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オリンピック・イヤー オリンピック・イヤー

  今年はオリンピックが開催される年である。 毎度のことではあるが、オリンピック開催の年は景気が良い。 実感を持てる人は限られているだろうが、今年も例にならって景気が上向いているらしい。 しかし、これは景気の自力回復ではなく、中国の成長に頼っている部分が多い。

  ドカドカとビルやマンション、工場などを建設しているし、道路を拡張し、その道路を走る車をドカドカと生産しているから鉄鋼関連の日本からの輸出が増大し、それを運ぶ海運事業の仕事も増える。 中国で 2008年に開催されるオリンピック、2010年の万国博覧会まで成長は続くと予想されているが、その間に中国国内で鉄鋼関連の工場が稼動し、内需をまかなえるようになるので、世界的にみると鉄が供給過剰になり、価格が暴落することだろう。

  人件費の安い中国で生産された鉄が海外に輸出されだすと、日本はおろかアメリカの鉄鋼メーカーは大打撃を被るに違いない。 日本の鉄鋼メーカーは、生き残りをかけて経営統合や合併を繰り返していたが、中国特需に湧き返って業界再編の必要性を感じなくなっている経営者も多いらしい。 必ず失速するであろう輸出と、2010年以降の中国経済を考えると、体力のある今のうちに対策を考えておいた方が良いと思うのだが、調子に乗りやすい日本人には無理なのかもしれない。

  日本国内に目を転じてみると、『新・三種の神器』 と呼ばれるデジタル家電特需に湧いている。 数年前からデジタルカメラ、DVD プレーヤーの需要が増大し、オリンピックとデジタル放送開始の影響で液晶やプラズマの薄型テレビが売れている。 しかし、これとて長続きする訳ではあるまい。 デジカメも DVD も価格の下落が激しく、それほどメーカーの収益に貢献しているとは思えない。

  状況として楽観できないのは液晶分野である。 今は生産しても需要に追いつかないくらいに売れているが、国内最大手のシャープが巨大な工場を完成させ、今までの二倍の生産能力になった。 そして、ここでも登場するのが中国である。 日本、韓国などのメーカーが液晶の工場を中国に建設中で、これらすべてが稼動を開始すると、一瞬にして供給過剰状態になってしまう。

  そうなると乱売が始まり、液晶の価格が暴落することだろう。 値段が安くなるのは我々消費者にとってはありがたいことだが、メーカーの収益が悪化するのでデジタル・バブルが弾けてしまうかもしれない。 2010年ごろを目処に、日本ではアナログ放送が打ち切られ、デジタル放送だけになる予定なので、それまでは薄型テレビが売れ続けることだろう。 中国でもイベントが目白押で成長が続く 2010年までは薄型テレビなどデジタル製品が売れるだろう。

  いずれの場合も 2010年が鍵である。 その年までに日本でのテレビの買い替え需要は終わりを告げる。 その年を境に中国の成長が鈍化し、鉄やデジタル家電が売れなくなったら・・・。 中国の成長鈍化は世界経済に影響を与えるであろうから、各国で輸出産業の業績が悪化したら・・・。 そして、前述のように鉄や液晶が供給過剰になったら・・・。 それから先は考えるのも恐ろしい。

  アホな改正案が参議院を通過すると、年金の支払額が増大し、受給額が減少する。 そのタイミングと経済不安が重なった場合、『失われた十年』 と形容される 90年代の不景気より悪性のデフレによる不景気に突入するかもしれない。 そのためにも新しい産業を育てなければならないと、経済学者などが口をそろえて言うのだが、いまの日本政府に期待するのは無理だろう。

  民間は民間で、個人は個人で努力して、2010年以降を乗り切るしかなさそうである。 そのためにも、少しでも景気が良く、体力があるうちに対策をしておかねばならない。 分かっていても、我家の場合は体力があるわけでもなく、具体的な対策案を持っている訳ではないのであるが・・・。

2004 / 05 / 29 (土) ¦ 固定リンク


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