昨日(2/20)の会社帰り、久々に阪神百貨店の地下食料品売場に立ち寄った。 2/19 の 『
管理人の独り言』 にも書いてある通り、常食している味噌を買うためだ。
何年も前の雑感にも書いた通り、基本的には人込みが、特に女性が沢山いる場所は苦手なのだが、外でボ〜っと待っているのも何なので、意を決して店内に入った。
金曜の夜ということもあって、込み合っているものと覚悟していたのだが、思ったよりも人は少なかった。 少ないとは言え、そこは阪神百貨店の地下である。 近所の店よりは、はるかに人が多い。 そして相変わらず店内の ”おば様達” は自分のことで精一杯らしく、人にぶつかろうと、おかまいなしに目的の売場や品物めがけて突進していく。
もう、これはオバチャンの本能なのだろうと悟りを開いているため、オバチャンのヒジが当たろうと、お尻でグイグイ押されようと怒る気にはなれない。 むしろ、「あ〜今日も元気だな〜」 などと感心すらしてしまう。 彼女達はいつまでも元気に、そしてたくましく生きていっていただきたいものである。 景気は上向きと言っても実感がわかない今日このごろであるのだから、オバチャン・パワー全開で消費して GDP を押し上げていただければ幸いである。
デパ地下に限らず、食料品売場をウロウロするのは嫌いではないのだが、販売員さんが少し恐かったりもする。 阪神百貨店の鮮魚コーナーからは、閉店近くになると威勢の良すぎる声が響き渡る。 遠くにいるお客さんに 「安売りが始まったのだな」 と気付かせる効果があるのだろうが、近くにいる場合は耳の奥がジンジンしてしまう。 チラっとでも商品に目をやったり、販売員さんと目が合おうものなら、個人的かつ、集中的に声をかけられる。
意思の弱い自分としては、目をむき、大声で勧められると、ついフラフラと寄って行きそうになってしまう。 最近は無視して通り過ぎるようにしているが、過去には、それほど食べたいと思っていなかったものを買ってしまったことも何度かある。 たしかに品物は良いのであるが、もともと食べる気などなかったので、それほど嬉しくはない。 そんなこんなで後悔することが多いため、最近ではなるべく近寄らないようにしているのである。
今回の話ではないが、以前に阪神百貨店で買いものをしていたとき、豚の角煮を売っているオバチャンが、ニコニコしながら手招きをする。 それが、自分の孫でも呼ぶような人懐っこい笑顔で、「おいで、おいで」 と呼ぶものだから、ついフラフラと寄って行ってしまった。 するとオバチャンは、「はい、食べなさい」 と試食用の角煮をくれた。 食べてみると、それは口の中でとろけるように柔らかく、味も悪くなかったので、まんまとオバチャンの作戦に引っかかって購入してしまった。
何グラムのものだったか覚えていないが、あまり大きくはない一かたまりの肉で 1000円くらいしたと思う。 お金を払う段階になって、豚肉ごときに、なぜ 1000円も払わなくてはならないのかと思ったが、それはすでに後の祭りである。 オバチャンは機嫌よく 「ありがとーね」 と言ってくれたが、持ち帰って食べた角煮がどんな味だったのか、今となっては覚えていない。 やっぱり自分が食べたいと思う物を買って食べるのが美味しく、人から無理に勧められたものは、心から味わって食べることができないようだ。
今回、デパ地下を歩いて気付いたのは、割と高級な品物を扱っている肉屋さんに人だかりができていたことである。 BSE 問題で輸入肉を国産と偽装表示して売る店が後を絶たないため、消費者心理とすれば、多少割高でも ”阪神百貨店” というブランドを信用したいのかもしれない。 安売りをしている訳でもないのに、ショーケースが見えなくなるほどの人が集まり、牛肉を買い求めていた。
そんな人だかりを横目で見ながら、「肉を食えない体で良かった」 と変に安心したりしている自分がそこにあったのであった。