人のふり見て 人のふり見て
『人のふり見て我がふり直せ』 とは、他人の行為の善悪を見て、自分の行為を反省し改めよ。という誠に有り難いお言葉である。普段からそれを気にとめているわけではないが、見ていて 「ああはなりたくないな〜」 と思ってしまうことは良くある。それを特に感じるのは、平気な顔をして他人に迷惑をかけている人を見かけたときだ。それほど大きな迷惑を被っているわけではないが、腹立たしいことが数多くある。
先週の水曜日、帰りの JR は神戸あたりで人身事故があったとのことで、ダイヤが大幅に乱れていた。だぶん、そのことについてだと思うが、年配の女性が改札のところにいる駅員さんに向かって、大声で文句を言っている。その声といったら広い大阪駅に響き渡るほどの大きさで、耳の奥がキーンとしてしまうくらいだ。ネイティブな関西弁で早口なものだから何を言っているのかさえも理解できなかった。
文句のひとつも言いたくなることはあるだろうが、他人の耳にダメージを与えるくらい大きな声を出さなくても良いと思う。さらに、その女性は改札横のカウンターをバンバン叩きつけて興奮している。かなりヒステリックな人なのだと思うが、見ると目は三角に釣りあがり、口から泡を飛ばさんばかりの勢いで何事かをまくし立てている。若くて気の弱そうな駅員さんは目をキョトキョトさせて、しきりに謝っていた。
腹に据えかねたことに対して、大声で文句を言えば気が済むのだろうが、周りから畏怖の目で見られるほど過激な抗議はしない方がよろしい。あれでは、たとえ主張が正しくとも正しいことをしているようには見られないだろう。正確には分からなかったが、例えばそれが電車の遅れに関することであったとするならば、人身事故を起こしたのは、その駅員さんではない。他にもっと言いようがあるだろう。
見ていて腹立たしいのは混んでいる電車の座席で足を組んでいる奴である。そういうのを見ると、思い切り組んでいる足を蹴飛ばしたくなる。眠ってしまっているのならば仕方がないが、乗り込んでくる人を見ながら、それでも組んだ足を降ろさずにいる奴は本当に腹が立つ。そういう嫌な奴を見ているから 「自分は絶対に足を組むまい」 と自分自身に言い聞かせ、通勤電車では足を組まないようにしている。
駅構内など人の多い通路の中央で立ち話をしている女性も多い。明らかに通行人の邪魔になっているのに、会話に夢中で他人のことなど気にしていない。通路の端に寄って話せば良いのに、堂々と真ん中で、両足で大地をしっかりと踏みしめて仁王立ちになっている。たまに気の短いおっさんが 「邪魔や!」 と文句を言うと、まるで相手が悪いかのように逆ギレして睨みつけている。
携帯電話で話しながら歩いていて、相手との会話で 「え!?」 と言いながら、急に立ち止まるのも女性が多い。先週もそういう女性がおり、急に立ち止まったため後ろから衝突してしまった。一応は 「すみません」 と謝ったのだが、女性は鬼のような顔をしてこちらを睨んでいる。どっちが悪いのか考えたら解りそうなものだが、あくまでも当たってきた方が悪いと思っているらしい。
TV のバラエティ番組などで良く聞く話を実体験してしまったこともある。かなり前の話だが、JR の券売機に並んでいると、前に並んでいるオバハンは隣のオバハンとペチャクチャ話をしている。いざ自分の番になったという時にバッグを券売機の前に置いて中の財布を探し出す。そして、その時になって行き先までの料金を 2-3歩さがって上にある表示を見ながら確認している。
それもなかなか見つけられずに隣のオバハンに聞いたりしているのである。そんなものを待っている必要もなかろうと、先に乗車券を買おうとしたら 「ちょっと!順番守ってや!」 と文句を言われてしまった。この世に法律さえなければ、マシンガンを乱射してオバハンを蜂の巣にしてやりたい気分だった。挙句の果てには券売機の使い方が解らずに 「あーでもない、こーでもない」 とウロウロしている。
あまりにも腹が立ったので隣の列に並び直して乗車券を買ったのだが、当のオバハンは、その時になっても券を買えずに券売機の前で 「解りにくい」 と文句を言ったりしているのであった。
2003 / 10 / 12 (日) ¦ 固定リンク