと訳の分からない音まで発し、それが出口に向かって行進しているようである。 (落ち着け、落ち着け) と自分を叱咤激励するものの、新大阪駅から大阪駅までは走行距離が異常に長い。

  お腹の虫は 「ブギュルモンビガバー」 などと文章では表現できないような騒ぎを始め、便意は絶頂に達しようとしている。 目の前は暗くなり、額や脇の下には脂汗がにじみ出てくる。 やっとの思いで大阪駅に電車が滑り込み、急いでトイレに向かおうとしたが、あまりの腹痛と便意でスタスタ歩くことができない。 乗客に突き飛ばされるようにしてホームに立ち、ソロリソロリと這うようにしてトイレに向かった。

  必死の思いで到着したトイレにはオッサンが溢れ返っている。 ここで、「もー限界です!先にいれて下さい!」 と言えたら良いのだが、羞恥心が先に立って口にすることができない。 我慢は限界に達しようとしていたが、こんなところで中年のオッサンが 『おもらし』 などできるはずがない。 目の前の暗さが漆黒の闇に変わり、もう少しで天使のレクイエムが聞こえそうになった。

  何もかも諦めそうになったその時、前に並んでいた人の良さそうなオッチャンが 「具合悪いんか?」 と聞いてきたので声も出さずに何度も何度もうなずいた。 するとオッチャンは 「この人具合悪いみたいやから先にさしたって〜!」 と大きな声で叫んでくれた。 沢山の人の好意に助けられ、トイレの個室に入りドアを閉めたとたんに 「ギュブモモ〜ン!」 というお腹の虫の断末魔の悲鳴が鳴り響いた。

  あわててズボンをおろし、便座に腰をおろすことができた瞬間、目の前には 623万本ほどのバラが咲き乱れ、遠くから小鳥のさえずりや、小川のせせらぎが聞こえたような気がした。 こうして、人の良さそうなオッチャンのおかげで最も長い通勤が終わりを告げ、至福の時が訪れたのであった。

2004 / 08 / 07 (土) ¦ 固定リンク


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