潮流 潮流
時は流れる。その時代とともに現れては消えるものがあり、流行も移り変わる。その流れを上手につかむことができた企業は、大きな利益を享受することができるが、流れに乗り遅れた場合は、過大な在庫を抱えてしまうことになりかねない。古くは 『ポケベル』 や 『たまごっち』、最近では 『フリース』 や 『365 日のバースデーテディ』 などが典型的な例である。
ブームとなり、商品が品薄状態にまで発展してしまう。やっと増産体勢が整い、大量に生産できるころにはブームが去ってしまい、膨大な在庫を抱えてしまう。計画より大量に売れてしまった場合は、各企業にとって 『嬉しい悲鳴』 をあげるのと同時に 『恐怖の足音』 が迫ってきている。ブームが去ると、売れなくなった在庫を処分するためには、値段を下げなくてはならず、結果的に赤字だったという話も少なくない。
最近では試験的に販売してみて、予想以上の売り上げだった場合は、量産体勢が整うまで出荷を停止するケースが増えている。とことんまでハングリーマーケットにしておいて、一気に販売してブームが終息するタイミングを見極め、過剰な在庫を抱えるリスクを回避しようという戦略だ。それも決して簡単なことではないが、これだけ短期間に流行が変化する時代には必要な処置だと思われる。
とくに怖いのは若い女性、それも女子高生を中心とした世代での流行である。流行は短期間で一気に広まるが、それが終息する早さも尋常ではない。昨日まで持てはやされていたものが、今日にはすでにダサいと言われる。ダサいという言葉自体が死後なのであろうが・・・。大流行し、今現在も生き残っているものと言えば 『ルーズソックス』 くらいのものである。
安室奈美恵の登場で女子高生の眉が細くなり、色の黒い化粧が流行した。それが、どう間違ったのか、黒い顔面に目の周りと唇が白い、通称 『ヤマンバ』 とういう化粧法に発展したが、今は絶滅してしまったようだ。浜崎あゆみの登場で、髪を染めて目の周りが黒い化粧が流行して、現在に至っているが、どうやらそれにも陰りが見え始めたように思う。
我家には女性誌が存在しないので、正確な情報でもなければ、人から聞いた情報でもないのだが、テレビを観ていて気になったのが、女性タレントの化粧法である。まだまだ少数ではあるものの、あたかもスッピンに見えるような化粧をしている人がいる。目の周りはもちろんのこと、唇にさえ極端な色の変化が見られない。本当に 「顔を洗ってそのまま来ました」 という雰囲気なのである。
それだけ自然に見せるのは、逆に難しいことであり、かなり大量の化粧品を使用しているのかもしれないが、明らかに今までの化粧とは異なる。これは何かで聞いた話だが、日本女性の髪が黒髪に戻りつつあるという。我も我もと、こぞって髪を染めていたが、それが面倒になったのか、それとも流行ではなくなってきたのか。”あたかもスッピンに見えるような化粧” と ”黒髪” が、明日の流行になるかもしれない。
最近になって毛染めの新製品を発売したメーカーや、「まつ毛がこんなに長くなる」 だの 「ボリュームたっぷり」 だのという化粧品を発売したメーカーは、今のファッションが当面は続くと思っているのかもしれないが、何となく当てがはずれてしまうような気がする。何せ ”黒髪” で ”あたかもスッピンに見えるような化粧” をしていたのは、女性からも広く支持されている人である。
・ ・ ・ 流行を牽引するパワーを持った女子高生が、明日にも動き出すかもしれない ・ ・ ・ 。
2003 / 10 / 26 (日) ¦ 固定リンク