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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

タイミング タイミング

  何にでもタイミングというものがある。ちょっとしたことから大きなことまで、それは実に様々であるが、良くも悪くもタイミングが重要だったりするものである。運が良いとか悪いとかもタイミングの良し悪し、つまりグッドタイミングだと運が良く、バッドタイミングだと運が悪いということなのかもしれない。

  普段は気にしていないのに 「最近あいつはどうしいるかな〜?」 と思ったところに本人から電話があるなどという小さいながらも嬉しい ”グッドタイミング” もある。そんなときは、電話をかけた方も受けた方も 「心が通じた」 などと、ありもしない話で盛り上がるが、結局は単にタイミングが合っただけの話である。

  大きなタイミングとしては就職や転職ということがある。バブル期に就職を迎えた年代は、生まれてきたタイミングが良かったのだろう。企業が人手不足を理由に高い賃金で新入社員を迎え入れていた時代である。人を集めるために 『研修旅行は海外』 だの 『豪華マンションのような独身寮』 だの 『福利厚生でスポーツジム』 だのと待遇の良さを全面的にアピールしていた。

  ところがバブルが弾けると就職戦線は一変し、就職難の時代へと様変わりしてしまった。90年代以降に就職時期を迎えた世代は、生まれてくるのが数年遅かっただけなのにえらい違いである。最近まで超売り手市場で、大学でろくに勉強もせずに遊んでいても優遇されて就職できたのに、今では優秀な成績で卒業してでさえ就職が難しい。やはりタイミングが悪かったとしか言いようがないのではないだろうか。

  転職の際もタイミングというものがある。現在勤めている会社を辞めたいと思った時、他に行きたいと思う会社があるかどうか。また、辞める会社で仕事に段落がついており、人に引き継げる状態にあるかどうか。さらに、再就職を希望する会社が人材を募集しているかどうか。それらすべてのタイミングが合わなければ不況の昨今、転職は難しいと思われる。

  人生においては結婚もタイミングなのだろう。どんなに容姿が良かろうと、性格が良かろうとタイミングを逃して結婚できない人もいれば、性格がひねくれていて学生時代から嫌われ者だった奴がすんなりと結婚していたりする。相手とどのようなタイミングで出会えるかによって結果は大きく異なる。

  相手に結婚する気があっても自分にはなかったり、自分は結婚する気満々なのに相手に全然その気がなかったり色々と大変である。今は適齢期などなくなっているが、相手も自分も 「結婚してもいいかな」 と思える時期に出会えるか否か。それがすなわちタイミングの問題なのではないだろうか。

  そんなこんなで世の中には重要なタイミングというものがあるが、先週の中ごろ実に小さなタイミングの問題が発生した。正面から歩いてきた人と道を譲り合うタイミングが妙に合ってしまい、お互いが右に左にとウロウロしてしまうことがある。こちらが右に避けようとすると相手も右に、左に避けようとすると相手も左に動いてしまう例の ”あれ” である。

  何度かそのようなことを経験しているので 「そんな時はどうすれば良いか」 と考えたところ、右とか左とか躊躇するからいけないのであって、相手がどちらに避けるのかを立ち止まって見ていれば良いという結論に達した。それから何度か同じような場面に出くわしたとき、こちらが立ち止まると相手が横をすり抜けて行ってくれるので例の間抜けな動きをせずに済んでいた。

  で、先週の話に戻ると・・・出勤途中の地下鉄梅田駅構内を歩いていると、正面からきた人と ”あの” タイミングに至りそうになった。そこで、いつもの通りに立ち止まったのだが、なんと相手も同じ ”戦法” をあみ出していたらしく、二人そろって正面を見たまま立ち止まってしまったのである。

  お互いに何が起こったのか理解できず、そのまま 3秒ほど見つめあってしまった。そして、急に笑いが込み上げてきて見つめあいながら二人で 「わっはっは」 と笑い出した。周りの人は変な顔をしてこちらを見ているので照れくさいやら可笑しいやらで、なんだかよく分からなくなってしまった。とりあえずは 「失礼しました」 と言って別れたのだが、一人で歩いていても可笑しさの余韻にひたっていた。

  間抜けな動きをしたくないがためにあみ出した戦法によって、余計に間抜けなことになってしまったが、同じ行動をとる人と 「よくあのタイミングで合ったな〜」 とタイミングの妙に感心したりしているのである。

2003 / 02 / 16 (日) ¦ 固定リンク


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