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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

関心事 関心事

  世の中の関心は、今夜帰国する小泉首相の動向に集中している。 テレビも朝から拉致被害者の家族が首相と一緒に帰国できるのかに注目しており、現地での様子が逐一伝わってくる。 この雑感をアップロードするのは 23:00 頃を予定しているが、それまでには事実が明らかになっていることだろう。

  現時点 (14:00現在) では会談が終了し、夕方の記者会見を待っているところだが、各マスコミの報道を見ると、あたかも家族が一緒に帰国することが確実なように内容を伝えている。 確かに可能性は高いのだろうが、それが 100%保証されている訳ではない。 拉致被害者の 5人は、期待しながらも 「進展があれば」 という控え目なコメントに終始している。

  家族が一緒に帰国することを一番に望んでいるのは、我々第三者でもなければマスコミではなく、当の被害者の方々だろう。 当人達が感情を押し殺し、努めて冷静に行動し、発言しているにも関わらず、マスコミは家族が帰国した場合の対処など、浮き足立った報道が目立つ。 ここは静かに、そして深く、家族が一緒に帰国できることを願うべきではないだろうか。

  浮かれた報道ばかりしていて、万が一にも帰国が実現しなかった場合、どうするつもりなのだろう。 残されている家族は、先に帰国した 5人とは違う。 5人は日本人であり、拉致された事実を知り、記憶しているから日本に帰ることは当然だろうが、現地で生まれ育った子供達は、自分が ”被害者” の家族である事実さえ知るすべがない。 生まれてから反日教育も徹底されているかもしれない。

  親が自分達のもとに帰ってこないのは、日本に ”拉致された” と教えられているかもしれない。 北の政府が 「日本に連れて帰って良し」 と言ったとしても、本人たちが 「日本になんか行きたくない」 と主張したらどうなるだろう。 それは余計な心配のしすぎかもしれないし、もちろん家族の方々が一緒に帰国できることを望んでいるのだが、必要以上に期待をあおる報道を見ていると、つい不安になってしまう。

  この件に関しては、全国民が注目していると思いたいところだが、実際には無関心な人もいることだろう。 世間が大騒ぎになっていることすら知らない人もいるに違いない。 この雑感にも何度か書いたが、以前は TV ゲームを制作している会社に勤めていた。 その業界のことは、マスターアップ (締切) 間近になると徹夜の連続で、家にも帰らず風呂にも入らず・・・というイメージを持っている人が多いようだが、事実は ”その通り” だった。

  一カ月以上も家に帰らず、会社に寝泊りしていた社員が、ソ連 (現モスクワ) で発生したチェルノブイリ原発事故を知らずにいたこともあった。 偏西風にのって放射線が日本に到達したらどうしようなどと、多くの人が心配し、メディアでも大きく扱われていたのにである。 本人は缶詰状態で仕事をしていたので新聞を読むことも、テレビを見ることもできなかったのは事実だが、あまりにも見事な 『浦島太郎状態』 に驚いたり笑ったりしたものである。

  中には遊び呆けていて重大な事実を知らなかった奴もいる。 友人の何人かが車で遠出し、帰ってきてからもマージャンをしたりして遊び、夜になって酒を飲みに出かけたところ、多くの店が臨時休業しており、街のネオンも消えているという。 その知り合いから 「いったい何があったのだ」 と切羽詰った声で電話がかかってきたので、半ば呆れながら教えてやった。「(昭和) 天皇が亡くなったんだよ」。 知り合いは、しばし絶句したのちに言った。「せっかく飲みに来たのに・・・」。

  彼にとっては 『天皇崩御』 の事実よりも、行きつけの店が休みだったことがショックだったらしい。

  人それぞれに関心の大きさは違うだろうが、前半に書いたようなことが余計な心配に終わり、この文章をアップするころには拉致被害者とその家族の方々が、手に手をとり合って喜ぶ姿をテレビを通して見ていることを心から望んでいる。

--- 追記 --- (17時現在)

  『管理人の独り言』 でも触れたように、拉致被害者のご家族の 5人が帰国することになった。 今回の日本政府の対応に関して、様々な批判もあることだろうが、個人的には一定の成果があったと思っている。 お米や医薬品の支援を約束したことに対する批判もあるだろうが、お互いに席を蹴ってしまわない譲歩は必要だったのではないか。

  日本人 (特に政府) は期限を明確にしないのが問題である。 残りの拉致被害者の調査や、拉致疑惑のある人たちの調査を○月○日までに報告してほしいと期限を決め、その期限が守られなかったら支援を中止し、加えて 『経済制裁』 や 『特定船舶入港禁止法案』 を通過させて ”発動” しますと伝えれば良いのではないだろうか。

  ”北” の政府には問題があるが、”北” の国民すべてが悪いわけではない。 人道的支援を必要としている人々がいるのは事実なのだから、お米や医薬品だけではなく、エネルギーでも金でも支援して構わないと思う。 そして、約束が守られなかった場合に、徹底的に国交を断てばよいのではないか。

  ただし、期限を決めた約束をしてこなかったので、今回は通用しない話しではあるが・・・。

2004 / 05 / 22 (土) ¦ 固定リンク


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