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雑感何となく感じたこと雑感何となく感じたこと

  何がどうなっているのか阪神が好調を維持している。去年までのことを考えると、まさに春の椿事だ。”椿事”は ”珍事”とも書くが、早春に花をつける椿(つばき)を用いたほうが桜も散った今の時期にはしっくりくる。桜の季節も終わったのに椿が花を咲かすほど珍しい出来事なのである。

  新聞の見出しに 「盛り上がる阪神ファン、盛り下がる中日ファン」とあった。名古屋の中日ファンは ”男星野”の心意気を理解し、暖かい気持ちで阪神タイガースへと送り出した。当然のことながら 「阪神じゃ大変だろうけど頑張ってね」という気持ちだったと思う。ところが今は 「誰がそんなに頑張れと言った!」という状態である。阪神は 1位を独走、中日は 5位、6位を迷走しているので、さぞかし複雑な思いをしていることだろう。

  しかし、何が原因で阪神は好調なのだろう?たしかに星野仙一という人は優秀な監督だと思うが、監督が変わっただけでチームが変貌するとも思えない。意識の改革はできても個人が持つ能力まで急激に向上するはずがない。野村監督時代に植え付けられた野球に対する考え方が浸透し、当時の若手選手の育成が実を結び、今年になって花開いたのだろうか?

  誰か忘れてしまったが、「野球は個人プレー。個人の技を磨くことが重要でチームワークなど二の次だ」 と言っているのを聞いたことがある。少々乱暴な意見にも聞こえるが、真意は別のところにあるようだ。例えば内野ゴロを処理するにしてもエラーをしない。そしてファーストが補給しやすい球を投げる。これはチームプレーでもあるが、突き詰めると個人の技が劣っていればできない芸当である。

  打撃にしても同様で、得点圏にランナーがいる時は誰でもヒットを打ちたい。そしてヒットを打って点を得ることでチームの勝利に結びつく。それこそが点と点が繋がって線となる、いわゆる打線というわけだ。しかし、それとて個人の技に頼る部分が多く、技術が劣っていては次に繋げることができず ”線” にはならない。

  ということは阪神の選手の技が磨かれたため、今年の好調に繋がっているのだろうか?しかし、監督が変わったからといって急激に・・・と、思考が無限ループしてしまう。星野監督がある雑誌のインタビューを受けて 「強力な戦力を持ちながら、個々の選手の力が 1つにかみ合わず、分断されている。そのために本来の力が発揮できないことがある」と巨人というスター選手が多い球団でさえ ”点” が ”線” にならなければ勝てないと指摘していた。

  ・・・とすれば、やはり個人の能力や技術が優れていても勝てないということになる。しかし、技術が劣っていれば確実に捕球したり送球したり、ヒットを打つことはできない。逆に個々の能力や技術が高くても、重要な場面で打てなかったり、エラーをしてしまうと、やはり勝つことができない。だとすれば、個人競技ではなく団体戦で勝つために最も重要なことは何なのだろう?と考え込んでしまった。そんなことが解れば誰も苦労はしないので組織を運営する人にとっては永遠のテーマなのであろう。

  野球の解説を聞いていると 「チームに勢いがある」という言葉をよく耳にするが、その ”勢い”とは何から生まれるものなのか。「チームのムード(雰囲気)が良い」とも言うので ”雰囲気”という、まことに抽象的なモノが重要ということになるのか。では、その雰囲気を良くするために重要なことは・・・。などと、くどくど考えても仕方ないのであるが、スポーツに限らず組織が成功するための秘訣は是非とも知りたいものである。

  前述のインタビューの中で、久万俊二郎(阪神オーナ)氏に 「阪神の低迷の責任は現場だけではない。人事も金庫も持っている以上、あなたの責任も大きいはずです。そこを認識していただけなければ、現場だけではチームの再建は難しいですよ」と苦言を呈したと言い、選手に対しては 「”負け犬根性”を洗い流し、ハートを鍛え、戦う集団としての心構えを注ぎ込む」と発言していた。

  阪神は 「球団(フロント)がアホ」 だの 「選手の闘志が見えてこない」だのと言われ続けていたので、球団に対して責任を持たせ、余計なことを言わせず、選手の心構えが変わるのであれば確実に何かが変わるだろう。このインタビューはキャンプ中のものだったが、現時点ではその発言どおりに事が進んでいるものと思われる。やはり、好調の要因は星野さんが監督になった ことにあるのかもしれない。

  何はともあれ阪神が元気だと大阪も活気があって良いものである。先週の雑感に「阪神が優勝することによる経済効果は最低でも 1,000億円なのだそうだ」と書いたが、今の盛り上がりを見てそれが 2,000億円に上方修正されたそうだ。特に景気が低迷している関西にとっては阪神優勝の 4文字は景気回復の原動力になるかもしれない。

  どこかの商店街では優勝までのマジックが 130だの 129だのとカウントダウンまで始めているらしい。すでに優勝セールの企画をしている店もあってすっかりお祭り気分だ。今までは ”どよ〜ん”とした雰囲気だった人々もなんとなく明るい。星野監督はチームの雰囲気だけではなく、関西の雰囲気まで良くしてくれているようだ。

  残念ながら昨日(04/13)2敗目を記してしまったが、更にはプロ野球に熱心なわけでもなく、阪神のファンというわけでもないが、今年は頑張ってほしいと切に願っているのである。

2002 / 04 / 14 (日) ¦ 固定リンク


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