ゴミ問題 ゴミ問題
来年(2005)の 1月から 『自動車リサイクル法』 が施行されることになった。 地方に行くと使用済み自動車(廃車)が野積みされているのを見かけるが、雨の日などは水溜りが油でギトギトになったりしている。 決して環境にも良くはないだろうから適正に自動車が処理されることは歓迎すべきだろう。
各自動車メーカーの案としてリサイクル料金は、軽乗用車と乗用車の場合、7000〜18000円程度になると想定されている。 テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電リサイクルとは異なり、新車購入時に料金が上乗せされる先払い方式となるそうだが、それは受け入れられるだろうか。
PC も一般家電とは違って昨年 10月から先払いとなったが、リサイクル料金の 3000〜4000円を値引きして販売している店が多い。 一般家電でも 『リサイクル料金は無料』 というサービスをしている店もある。 自動車でも同じようなサービス(実質の値引き)を求められるのではないだろうか。
新車購入時に料金が加算されるのは消費者側の理解や販売店側の努力で解決できるかもしれないが、現在使用中の車は車検の際に料金を納める仕組みだ。 次の車検を受けて中古として売って、新車を購入しようとする場合は 14000〜36000円の負担ということになる。 今は車検を受けてから手放した方が高く買い取ってもらえるのという利点があるが、これからはどうなるだろう。
次の車検を待たずに廃車にしてしまう人が一時的に増えるかもしれない。 そういう場合はリサイクル料金をどうやって徴収するのか。 業者が徴収するのであれば業者を通さずに自動車を廃棄する人が増えるかもしれない。 ただでさえ放置自動車の多い大阪である。 ナンバーが外され、風雨にさらされてボロボロになった自動車を道端で見かけることがあるが、それが増大するのではないだろうか。
大阪市が誇る舞洲(まいしま)のゴミ処理場でも自動車は燃やせまい。 USJ と見間違うような派手な外観はオーストリアの芸術家、フンデルト・ヴァッサ−(Hundert Wasser)氏のデザインによるものらしいが、メルヘンチックな外観とは裏腹に、そのゴミ処理場はものすごい処理能力を持つと聞く。
大阪市の住民はゴミの分別を嫌い、なんでも一緒に出してしまうとのことだ。 そういえば職場でも分別はしていない。 面倒だからではなく、入居した当初にビルの管理人さんに確認したところ、分別の必要がないと言われたからだ。 最初は大阪市も分別を徹底しようと努力したらしいのだが、誰も言うことを聞かずにゴミを出すので諦めてしまったのだそうだ。
そこで、「ほんなら何でも燃やしたる!」 というコンセプトのもと、総工費に約 609億円を投じて建設されたのが、正式名称 『大阪環境事業局舞州工場』 である。 大阪市民がゴミの分別さえしていれば 600億もの税金が使われることはなかったはずである。 いろいろと問題のある行政ではあるが、この件に関しては文句を言うことはできないだろう。 ただし、あの外観が必要だったのかという疑問は残るが。
前述した一般家電や PC の不法投棄が問題になっている地域もあり、それに自動車が加わると大変なことになるかもしれない。 地球温暖化の影響で海面が上昇しつつある今となっては海の埋め立てに利用することも難しいだろう。 舞洲のゴミ処理場でも燃やせず、海に沈めることも難しいとなると、最終的には宇宙空間に放出するしかなくなるかもしれない。
そうやって地球人は、いつの日か、どこかにいるかもしれない宇宙人から嫌われることになるかもしれない。 そうならないためにもゴミの分別を徹底し、リサイクルできるものは有効活用すべきである。 資源の少ない日本にとっては、リサイクルすることで海外からの輸入を抑えることにも繋がるのだから。
2004 / 07 / 24 (土) ¦ 固定リンク